「集める」感覚をつけよう! 回転やバランスのヒント

バランスをとるときやピルエットなどの回転で「集めて!」と先生に言われたことはありませんか?

「集める」って何をしたらいいのか、意外とわかりませんよね。闇雲に引き上げようとお腹を固めてしまったり、首に力が入りすぎてしまったり。

今日は、「集める」感覚を身につけるヒントをあなたにお伝えします。

バレエを知るための2つの視点

2つに整理してみると、バレエがわかりやすくなります。

  • 体の仕組み
  • 物理的な見方

 ▷「体の仕組み」というのは、解剖学などの人間がどう動くかから紐解くということ。
 ▷「物理的な見方」というのは、人の体を物体として捉えて紐解くということ。

バレエは人間が動くものなので“体の仕組み”から紐解くのは大事なのですが、それだけでは不十分。解剖学だけではうまくいかない理由です。

動きは重力や摩擦、あるいは体重による影響なども考慮してはじめて「本当はどうなのか」が見えてきます。

今回の場合は、関節や筋肉がどうあるべきというよりも、先に物理的な視点を持っておくと「集める」を理解しやすくなります。

ちなみに、解剖学と物理的な見方で成立している学問を「運動学」と言います。

2つの力の釣り合いで、バレエは成り立っている

バレエは基本的に、体の各パーツは体幹からできるだけ遠ざけてポジショニングします。バレエダンサーの細く長い筋肉がつく仕組みの一つです。

具体的な例をあげるとしたら、こんな感じ↓↓

  • 頭を高く
  • 肘や手首を遠ざける
  • つま先を遠くに伸ばす

これは、内側から外側へと力をかけている状態になります。

一方で、内側へと力をかける力も必要になります。いろんなパーツをネジで止めて、複数のパーツを1つに「集める」のです。この役割を担っているのが、そう「体幹」です。体幹は体の中心に向かって力を集め続けます。(=ネジの役割)

感覚をつかむためのエクササイズ

どんな感覚の違いがあるのか、3つのポーズ(エクササイズ)を試してみましょう。

  1. 両手を横に広げる
  2. 腕を前に伸ばし、さらに両手を縦に揃える

どうですか。

“1”は、内側から外側へ力をかけている状態。「解放」のイメージです。“2”と比べると、こちらの方が気持ちよく伸ばせますね。腕や脚はこうして、遠くに伸ばしています。

それに比べて“2”は、なんだか窮屈な感じがしませんか?この窮屈な感じが「集める」です。

内側へと力をかけるとは、例えていうなら、パンパンに荷物が入ったスーツケースにあと1枚、Tシャツを無理やり詰め込んでいく、そんな感じです。

体の仕組みを少しだけお話しすると、この「集めた」状態では、特に腹筋がしっかり働きます。このお腹の感覚が、窮屈さを感じさせるのです。

この窮屈さを持って、バランスをとってみたり、回転などを試してみると、バレエ動作での「集める」を体感できますよ!

“気持ちがいい”感覚だけがいいわけではなく、窮屈な感覚も正解。

自信を持ってやってみてください。

▶︎体幹を絞って、集めて使う

JBPタイトル