大人のバレエで覚えたい|正しい第2ポジションのポイント

 

正解がわかっていれば
あなたから歩み寄ることが出来る。

 

序論:「っぽいもの」と「そのもの」

バレエはバレエ、大人向きも子供向きもない。

そうおっしゃる先生方がいるらしい。

その気持ちは、とても良くわかる。

 

”大人に適したバレエ” と謳っておきながら、中身が ”バレエっぽいけれど、まるでバレエではないもの” を堂々と商品として掲げる指導者があまりにも多いからだ。

 

真剣にバレエや生徒と向き合う教師ほど、やりきれない思いをしているのは、容易に想像がつく。

 

どうも “バレエっぽいもの” に占領されてしまっている印象があるのが、腕の第2ポジションである。

バレエっぽいものは「っぽいもの」であって、「バレエ」ではない。

 

本稿では、知らないケースが多い「第2ポジションのポイント」について述べる。

あなたも知らなかったら、今日から意識してみよう!

 

 

大人のバレエで覚えたい|正しい第2ポジションのポイント

本論1:とても多い認識2つ

 

大人からはじめた人に「第2ポジション(アラセゴン)」という腕のポジションを、どのように認識しているのか、あるいは、習ってきたのか聞いてみると、おおよそ4つのグループに分けることが出来る。

 

A:「大きな木」もしくは「円形状のもの」を抱えるように腕の形を作る。

B:「水が流れるように」腕の形を作る。

C:それ以外

D:何も考えていなかった、なんとなく動いている

 

CとDについては、ここでは除外する。

 

ちなみに、初心者ならばDは大いにあり得るし、それで良い。

とりあえず、レッスンに出る習慣をつけることが大事なのだから。

 

一方で、一定の年数をレッスンに費やしているのにもかかわらず、Dの場合は、大いに問題がある。

 

大抵は、AかBに分かれる。

あなたも、どちらかに該当するだろうか?

 

 

 

 

本論2:「例え」が目指す最終形は?

 

Aの認識や指導の仕方というのは、大いに理解出来る。

体が思うように動けない段階では、細かい操作は要求できず、大凡のものを大凡の範囲で出来るようにすることを優先せねばならないからである。

 

問題は、Bの「水が流れるように」という「解釈」である。

この例えを、頭ごなしに「間違っている!」なんていう気はサラサラない。

その上で、解釈が正しく認識されていないようには思う。

教師も、生徒も。

 

こうしたことは、「正解が明瞭にわかっていることが前提」である。

正解が分からないのであれば取り入れるべきではないが、教師がわかっている上で、その場にいる生徒も共通の認識を持っているのであれば、簡易に言い表すことが出来る便利な言葉ではある。

 

 

 

本論3:正しい認識を持とう

 

正しい腕の「第2ポジション」を、一緒に作ってみよう!

ここでは、1つのポイントについて述べる。

 

まずは、最も避けたい形の確認をしよう。

それは「肩→肘→手首→指先」の順に、徐々に下がっていく形である。

 

大人の場合、とにかくこの形になっていることが多い。

恐らく、体の中心に近いところから離れるに連れて、腕が下がっている様子を「水が流れるように」と勘違いしているのだと思われるが、これでは「水が落ちる」である。

 

では、正しいポジションをとってみよう。

ここで注目したいのが、肘から手首までの「前腕(ゼンワン)」である。

 

第2ポジションを取るときは、原則「前腕を床と平行」にしよう。

ということは、肘と手首が同じ高さということになる。

指先は、前腕の延長上に位置し、垂れ下がることがないようにする。

これで、水は「流れる」。

 

 

 

結論:補足として

筆者は、大人が「低い第2ポジション」を取ることを推奨していない。

大人の場合、腕を筋で支えることが出来ないことが多く、首を引っ張って「ぶら下げる」習慣がついてしまうからである。

 

それでも、お教室の方針上、かなり低めの第2ポジションを要求される場合もあるだろう。

先生方の中でも、メソッドやスタイルの制約上、低い第2ポジションでやらざるを得ない場合もあるだろう。

 

低い位置での第2ポジションを正確に取ることは、実は、かなり難易度が高い。

従って、思うように行かなかったとしても、相当難しいことをしているのだから、がっかりするような類のことではない。

教師も、そのようにやるのであれば、気持ちのサポートは必要かと思われる。

 

 

低い位置で第2ポジションを取る場合、もはや、前腕を床と平行に出来なくなってくる。

無理に平行にしようとするならば、背中が落ち、頭が垂れてしまう。

これは、絶対に避けるべきである。

 

こうすると良い。

 

全身の姿勢を保てる範囲で、肘で指定の高さをとり、そこに手首を出来るだけ合わせる。

背中が落ちるほど、合わせなくて良い。

 

指導者は、低い位置で取らせるならば、二の腕や手首で高さを指定するのではなく、肘で指定するとはっきりしやすい上、背中が落ちるのを防いでくれる。

順序が重要だ。

 

正解がわかっていれば、方法は工夫できる。
先生の指導に、あなたが合わせていこう!

 

 

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