私たちは“沼る”という言葉を使っているんです。引き上げはとっても大切なバレエエレメンツですが、引き上げない方がうまくいくこともあります。
今日は、支持足についての解説です。

支持足の理想
イメージしてみましょう。
あなたは長靴を履いて、ぬかるんだ田んぼに足を入れました。(“沼”でもOK)
簡単に足を抜くことはできません。
これができれば、安定して立つことができるし、長い脚を作ることができます。実際の体の動きで表してみましょう。
- 骨盤をできるだけ高く設定し、
- 足を田んぼにつっこむ!
骨盤で上方向の矢印、足で下方向の矢印ができました。上下の力の釣り合いが取れて、良いバランスになっています。バレエで動作を生み出すときは、原則として体の中心から外側に向かって矢印を作ります。

もちろん、内側へ集める力も必要ですが、それに関しては「体幹」に関する記事で解説します。
寄りかかりとの違い
体の重さを筋肉や骨で支えることができず、関節に重さをかけてしまうことを、私たちは“寄りかかり”と呼んでいます。ちょっと難しいかもしれませんが、柱のない家のような感じでしょうか。柱がないので、強い衝撃が加わると歪んでしまったり、崩れて壊れてしまいます。
「床を押す・圧す」のが難しいのはここ。寄りかかりとの違いが非常にわかりにくいのです。例えば、支持足に寄りかかり、体重をかけすぎると、踵は床に接してはいますが、実際には浮いてくる方に働いてしまいます。
先ほどの骨盤と足の例のように、矢印は常に反対方向に長く作ることがバレエのポイントです。

うまくいかないことがあったら、反対側の矢印を作り忘れていないか、確認してみましょう。
動きのきっかけが与える影響
脚、胴体、骨盤、全てを引き上げてしまうと、前腿から脚を動かしがちです。これは、前腿の筋力があるないではなく、動きのきっかけを前腿で作ってしまうという意味です。印象として、前腿ばかり使ってしまっているようにうつりますし、実際に裏側や内腿よりも前腿の方が「硬直」しがちです。
バレエでは、動きのきっかけは「裏側や内側」にしたいことがほとんど。支持足を引き下げることで、膝のお皿は逆に上げやすくなります。(つまり、膝が伸びやすくなる)そうすると、裏側きっかけで立つことができ、動かす方の脚も裏側や内側きっかけで動きやすくなります。
床を押し(圧し)、足を引き下げる意外なポイントは、支持足にかかる体重を減らすこと。足裏の重さを感じながら、支持足を作ってみてくださいね。
▶︎ワークショップで、支持脚を引き下げよう!
