重要な問題からは
逃げたいものである。
それが、
困難なものであろうと、なかろうと。
序論:1つは複数へ、影響が表れる
アラセゴンで動作側のお尻が上がってしまう。
まるっきりの初心者では、脚を高くあげようとして表面化することはあっても、タンジュからこの問題が取り立てて目立つことはない。
むしろ、経験者で何かに気をつけようとしている時に、表れることが多い。
タンジュ・アラセゴンでお尻が上がってしまうと、雪崩の如く、ロンドジャンブアテールの正確さに欠け、フォンデュやディベロッペでは、より一層目立ってしまう。
フラッペでは、速く脚を動かす事自体に支障をきたす。
そうした時、悪循環ループに陥る前に、本稿で述べる事を思い出してみて欲しい。
1つずつ、確認が取れたら、自分の課題に戻れば良いのである。
本稿では、アラセゴンでお尻が上がってしまう問題について述べる。
本論:アラセゴンでお尻が上がってしまう問題
本論1:何故、良くないのか
チェックを始める前に、何故、”アラセゴンでお尻が上がるのが良くないのか” を整理したい。
大人の場合、この工程を一つ入れる事で、体の反応がスムーズになるからだ。
▶︎まず “見た目” で考えよう。
お尻が上がる=上体が前に被る=頭が前に出る
バレエで好ましいとされる外観は、”頭小さく、手(腕)脚長く” である。
上体が前に被る事で、手脚が短く見え、頭が前に出る事で大きく見えてしまう。
▶︎次に、機能性をみていこう。
アラセゴンでお尻が上がった上体だと、特に、下半身の関節に重さがかかってしまう。
つまり、”寄りかかり” が発生する。
関節運動が制限されてしまう為、動きにくい、可動域が出ない、怪我をしやすい環境である。
脊柱(背骨)や骨盤のプレースメントに問題がある為、筋をバランスよく活動させる事ができず、偏りがちである。
また、動き全体を筋活動によって行なっていない為、レッスンで行うべき体作りにならない。
▶︎バレエ要素は、どうだろう?
アンディオールの不足
不足というよりは “逆” になっている。
力のかけ方や向きが内側に入ってしまう為、自分で開こう・回そうとしても、思うようにいかない。
カマアシになりやすい
筋の収縮・弛緩すべき部位が逆転してしまう為、他の部位にまで影響が出る。
引き上げが出来ない
アラセゴンでお尻が上がっている状態の体全体のポジションは、”引き上げる力” を使っても “引き上げる力の方向” になっていない。
ここに関しては、本論2で説明する。
本論2:チェックしてみましょう
次の3項目を確認してみよう。
①股関節が、伸展方向に働いているか。
→アンディオールを行う前提として必須。
②脊柱と骨盤のプレースメントは正しいか。
→正しい姿勢を取る為に重要。
③下腹が斜下方に落ちていないか。
→引き上げに入る前準備として必須。
本論3:自分でも出来ること
本論2で述べた3つの項目のうち、下腹については、できれば先生の指導が入る前にやっておきたい。
そうすれば、他の2項目に取り組むことが出来るからである。
骨盤が前傾することによって下腹が出てしまうと、それだけで、体全体が落ちてしまう。
特に、大人の場合、非常に大きな問題である事を認識すると、姿勢・アライメント・体の高さ・アンディオール…それだけでなく、全てにおいて良い方向に向かう。
幼児腹のように、内臓スペースの関係で下腹が出ているわけではない、という事は、もっと広く認知されるべき事である。
下腹は、”床に対して垂直に立てる”。
アラセゴンでお尻がお持ち上がる場合、骨盤が前傾し、下腹が斜下方に落ちている事が多い。
重さに引っ張られ、脊柱や骨盤をはじめとするアライメントが崩れる。
いわゆる “下腹ぽっこり” が良くないのは、見た目だけの問題でなく、姿勢をとる、動作をするという準備が取れず、全ての物事が “逆転現象” となってしまうからである。
結論:自分からアクションを起こそう
・骨盤はこうする
・脊柱はこうする
こうしたことは知っていても、”何故必要なのか、何に繋がるのか” まで、把握していないケースが非常に多い。
アラセゴンでお尻が上がってしまうことがあったら、本稿で述べた事を思い出して、自分から確認してみて欲しい。
自分からアクションを起こしてみる。
その一歩が力になっていく。
慌てずに確認。
やってみよう。