バーレッスンで、両手を離してバランスをとる。
ポーズでピタッと止まる。
バレエレッスンでも、作品でも、こんなシーンがたくさん出てくる。
ローズアダージオでは、バレリーナは長いバランスを妙技としてみせる。
バリエーションの最後は、ポーズでピタッと止まる。
「きれいな写真が撮れるように!」と言われることもあるだろう。
「止まる」言葉に表すとこうなる動作を、額面通りにやってしまうとうまくいかない。
今日は、バランスのとり方・ポーズの止まり方、そのための「バレエ脳」を、あなたにお伝えしよう!
バランスをとる、ポーズで止まる|大人のバレエ
”動き続ける” ことで止まる
”止まる” というと、写真だったり、一時停止のようなイメージを持ちやすい。
要するに「動作を止める・止まる」。
そうすると、セメントで固められたような印象になるものだから、先生には「固めないで!」と言われる。
オーダーに応えようとして「力を抜いてしまう」。
形は崩れ、バランスを崩し、もちろん、ピタッと止まることができない。
こんな悪循環が起こりがちである。
ここで整理しておくべきことがある。
「固めないで!」という指導言語は、正直、誤解が多いために「良い指導言語」とも思えないが、一般的に使われる言葉である。
この指導言語を使わない指導者を探すよりも、この指導言語で求められることを、あなた自身が理解していることが望ましいように思える。
「固めないで!」と指示が入ったときに確認すべきは、「力を抜こうとする」ことではなく、
▶︎力をかける方向
▶︎力が止まっていないか
である。
JBPのバレエワークショップでは、何度か話したことがあるが、ここでもお伝えしておこう。
比較的、イメージしやすいと思うので、参考にしていただきたい。
私たちの心臓は、休むことなく働いている。
けれど、「心臓が動いている」ということを目にしているわけではない。
私たちは、「心臓が動いている」ということを目にはしないけれども、常に動き続けているのだ。
寝ているときも、それこそ、まばたきせずに静止しているときも、動き続けている。
これこそが、バレエでいうところの「バランスをとる・ピタッと止まる」ということだ。
つまり、動き続けているのだ。
まずは、この事実をしっかりと記憶して「バレエ脳」を作っておこう!
[バレエ脳つくり]
瞬きせず止まっているときでも、心臓が動き続けていることをイメージしよう。
バランスをとる、ピタッと止まるときも、動き続けていることを想像しよう。
”バランス・止まる” バレエ脳
バランスをとるとき、ポーズでピタッと止まるときに求められること。
まずは、「形を変えない」ということだ。
あなたがポーズを崩したと思っていなくても、形が変わっていたら「崩れてしまった」と見えてしまう。
[ポイント1]
形を変えない。
力の方向やかけ方を間違っていると、セメントバランス・セメントポーズになってしまう。
力は、外側に向けてかけ続けよう。
[ポイント2]
外側に向かって、力をかけ続ける。
力をかけるときに「矢印」で考えると、意識しやすく、明確になる。
このとき、矢印は “2本 もしくは 3本” 作ろう。
1本だけでは不安定かつ、形が崩れやすいからだ。
[ポイント3]
矢印は、2本 or 3本つくる。
必ず、「横方向」に2本の矢印をつくる。
もし、3本の矢印を作る場合は、床方向に矢印を作らないということが、大人ならではのポイントだ。
床を押す(圧す)ために下方向の矢印を作りがちだが、大人の場合「重さによって寄りかかった矢印なのか、意図的に作った矢印なのか」本人が判別することは、非常に難しい。
かつ、大方は重さによる矢印であることが多く、体が落ちていることに気づかないことが多い。
大人の場合、下方向の矢印は避けるべきだ。
[ポイント4]
下方向の矢印は避ける。
以上、4つのポイントを踏まえて、矢印を1秒につき “0.1ミリづつ” 外側へ長くしていこう。
作った矢印が「同時に、同じだけ伸びていく」。
10秒かけて、1ミリ長くするつもりで。
形が変わらず、動き続けることができる。
[ポイント5]
ポイント4で作った矢印を、1秒につき “0.1ミリづつ” 外側へ長くしていく。
自分の矢印を見つけよう!
では、「どこに矢印をつくるか」になるとは思うが、なんらかの意図があるとき以外は、基本的にはどこでも良い。
例を出してみよう。
(矢印作成の例)
慣れないうちは、形を作ったときの「外側」になるパーツで試すといいだろう。
矢印をどこに作ったらうまくいくか。
人によって異なるし、同じ人でも、その日の体の状態やポーズによっても変わってくる。
いろんなところに矢印を作って、実験してみよう!
まずは、
バレエ脳作りをやってみよう!
止まっているけど、動き続ける。
今日中に1回、イメージ♪