10月ワークショップ受付開始!!

レッスンで伝わる「柔らかいプリエ」解釈と実践

 

上質なものを作るには、
上質なレシピが必要だ。

 

序論:質と健康を叶える

「柔らかいプリエをしなさい」

特に、ジャンプの着地で耳にする言葉だ。

 

馴染みのある指導言語ではあるが、実際には、目的と異なる動きをしてしまうことが多い。

「柔らかいプリエ」は、動きの質を高めるだけでなく、あなたの健康を守る上でも、ぜひ、把握しておいて欲しい。

 

本稿では、レッスンで伝わる「柔らかいプリエ」解釈と実践について述べる。

 

 

 

本論:レッスンで伝わる「柔らかいプリエ」解釈と実践

本論1:「柔らかいプリエ」の目的

 

大人に「柔らかいプリエ」を求める理由第1位は、「怪我や事故を未然に防ぎたいから」である。

特に、ジャンプの着地では、とても大きな衝撃と重さが下半身にかかる。

この衝撃と重さを分散させ、リスクを減らしたいのである。

 

 

ちなみに、衝撃が全て悪いということではなく、一定程度は、骨を強くするために必要不可欠である。

 

 

参考までに述べておくと、筋肉ムキムキたくましい体、栄養管理バッチリという世界屈指の競輪選手が、骨粗鬆症だったという事例がある。

 

”筋肉ムキムキたくましい体=いかにも強そう=骨が強い” ではないいい例だ。

骨は、栄養だけでは作られない。

(競輪は自転車による競技のため、地面からの衝撃を受けない。足部が浮いていることに着眼。)

 

 

バレエのジャンプは、正しく動くことが出来れば、健康に良いものだ。

形式を守り、正しい動かし方で跳んだならば、競技性のジャンプよりずっとずっと、怪我や事故を防ぎやすい。

バレエは、衝撃や重さを分散できるシステムになっているのである。

 

衝撃が必要と言っても「必要分」であって、必要以上なら、怪我や事故を招く。

これは、決して忘れてはならない。

 

 

 

柔らかいプリエの利点はこれだけではない。

動きを滑らかにし、次の動作への移行をスムーズにしてくれる。

さらに、予備動作を減らすことが可能になるため、重さを感じさせない動きへと導いてくれる。

 

 

 

本論2:プリンは1つでいい。

 

ここでは、理屈を整理しよう。

意図を理解し、シミュレーションするためにも、大人にとってこの工程は必要不可欠だ。

読み終える頃には、あなたの「プリエ」へのイメージが変わるかも知れない。

 

 

よくやりがちな間違い例は、普段のプリエ(あなたがいつもしているプリエ)から、さらに深く踏み込むことである。

 

柔らかいプリエ=「量・深さ」を指しているのではない。

少なくとも、普段のプリエまでの深さの「質」を「柔らかく」する、という意味である。

 

 

ここに、プリンが1つあるとしよう。

ゼラチンが多すぎたのか、固いプリンだ。

 

「柔らかいプリエ」と指示が出たときに、”いつものプリエをしてから、さらに深く踏み込む” という行動は、固いプリンを2つ用意するようなものである。

 

1つだろうと、2つだろうと、固いものは固い。

ここで求められているのは、柔らかいプリンを1つ用意することだ。

 

 

<ここまでのまとめ>

▶︎いつものプリエまでの「質」を変える。

▶︎柔らかくとは、いつものプリエをして、そこからさらに深くすることではない。

 

 

 

 

本論3:ポイントは「時間の流れ」

 

 

ここからは、実際に何をしたら良いのかを提示しよう。

柔らかいプリエをするには「時間=速度」の調整が必要である。

 

空中に体が在る(跳んでいる)状態〜いつものプリエまで、出来るだけ「ゆっくり」にする。

このプリエの時間をゆっくりにすることで、着地における重さと衝撃の分散をする。

 

特に、”足先が床に着いた瞬間〜いつものプリエの深さ” は、注意深くやろう。

くれぐれも、いつものプリエよりも深くならないように気を払うべきだ。

 

 

ジャンプだと速すぎて分からない場合は、ルルヴェで擬似体験をすることも可能なのでやってみるといい。

動作自体は別物ではあるが、感覚を体験できるだろう。

 

第1ポジションで、スッとルルヴェに立つ。

ここから、いつものプリエまでを3分割にしてみよう。

必ず、3分割したポイントを意識して通る。

慣れてきたら、4分割、5分割にしてみても良い。

 

ルルヴェに立つときには「スッ」と立ち、降りる時はスピードをゆっくりにする。

この時間差、速度の差が、ジャンプにおいての「柔らかいプリエ」に大いに役立つのである。

 

 

<ここまでのまとめ>

▶︎いつものプリエを、何分割かに分けてゆっくりとプリエする。

 

 

 

結論:まとめと体の前提条件

柔らかいプリエとは、

 

①自らの筋で膝を曲げる動作である。…重さによって膝を曲げることではない。

②量ではなく「質」。

③深さはこれまで通り、速度の変化を変える。

 

 

特に注意したいのは、①である。

筋の活動によって膝を曲げていれば、速度調整が可能だが、重さによって膝を曲げてしまうと、それはない。

「柔らかいプリエをしなさい!」と指摘される時点で、筋の活動によって膝を曲げているかどうかは、かなり怪しい。

 

 

その上で。

 

これらは、「すでに体が高いところに存在している」ことが前提となっている。

従って、引き上げ(吊る)に問題があると、柔らかいプリエをする際の阻害因子となる為、予め用意しておく必要がある。(注1)

 

もう1つ。

ゆっくりとした着地をするには、足指の強さや「ポイント」の正確性が求められる。(注2)

 

がんばってみてもうまくいかないのであれば、少なくともどちらかが弱い、あるいは、出来ていない可能性が高い。

無理に回数を重ねるのではなく、癖がつく前に、前提事項についても改めて確認した方が良いだろう。

 

様々なポジションで
様々な形で
両足で、片足で。
さあ、やってみよう!

 

 

注1:カラダを保つ、引き上げる。大人はここをクリアできることが絶対。
https://juncotomono.info/program/20210202-abdominal/

注2:「足首を伸ばす」ではなく、欲しいのは「ポイント」という技術。
https://juncotomono.info/program/20210126-wbp-foot-pointes/

 

 

JBPタイトル