「もう少し、背中が柔らかくなりたい」
アラベスクやアティテュードデリエールなどをした時、そう思ったことがあるかもしれません。
弓形に大きなカーブを描くバレリーナの背中は、強いだけでなく柔軟です。
あなたなら、もうご存知でしょう。
背中を動かすのは「筋肉」です。
筋肉が収縮して(活動することで)背中を動かします。
「ならば、筋力をつけて強力に収縮すれば、背中の可動域も増えるじゃないか!」
もちろん、それは合っています。
ただ、そう単純じゃないのも事実です。
大人にとって、何が必要なのか。
あなたにお伝えしましょう。
トレーニングも重要、その「準備」はもっと重要
こんなイメージをしてみましょう。
関節や筋肉に「ボンドなどの接着剤」がベタベタと塗られ、ガチガチに固まってしまっている。
これが、大人に多い体の状態。
- ボンドをとる=リリースやストレッチ
- 動ける範囲を拡大する=可動域拡大のためのストレッチ
- 動く範囲を拡大する=トレーニング系
②と③は行ったり来たりしますが、まずは、①→②の順に取り組むことが大切です。
日常生活の影響を受けやすい大人たち
なぜ、大人は「ボンドまみれのガッチガチ」になりやすいのでしょう?
大きい理由の1つに、現代における私たちの生活スタイルが上げられます。
とある大学の研究報告では、縄文時代の一般人の体の機能は、今で言うオリンピック金メダリスト並みなんだそう。
さらに、そのグループで「狩り」などを行うアクティブな人に至っては、今では「巨人レベルに体が強靭」とのこと。
それだけ私たちは、「機能低下」を引き起こしやすい生活をしているのです。
文明が進化すると言うことは、体を使わなくなるってことなんだね。
楽にはなるけど、体を動かさなくなると、ガチガチになりやすくなるんだ。
現代においての日常生活の特徴3つ
私たちの日常生活の特徴を3つ上げてみましょう。
- 座りっぱなし
- 立ちっぱなし
- 腕や手を前にしっぱなし
もちろん、お仕事は言うまでもありませんが、それだけでありません。
電車やバス、車の運転などでの立ちっぱなし、座りっぱなし。
キッチンで立ちっぱなし。
パソコンを使う、スマホを使う、包丁を使う、本を読む、全て腕や手は前です。
1つの姿勢をずっと続けるのは、なかなか辛いものです。
辛いわりに体は動いていませんから、体はガチガチになりやすいのです。
“それって、子供だって同じだよ?“ いいえ、ここが違います
厳しい言葉を発するのが好きなタイプには、こんな風に言われそうです。
「それって、子供だって同じだよ?言い訳じゃないの!」
いえいえ、大人と子供では【人間歴(=年齢)】が違うんです。
人間歴が長いと言うことは単純に、これまでの人生の中で同じ姿勢をとった時間が長いと言うこともありますが、それよりも重要なことがあります。
それは、ボンドが取り切れないうちに、次のボンドを重ね、さらに強力に固まってしまっていること。
焦げた鍋を完全にきれいにしてから使えばいい。
けれど実際は、焦げた鍋の焦げを落としきれずに、また焦げが増えていく。
これを繰り返しているようなもの。
なかなか手強い、ここが子供とは違うのです。
ボンド剥がしをしましょう!
ボンドを剥がしましょう。
頑固な場合は、ボンドを緩めるところから。
頑張り屋さんにありがち、合理的に取り組みましょう
「背中を柔らかくしたい!」と思う頑張り屋さんにありがちなのが、背中を反らせる動作ばかりをしてしまうこと。
あなたの体は、ボンドでガチガチです。
ボンドは、さまざまな方向に動かすことで取れていきます。
それぞれ、ペアになっています。
3つの動きを心がけましょう。
- 丸める⇄反る
- 右脇腹を伸ばす⇄左脇腹を縮める
- 右に引き捻る⇄左に被せ捻る
これは、バレエ動作というよりも、ヒトの動作としての話だよ。
これだけは、バレエには出てきません!
②は、横方向のストレッチやポールドブラで登場しますし、アラセゴンで脚高く上げた時も、この状態になります。
③は、実は正しくできていれば、5番ポジションをとった時点で要素として入っています。
もちろん、アラベスクにも含まれています。
問題は意外と①
反る動作はたくさん出てきますが、背中を丸める動作は、バレエにはほとんど登場しません。
レッスンだけではカバーできないエリアです。
ポイントと注意点
あなたが知っている背中を丸める方法で構いませんが、ポイントや注意点を意識してみましょう。
- 脱力はNG、お腹の力を使って背中を丸くしましょう。
- 肩や肩甲骨、首で代償しやすいので注意しましょう。
- 特に、腰が動いていないケースが多いですので、鏡を見るなどして確認しましょう。
背中を柔らかくするためのヒント。
まとめましょう。
- 体がボンドでガチガチになりやすい生活環境であることを自覚しましょう。
- ボンドを剥がすことで、可動しやすくなり、可動域確保へと駒を進めることができます。
- さまざまな方向へ動かしましょう。
胸を広げたまま動くことで背中も使える
残席1正しい脊柱形状は、ボンドを取ってくれる
ファーストステップ♪
今日中に“丸める“動作で、リリースをしておこう!