苦手意識は、
やがて、コンプレックスへと変貌する。
自ら生み出さない為に、
レッスンの向き合い方
序論:上級者ほど、付き合っていくもの
あなたは、日々のクラスレッスンの出来不出来に、一喜一憂していないだろうか。
レッスンは、誰かの為にするものではない。
自分の為にレッスンするのである。
確かに、調子がよく、テクニック的にも上手くいっている時の方が、やっていて気持ちが良いものである。
その上で、常に調子よく、常に満足いく出来栄えとは、いかないものである。
上級者になればなるほど、上手く行かないこと・思うようにいかないこと・満足できないことが増えていく。
レッスンとは何か。
本稿では、苦手意識及びコンプレックスが発生する原因、レッスンの向き合い方、克服する為の考え方 について述べる。
本論:苦手意識とコンプレックスの克服|レッスンの向き合い方
本論1:踊れる人ほど、レッスンでは失敗するもの
この言葉は、先輩ダンサーに頂いた言葉である。
もう少し、具体的に解説しよう。
踊れる人というのは、常に、向上心を持ち、目的を持って、レッスンに挑む。
・どうしたら、今よりよくなるのか。
・どうしたら、今より美しく見えるのか。
・どうしたら、今よりテクニックがつくのか。
この方法が良いのではないか? という案を持って、まさしく [実験] をする。
当然、上手くいく時もあれば、失敗に終わることもある。
ここで、あなたに理解してほしいのは、失敗は前に進もうとしているからこそ起こるという点である。
前に進もうとしていないのならば、そもそも、実験をしないわけだから、失敗は少なくて済む。
レッスンで失敗をしても、気に病む必要がないことは、ご理解頂けるのではないだろうか。
本論2:苦手意識とコンプレックスの発生
レッスンで思い通りに行かなかった時、失敗だと思った時、[自分自身で対策をしたい場合] 何をしたら良いのだろう。
もちろん、次は頑張る それだけでも良いとは思う。
しかし、対策するものが全くない場合や、漠然とし過ぎる場合、心理的に不安になってしまうケースもある。
あまりにも失敗が続くと、特定の動作に対し、苦手意識がコンプレックスを生み出してしまう。
まず、目的を見失わない事。
・思うように行かなかった(失敗)
↓
・次は、こうしたい。(成功)
”こうしたい” に向かっていく事を忘れないようにしよう。
その上で、対策を練っていく。
繰り返しになるが、目的は ”こうしたい” に近づける事なので、②や③そのものが目的になってはならない。
特に③は、取り組んでいるうちに、本来の目的を忘れてしまう事が多いので注意。
原因を追及するときは、必ず、方法・やり方 から確認する。
いきなり、体の機能面から検証してはならない。
本論3:身体機能面
方法・やり方が適切であるにも関わらず、思うように行かない時に、身体機能面を確認する。
身体の動かし方と使い方である。
・当該するパーツが、思うように動かせているか。
・当該以外のパーツの位置は、適切か。
次にチェックすることは、力の大きさが動作に対して、適切になっているかという点。
動作をするのに必要とする、力のボリュームに対し、大き過ぎても(余剰)、小さすぎても、上手く行かない。
動作に対しての適切な力については、こちらの記事で述べてある。
一度、お読みいただきたい。
必ずしも、思いっきりやれば良いわけでもないし、足りない場合は、動作自体が成立しなくなるので注意。
少しずつ、調整してみると良い。
ここから先は、専門家による指導が必要となるものだが、流れを知っていただく為に記しておく。
関節の動かし方が適切か。
動作に見合った関節の動かし方が出来、使い方へと移行することが出来ているか。
そして、関節を動かす筋の働きを確認する。
筋力のあるなしだけではない。
長さや方向、大きさ、他の筋や関節との関連性を、チェックする。
以上を確認していくと、必ず、どこかに課題がみえる。
結論:優先順位を守る
思うように行かなかったり、失敗したり、調子が悪い時に、身体に関することを考えがちである。
それも良いだろう。
その上で、まず、方法・やり方が、今の自分に適切かどうかを、先に確認する習慣をつけよう。
これだけで、解決していくケースは多い。
逆に、身体機能面を改善したとしても、方法・やり方が適切でなければ(正しい、に限定しないことに着眼)、結果が伴うことはない。
いずれにしても、何の為にしているのか、方法・やり方を、一度見直すことでみえてくる。
レッスンは実験。
この言葉を頂いてから、過度に失敗を恐れなくなった。
あなたも試してみて欲しい。
失敗を数えきれない程、経験した者だけが見えることがある。