ターンアウトは、バレエをする人にとって永遠の課題です。
私たちから見ると、羨ましく感じる体の資質の持ち主でも、バレエを極めたダンサーでも、ターンアウトとは常に戦っているようです。
さあ、今日はターンアウトを体の面から、あなたにヒントをお伝えします。

答えは1つじゃないよ
ターンアウトって、どんなことをすればいいですか?
▷ターンアウトとはこう
▷体はこう使う
そんな情報を目にしたことが、一度ならずともあるのではないでしょうか?あなたが目にした情報や先生に言われていること、おそらく正解です。それをやってみて良くなったなら、それでいいんです。
ただ、それをやってみてもうまくいかなかったり、うまくいったんだけど、さらなるターンアウトを目指すなら、知ってほしいことがあります。
私は、ワークショップでこんな言葉を伝えることがあります。
答えは、ひとつじゃないよ
もちろん、答えがひとつであってほしい気持ちは理解できます。ただ、そのひとつの答えが合わなくても、うまくいかなくても、がっかりする必要はないんです。
ターンアウトは元々ひとつの行為を指しているのではありません。いろんな要素をまとめている“総称”のようなもの。
チーズケーキも、チョコレートケーキも、シフォンケーキも、まとめて“ケーキ”と呼んでいる、このケーキの呼び名のようなものなんです。チーズから食べても、チョコレートから食べても、シフォンから食べても、大丈夫です。
ただ、チーズも、チョコレートも、シフォンもケーキなんだということを知っていれば、チーズが合わなければ、チョコレートから…というように、種類や順番を変えてみることができますから、整理しておくことは必要です。
答えがひとつじゃないのはスッキリしないかもしれないけれど、カスタマイズしたり、あなたがチョイスできる余地はあるんです。
持っていれば、間違いないもの
ターンアウトが複数の要素から成り立っているところまで整理しました。ここからちょっと専門的な話をしますが、できるだけ噛み砕いてお伝えしますから、身構えずに読んでくださいね。
ターンアウトというのは、身体操作つまり「オペレーション」になります。どういうことかというと、例えばテレビのリモコン。チャンネルを変えたり、音量を変えたりするとき、あなたはリモコンのボタンを押すと思います。
この押すという行為がオペレーション、ターンアウトになります。
このリモコンをあなたが操作したいとき、リモコン自体が必要ですよね?当たり前ですが、リモコンがなければ“リモコンを操作する”という行為は成立しません。このリモコンに当たる部分が、筋力だったり、可動域だったりという部分になります。
- 操作を知っていても、リモコンがなければ、操作はできない
- リモコンがあっても、操作を知らなければ、操作はできない
操作にしても、リモコンにしても、どっちを先に手に入れてもいいけれど、両方ないとリモコンの機能は成立しないという意味です。
ただ、結果にかかる「時間」には違いがあります。
- 操作を知っていて、リモコンがない場合、リモコンを作るのには時間がかかる
- リモコンがあって、操作を知らない場合、操作を知れば短時間で動かすことができる

これが比較的ベーシックな考え方。
リモコンを持っているってことは、あなたの大切な財産です。
リモコンを手に入れるには?
それは、「体作り」筋力をつけるだけでなく、可動域を広げることも含まれます。ただ大人の方は、バレエダンサーがやっているようなストレッチは避けるべきだと思います。
私たちは、上手になるのも大事だけど、健康で、長く、バレエを踊りたいわけです。やった方がいいことは、やった方がいい。ただ、やらない方がいいことを、あえてやる必要はありません。
アウターマッスルにしろ、インナーマッスルにしろ、必要な筋肉はつけたいし、必要な強さもつけたい、必要な量もほしい。ターンアウトするのに、必要な可動域もほしい。それでいいのです。それ以上、どこかを極端にしたいのではありません。
ターンアウトを目指すなら、ターンアウトの体作りをする。そしてバレエレッスンで、ターンアウトを意識できるようにする。リモコンを作って、少しずつ操作方法を覚える。
今より、ターンアウトできるようになると思いますよ!

“毎日少しずつ”もいいけれど、ターンアウトリモコン特集で、集中的にやってみると体に刺激が入って、変化を感じやすくなります。
▶︎ターンアウトのための体作り
