鳩尾(ミゾオチ)から上だけを後ろに倒すタイプのカンブレ。
アラベスクやアティテュード・デリエールでは、同じ形をとる。
試しに、鳩尾から上を後ろに倒し、そのまま上体ごと前に移動させてみよう。
アラベスクと同じ状態になる。
ところが、この動作で「実際問題、自分の体がどのように動いているのか」を認識することは意外と難しい。
が、諦める必要はない。
方法はある。
こうしたことを知るということは、レッスンでの教師とのコミュニケーションにも役立つ。
そう、レッスンでのコミュニケーションとは、雑談でも質問でもなく、ボディランゲージなのだから!
2つのルール ~後ろのカンブレ~|大人のバレエ
”ありがち”を整理
鳩尾から上を後ろに倒そうとするとき、ありがちなことを整理しよう。
立っている姿勢から、
①鳩尾を前方に移動させ
②鳩尾から上を後ろに反る。
とてもよく見る光景だ。
つまり、”端的に” いうとこういうことだ。
①鳩尾を前方に移動させ=前方への矢印
②鳩尾から上を後ろに反る=後方・下方への矢印
矢印というのは、力の働く方向のこと。
●矢印、ベクトルって何?コチラをチェックしよう。
あなたがもし、鳩尾を前に押し出し、胸を後ろに倒したら、先生からはどんな言葉が飛び出すだろうか。
・肋が開いている!
・胸が開いている!突き出している!
・一度、上に伸びてからやりなさい!
・体が落ちているからそうなるの!
こんな感じだろうか。
ごもっともな話だ。
どれもこれも、指導として的確だ。
その上で、生徒側としては「どうしたらいいの!!」となるのも、それはそれで当然である。
やればやるほど、そうなるだろう。
要するに、ここで必要なのは “鳩尾から上を後ろに倒すタイプのカンブレ” で、
▶︎何をすればいいのか
▶︎何をしてはいけないのか
▶︎どうなっていればOKなのか
ここを知ることだ。
知らなきゃ、する術がない。
まずは、知ること。
あなたには、早速、知ってもらおう!
全体像を知ろう!
まず、求められるフォームを知ろう。
[脳内バレエ]
①レオタードの横の縫い目を床に対して垂直にする。
→Tシャツなどを着ている場合も同様。
②鳩尾〜腰骨までの縫い目を垂直にしたまま、鳩尾から上を後ろに倒す。
→鳩尾は前に移動「しない」、角度が変わるだけ。
鳩尾〜腰骨までの縫い目が前方に傾くようなら間違い。
いわゆる「肋が開いている、腰で折っている」と言われる状態だ。
本人的には、鳩尾から上を後ろにしている感覚だと思われる。
だが、「相対的に後ろになっている」だけであって、鳩尾から上自体が能動的に後ろになったのではない。
言葉にすると難しいが、ここを理解できるようになると、さまざまなことに光が射すだろう。
「相対的なこと」が欲しいのか、そうではないのか。
それは、内容によって変わる。
この場合は、NOだ。
では、鳩尾から上が後ろに移動する分、どうやって力のつり合いを取るのか。
それが、「フトモモ」である。
骨盤を高く引き上げ、フトモモを長く引き伸ばした状態で、前に押し出していく。
これで、動きのつり合いを取る。
いわゆる「アンディオールの要素」である。
”フトモモをそのまま保持” では、必ず引いてしまう。
例え、1ミリでも前に押し出すことが必要だ。
まとめ
鳩尾から上を後ろに倒すタイプのカンブレの復習。
[バレエのルールブック]
◎ウエストギャップを保持し続けたまま
◎鳩尾から上を後ろに倒す。
*フトモモを前に押し出すことで、アンディオールを保つ。
この姿勢をそのまま前に倒したら、アラベスクの姿勢になる。
もちろん、厳密にはさらなるオペレーションが必要にはなる(※)が、まずは、この姿勢を取れることがアイテムとなる。
あなたが思うより、いろいろな動作に活用できる。
アイテムとして、確実に手に入れよう!
※バランスは背骨に宿る。正式な背骨の動かし方。
▶︎https://juncotomono.info/program/20210810-16-spine/
1回だけでいい。
脳内バレエを正確に
やってみよう!