バレリーナの背中は、強くしなやかで雄弁だ。
大人からはじめた場合、「しなやかな背中」に、思うようにいかないもどかしさを感じることがあるかも知れない。
もどかしさを感じている場合でも、一つ安心材料なのは、「腰を突き出すこと=しなやかな背中」と勘違いしていない点だ。
その時点で、よくなる可能性がある!
ここを見極める感覚があるのだから!
ただ、クネクネと曲がる背中ではない。
強さもあって、いわゆる「竹がしなるような」しなやかさが欲しいのだ。
見せびらかす体の柔らかさではなく、「品の良いしなやかさ」を持った背中にしよう!
背中がカタイ!と悩むあなたへ
背中がブラック企業
背中がカタイことで悩んでいる人の多くは、レッスン中に常に背中を「硬直」させている傾向にある。
「傾向」といったのは、統計としての数字をだせないからであって、経験上は100%に近い確率で硬直している。
バレエにおいて、背中がたるみ、おやすみし、サボっている状態は「有り得ない」。
とはいえ、子供用の立ち方や姿勢を習っている場合、ほとんどが “背中がたるみ、おやすみし、サボっている状態” である。
この場合は、背中を緊張させることを覚える必要がある。
「リラックスする、固めない」という言葉の意味を取り違えていないか、生徒側だけでなく、教師も確認する必要がある。
背中が硬直している人の場合、決して、サボってなんかいない。
むしろ、働きすぎでブラック企業状態というわけだ。
それも、働きすぎた分、生産性が上がったならまだしも、残念ながら “業績は、変わらない” というところだろうか。
それでも、前者よりもずっといい。
なぜかというと、前者の場合 “年齢と共に急速に、悪化の一途をたどってしまう” からだ。
ここから首へ影響している
背中が硬直しているケースでは、頭を後ろに引きすぎている傾向がある。
引きすぎているとはいえ、この場合、バレエの形式を汲み取ろうとしているのは伝わるものだ。
バレエでは「頭は後ろ」。
やっている方向性は正しい。
その上で、調整することが必要だ。
首の後ろに手を当ててみると、骨があるのがわかるだろう。
(図)
首の骨は前弯しているので、手を垂直にしてみると、中間部の骨が手から離れていることがわかるだろう。
この状態が、「まっすぐな首」である。(図 左)
ここから、頭をグーっと後ろに引いてみよう。
頭に近い首の骨が手の方に倒れてきて、手と首との隙間がなくなってしまう。
この状態が、背中を硬直している人に多い頭の位置だ。(図 右)
アラベスクでも、目立つ。
もし、あなたの首の位置が後ろすぎるのであれば、手と首に隙間ができる位置を覚えよう。
首と頭は、ベツモノです。
これまでずっと、背中を硬直し続けていたかも!と心当たりがある場合は、背中を丸めるエクササイズやストレッチを取り入れよう。
気合を入れてやるのではなく、椅子に座ったまま背中を丸めてみる、立ち上がったときに背中を丸めることをやってみる、そんな程度でもいい。
そして、もう1つ助言をしたい。
頭を後ろにすることは、「正しい」。
一方で、後ろにするのは「頭であって首ではない」。
つまり、頭と首を別々にする必要があるということ。
これが、回転におけるスポットにもつながるので、背中がカタイ人がスポットをつけられない原因でもあるのだ。
頭と首の位置が取れたら、回転もよくなるかも知れない。
がんばる方向はOK☆
まずは、位置の確認をしよう!