ダブル以上を回りたい!(1)ふらつかないピルエット攻略

ダブルPhase1

シングル(1回転)はなんとかなっても、ダブル(2回転)以上になるとふらついてしまう、後ろに倒れてしまうシーンをよく見かけます。

人それぞれが抱える原因もありますが、それ以上に共通しているのが “プレパラシオンが正確でないために、振り回されてしまう” ということ。恐怖感が生まれて回転嫌いになってしまうことも。

ダブル以上にチャレンジしている人も、今後回れるようになりたい人も、必ず、正しいプレパラシオンを押さえましょう。そのヒントを紹介します。

正しいプレパラシオン4項目

バレエのトゥールをする際(ピルエットに限らず)、全ての人が共通してできるようにしたい4項目をピックアップ!

ルティレ(パッセ)やルルヴェの高さ、バランスなどにどんなに気をつけても、正しいプレパラシオンが取れなければ、それらができる前に吹き飛んでしまいます。

知っているだけでなく、必ず、無意識でもできるようになるまで練習しましょう。

正しいプレパラシオンに必要なこと

 

□胴体で方向をとる
□頭の位置・目線
□腕のポジション
□足のポジション

それぞれに大事な役割・仕事があります。

ここで注目したいのは、回転の動力を生み出すのは【胴体(方向)】であるということ。大人に多いのは、足で動力を生み出してしまうことです。

足で回転動力を生み出そうとすると…

 

・ふらつく、倒れる
・ルティレが開けない
・ルルヴェが低くなる
・スポットがつかない

これだけではありません。

進みながら回転する動き(ピケターンやシェネなど)では、進行方向に足を出すことができず、意に反して、とんでもない方向へと進んでしまいます。

正しい動力を身につけることで、体が吹っ飛んでしまうこともなくなります。

正しい動力を生み出すためにもプレパラシオンが大事なんだね。

 

どれが欠けても正しくならない

正しいプレパラシオンをとるための4項目は、最低限のことになりますので、どれも欠かすことはできません。

あなたの中での重要度を高めるために、それぞれの役割・仕事を100メートル走に例えて整理しましょう。

 

あなたは、100メートル走の選手です。今から競技会で試合をします。

100メートル走

選手=胴体で方向をとること
▶︎実際に100メートル走に出場する

 

ゴール=頭の向きや位置・目線
▶︎最終地点

 

スタート=腕のポジション
▶︎合図をする

 

コーチ=足のポジション
▶︎速く走るためのサポート

 

もし、どれかが欠けてしまうと

選手がいなければ、レースそのものができません。

ゴールがわからなければ、どこに向かって走ればいいのかわかりませんし、どこまで走ればいいのかわかりません。

スタートの合図をする人がいなかったら、レースが始まらず、ずっと待ったままでいるしかありません。

コーチがいなければサポート体制をとることができません。日頃の練習から、どうしたら速く走れるのか、レースに勝てるのか、客観的に助言してくれる人がいません。

 

どれが欠けても、困るものなのです。

 

きちんと、ちゃんと

ここで、あなたにお伝えしたい “大人あるある”
ドキッとしたら、むしろ前進。今日から気をつけましょう!

それは、何か気をつけようとしたとき「きちんと●●しよう」「ちゃんと●●しよう」で終わっていませんか?ということ。

大人には、とても多い傾向です。トゥールにかぎらず、上手にならない原因です。

・【きちんと、ちゃんと】方向を向こう
・【きちんと、ちゃんと】前を向こう
・【きちんと、ちゃんと】アラヴァンとセゴンを取ろう
・【きちんと、ちゃんと】第4(第5)ポジションを取ろう

これを、10年続けてもよくはなりません。

入門クラスを過ぎたら【きちんと、ちゃんと】ではなく、【●●を、□□に、△△しよう】にしましょう。明確な指令を脳から送ることで、体が正しく動くようになります。

具体性を持ってレッスンすることが必要なんだね。

 

12月WS前日

 

自分でできることから進める

ダブル以上を回るためのポイントやコツは、確かにあります。その上で、ポイントやコツを教えてもらっても、それらの効き目が出る状態にしておかないと、実際にできるようにはなりません。

実際の細かいチェック項目を続編でお伝えしますが、姿勢や腕や足のポジションなど、あなたが「こうだと思う」というところまでは、次のレッスンで確認しておきましょう。

確信を持ってやってみても、必ず、誤りがあります。だからこそ、レッスンが必要なのです。

回る回数を増やそうとするとき、回ることばかりを考えがちですが、それは正しい考え方ではありません。考えるべきは、回れる方法です。結果として、ダブル以上が入るだけの話です。

 

まとめ

回ることではなく、回れるようになる方法をとりましょう。それが【プレパラシオン】です。まず、4項目を意識してレッスンしてみましょう。

今あなたが何をしているのか、あなた自身が自覚できることが大切です。それが正しくても誤りでも、大きな一歩になりますので、前向きに捉えましょう!

□胴体の方向
□頭の向きや目線(スポットではない)
□腕のポジション
□足のポジション

▶︎それぞれ ”どのようになっているか、どのようにしているか” 言葉で説明できるようにしておきましょう。

ファーストステップ♪
どんなプレパラシオンをするのかを決めよう!

 

JBPタイトル