ルティレは1つではなく、いくつかの種類がある。
とはいえ、どこの位置につま先をつけるかに関しては、教師によっても若干異なる。
実に、バレエにはグレーゾーンが多い。
かつての師匠に初対面に「世の中のバレエの先生は、 “白と黒” だと思っているが、バレエのほとんどは “グレー” だ」と言われたことを思い出す。
グレーゾーンが広いのは確かだが、その中でも一定の指標は必要となるだろう。
そして、現代のバレエは「高いルティレ」が求められる傾向が強い。
今日は「ルティレ」について、あなたと一緒に整理していこう!
高いルティレ(パッセ)を作るレシピ
ルティレの高さ
ルティレにおいて、つま先をどの高さにするか。
あなたの先生が明確に位置を指定しているのであれば、その指示を守るのがいいだろう。
もし、「特に何も言われていない」という場合は、以下を参考にしていただきたい。
まず、[つま先が膝のお皿の高さ] ここまでは上げられるようにしよう。
これができた上で低くする分には問題ないが、「そもそも、上がりません!」という状況だと、「対応」に困ることが増えていくからだ。
すでに、その高さを出せる場合は、膝のお皿からこぶし1つ分くらい上を目指してみよう。
そうすれば、[つま先が膝のお皿の高さ] 余裕が生まれるし、習慣になりやすくなる。
また、脚を高く上げるディベロッペなどへの応用も可能だ。
いずれにせよ、現代においてはメソッドやスタイル、教師の見解の違いはあれど、要求されたら [つま先が膝のお皿の高さ] この位置は、いつでも取れるようにしたい。
大人に多い間違い
さて、本題である。
ルティレへの上げ方は、2種類に分類できる。
▶︎クドゥピエを通るもの
▶︎膝を伸ばしたバットマンから入るもの
今日取り上げるのは前者、クドゥピエを通るパターンだ。
第5ポジションからクドゥピエになるということは、単純にいうと膝が曲がるということだ。
Aのように、膝を天井方向に上げ、かつ、外側にせり出すことでクドゥピエになるなら良いが、大人に多いのはBのように、膝やフトモモの位置はほとんど動かず、膝下が移動することでクドゥピエになってしまうケースだ。
✳︎支持脚から膝までの距離が、違うことに着目しよう!
この方法は、ルティレでも同様だ。
支持脚から膝までの距離は、股関節の可動という面から見ても必要である。
高いルティレ、3か条
ルティレを高くするために、こんな意識を持ってみよう。
①常に、膝を支持脚から遠ざける。
→膝が近いと股関節が可動しにくくなり、支持脚や骨盤を後ろに引いてしまう。
②膝とフトモモを積極的に天井方向へ上げる。
→なんとなくやっていると、大人に多い間違いを起こしやすい。
③膝は外側を向く。
→「下」ではない。外側の「壁」に膝のお皿を沿わせるイメージを持とう。
②に関して補足をすると、”いつでも” [つま先が膝のお皿の高さ] ができるようになったら、意識するところを変えてみてもいい。
例えば、ルティレをしたときの腿の下側とか、膝の内側などである。
ただし、しつこいが [つま先が膝のお皿の高さ] が習慣化されるまでは、膝とフトモモの解釈で行わないと、必要な筋力もつかないし、間違った方法に戻りやすいので注意しよう。
プロローグステップと補足
まずは、[つま先が膝のお皿の高さ] がいつでも取れるようにしよう。
それができた上で、必要に応じて高い・低いをコントロールできたら、さらにグッド。
もう一つ、補足を。
ルティレのときに、あなたに必要な解釈は「脚を回す」ではなく「脚を開く」だということ。
どんなに脚を回していてもルティレの膝が前を向いてしまっていては、形は変わらないし、形式にもそぐわない。
ルティレは、ヨットの帆のように張っていたいが、それには、膝を耳の方向にせり出すことを忘れてはならない。
[プロローグステップ]
両手で第5ポジションをつくる。
肘を外側に張り出す。
そのとき、ルティレ役の肘は、動作脚役の腕の隣に来るように設定する。
高さを出すときは、肩から肘までと肘を上げる。
あなたなら、きっと理解できるだろう!
プロローグステップで
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