純粋なバレエの表現:表出するクリアなムーブ

アレグロアームスアイキャッチ

表現とは、感情だけを指しているのではありません。

動作そのもの、リズムやメロディー、それらを表出すること。

それこそが、バレエの純粋な表現と考えることもできます。

足の動きばかりに集中しがちなアレグロですが、腕や手がしっかりと形を作れていないと、何をしているのかが伝わりません。

動作そのものをクリアに表出する、音楽を視覚化する。

より純粋なバレエは、そこにあります。

アレグロのコツ:実は “アームス” にあり

すばやい足捌きを見せる【アレグロ】。

日常には、ここまですばやく細かく動かす機会はありませんから、足を動かすことが難関に感じることでしょう。

もちろん、初期にアッサンブレやジュッテを習うときは、腕を動かさずに足の動きを練習します。

その上で、実際のセンターレッスンでアレグロを行うときのコツは、ツイートにあるように “腕が先行する” こと。

こうすることで、動きやすくなるだけでなく【何をしているのか、どんなステップをしているのか】見ている側にきちんと伝わるようになります

あくまで主役は

とはいえ、華美に腕や手を動かしてしまうと、足の動きを際立たせることができません。

あくまで主役は、足捌きであることを忘れずに、腕はシンプルに【引き算の美学】に徹しましょう。

それが、バレエの美しさや哲学であり、オシャレに見せるポイントです。

もう一つ。

ポションからポジションへと動くとき、ただ、スタートからゴールへ動かすだけでは、足と腕とのタイミングがうまく合わず、調和しません。

大人からバレエをはじめた場合、足と腕のタイミングがずれてしまって、動きにくそうにしているシーンをよく見かけます。

慣れるまではややこしいかもしれませんが、アレグロで出題しやすい腕のパターンは、ある程度決まっています。

シンプルなパターンを紹介しますので、諦めずにやりましょう。

シンプルなアレグロパターンは必須

バレエクラスでよく登場するパターンを取り上げます。

定番ですので、できるようにしましょう!

例題1

《グリッサード+アッサンブレ》

  1. グリッサード…アンバー
  2. アッサンブレ…デミセゴン

よく出題される動きです。

アンバーからデミセゴンに開き、再び、アンバーに戻るという腕の運びを組み合わせます。

これを、ポジション間の行き来で動かしてしまうと、腕が “開いて閉じて” という、横方向への動きに終始します。

これを次のように、スパイスを加えます。

  1. グリッサード フェーズ1:足を出す・移動する…アンバーの腕を少し持ち上げる。
  2. グリッサード フェーズ2:第5プリエ…アンバーに戻す
  3. アッサンブレ:デミセゴンに開き、アンバーに戻す

横方向への動きだけでなく、前後の動きがプラスされました。

グリッサードをするとき、アンバーのままだと動きの流れが止まってしまいます。

一方で、足は動かし続けるため、タイミングがずれてしまうのです。

前後の動きをプラスすることで、足と腕のリズムをとることができます。

例題2

《ジュッテ&タンルヴェ》
 ➡︎左足前の第5ポジションから

  1. 右のジュッテ…右手アンナヴァン+左手セゴン
  2. タンルヴェ…そのままキープ

そのままキープを額面通りに実行すると、体をうまく持ち上げることができません。

次のように調整しましょう。

  1. ジュッテの腕の軌道は、
  2. 通常のアンナヴァンよりも、大凡、手指5本分程度下の位置に持っていき、
  3. タンルヴェで、アンナヴァンに持ち上げる。

ここでのポイントは、②で直接アンナヴァンに持っていくのではなく、手指5本分下を通ること。

横方向への動きに、上下の動きを組み合わせます。

もう1つのポイントは、タンルヴェをする直前にアンナヴァンに持ち上げること。

ほんの少し早めに腕を動かします。

つまり、【腕➡︎足】です。

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順序立てて練習しよう

バレエクラスで、いきなりやろうとするのは、なかなか大変です。

順番を覚える、足や腕の動きを覚える、音楽をとる、場所をとる。

クラスで行うことはたくさんあります。

バレエクラス以外で、パーツ別の確認をしておくことがオススメです。

  1. 腕の動き、軌道を覚える。(横方向だけでない動き)
  2. 足の運びと合わせてみる。(ジャンプしなくてもOK)

この順で確認しましょう。

①腕の動きや軌道があやふやなままだと、足を合わせたときに元に戻ってしまいます。

鏡の前に立って、しっかり【体に染み込ませる】ことを繰り返しやりましょう。

隙間時間を活用しよう

忙しくてなかなか時間が取れない場合などは、次の項目を参考にしてみましょう。

  • 自宅の姿見の前で、腕の動きだけでも確認してみる。
  • 電車やバスの中で、腕の動きや足とのタイミングをシミュレーションする。
  • レッスン前に稽古場で確認しておく。
  • バーとセンターの間に時間があるようなら、チェックしておく。

一度にたくさんの時間を割く必要はありません。

こうしたことは、一度に練習する時間や量よりも、こまめに確認した方が効果があります。

疲れているときなどは、シミュレーションだけでもOK!

まとめ

アレグロの動きを先導するのは【腕】です。

ポジション間の行き来だけで終わらせず、タイミングを合わせ、調和の取れた動きをしましょう。

  • 横方向への動きだけでなく、前後や上下の動きを組み合わせましょう。
  • ポジションに行き着く “直前” を活用することで、動きのタイミングを合わせます。
  • まずは、腕の軌道や動きをしっかりと覚えましょう。
  • 体に染み込ませることが必要な項目、隙間時間やシミュレーションを上手に活用しましょう。

ファーストステップ♪
“グリッサード・アッサンブレ” のシミュレーションをしよう!

【実践編:苦手な理由はこれ シンプルな動きから】

【Thank you】


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あなたが基準に沿ってレッスンすることは、バレエを愛する全ての大人に向けて、本当のバレエを、安全で適切な基準と方法を提供することにつながります!

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