11月ワークショップ発表!

経験者向け:”力” という指導言語をわかりやすく解説

専門家とバレエ教師で、使い方や意味が異なる言葉は意外と多くあるものです。
なかには、正反対の意味で使われることも。

あまりにも、バレエ寄りに解釈した言葉を多用しすぎると、私たちに必要な情報を正確に読み解くことができなくなってしまいます。

「力」についてもその一つ。こと、最近はその傾向が一層、強まっている印象です。

”根底的なこと”を整理して、正しい知識から ”知恵” にするために。

知識の”基礎”となること。あなたにお伝えします。

「力」という言葉の印象

そもそもここでいう「力」とは、体から発せられるエネルギーのことを指しています。

ところが最近のバレエに関わっている人にとっては、”力=力こぶ・力ずく・ボディビルのような筋肉ムキムキ” のようなイメージを持っているようです。

かなり偏ったモノの見方ですが、バレエという特性上、こうした固定概念を持ってしまうようです。

「力」というのは、もっと身近なものですし、あなたが思うような大袈裟なモノではありません。「力」を身近に感じてもらうために、”消費カロリー” でイメージしてみましょう。

身近なカロリー

私たちが筋肉を働かせて体を動かすと、エネルギーを消費します。

このとき消費するエネルギーの量は “○○カロリー” という数値で表すことができます。

要するに、”筋肉を働かせて体を動かすことで消費するエネルギ量=カロリー” このときに「力」が発生しているのです。

こんなことでも、エネルギーを消費=カロリー消費をしています。(体重が45kgの場合)

  • デスクワーク1時間…85kcal
  • ジョギング20分…110kcal
  • 歯磨き3分…6kcal
  • 料理30分…59kcal
  • 皿洗い10分…18kcal

出典:https://www.tanita.co.jp/content/calorism/table/index.html

誤解を解こう

最近のバレエレッスンでは、「力」という言葉に対しての誤解が生じているようです。(かつては、そんなことはありませんでした)

  • 話す、歩く、持つ…日常生活動作でも力は発揮されている。
  • バレエやスポーツでも力は発揮されている。
  • 日常生活動作とバレエやスポーツでは、発揮される力の大きさは異なる。

人間はそもそも力を発揮することができなければ、生活することができません。

日常生活動作とバレエでは、発揮される力の大きさに差があるために別物のように感じてしまいがちです。

けれども、力は発揮されているという点においては同じなのです。

私たちは、大きさの違いはあれど、常に力を発揮し続けています。

心臓を動かすのも力の発揮によって行われているのです。

つまり、生きるということは力を発揮し続けることなのです。

考えてみよう

特に、バレエ教師や「力」という言葉を受け入れにくい、よくない印象を持っている方は、一度整理しましょう。

大事なことなので、もう一度言いましょう。

私たちは、このような動作でも力を発揮しています。

  • おしゃべりをする
  • 食事をとる
  • 睡眠をとる

こうした動作をする前後、こうした動作をしている人をみて、あなたはこのように思いますか?

  • 「さあ、力を使うぞ!」と気合を入れて動作を行いますか。
  • 動作を行なった後に「力を使ったー!」と思いますか。
  • このような動作をしている人を見て「力づくで動いている」と感じますか?

もう、お気づきですね?

「力を使う」というのは、決して力ずくで動くことを指しているのではありません。

力が弱そうなおじいちゃんやおばあちゃんも、力を発揮しているのです。

決して、”力を使う・発揮する=力ずくでガチガチ” では、ありません。

何気ない動作でも、力は発揮されているんだね。

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”力を使うと関節がロックされる”は、ウソ

”関節のロック” という言葉は、定義によって良し悪しが変わってしまいます。

これは、とても大切なことです。

重要

不適切な関節のロックは不要ですが、適切な関節のロックは必要です。

必ずしも【関節のロック=悪者】ではありません。

適切にロックがかかっていないと、関節が不安定になり、故障しやすい状況を招きます。

この点に関してはすでに、セリア・スパージャーが膝のロックの必要性について言及しています。

確かに、関節がグラグラしていたら危ない!

力で不要なロックはかけられない

本当に力を発揮できているのであれば、不要なロックをかけることはできません。

不要なロックがかかってしまう状況というのは、筋肉の活動が行われていないときです。

例えば、”膝” で整理してみましょう。

  • 脚やおしりに寄りかかっている
  • 上半身が重さで前に倒れている

このような状況は、筋肉を適切に働かせることができていません。

すると、膝に不要なロック(押し込み)が発生しています。

この点の厄介なところは、発揮する力が不足しているにもかかわらず、力ずくで動いているように見えてしまうことです。

適切なロックへの工程

もう、おわかりですね?

不要なロックがかかっている場合に必要な工程をまとめましょう!

  1. 必要な筋肉を活動させる。
  2. それにより、不要なロックを解除。
  3. 適切なロックをかける。

不要なロックがかかっている場合に、あなたがすることは【リラックスすること・力を抜くこと】ではありません。

ここを間違えると、バレエレッスンをしているのにも関わらず、体が衰えてしまうなんてことも。

必ず、押さえましょう。

力の発揮でも全く異なる

同じ力の発揮でも、目的や性質、意義が全く異なるケースを紹介しておきます。

  1. 動きを生み出すため、動きの一時停止のために力を発揮する。
  2. ただ、力が入っているだけで生産性がない。

②は、いわゆる “余剰に力を発揮している状態” です。

その人にとって「3」の力でできる動作を「10」まで発揮していたら、「7」は余剰になります。

この「7」は何も生産していないことに着目しましょう。

バレエ教師の場合、②の状況になったとき「力で動くな」と指示を出す場合があります。

ここで必要なのは、動きに対しての適切な力加減を【調整すること】。

力を「0(ゼロ)」にすることではありませんので、注意しましょう。

まとめ

同じ言葉でも、専門的な意味とバレエ教師が使う意味が異なる場合があります。

一般的に通用している意味についても同様ですので、注意が必要です。

  • 力を発揮できていたら、関節に不要はロックはかかりません。
  • 力を発揮できていないときに、不要なロックがかかってしまいます。
  • 教師は状況を見極める能力が必要です。
    ロックがかかっているかの判断よりも、その原因の見極めを誤らないこと。
  • ”生産性のある力の発揮” と、”ただ力を入れているだけで何も変わらない” では、全く異なります。
  • ”力を発揮する” とは、力ずくで動くことではありません。生きているということです。

ファーストステップ♪
“力の発揮” を意識して、生活してみよう。

【Thank you】


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