10月ワークショップ受付開始!!

カンブレの間違いと弊害|バレエレッスンでの改善策

何度でも言おう。
カンブレは、ストレッチでも準備体操でもない。

 

✳︎本稿では、カンブレと表記している。
 JBPに参加されている方は、カンブレとポールドブラの違いを考慮してお読み頂きたい。
 ここで述べている事は、ポールドブラに該当する。

 

序論:軽視されやすい動作の1つ

カンブレデヴァンとは、上体を前に移動させる(倒す)バレエ動作である。

バーレッスン冒頭での プリエのコンビネーションを始めとして、特にバーレッスンで多用される。

 

上体を弓形に動かすカンブレは、重要視されにくい。

レッスン時間の制約や生徒の進み具合などもあり、他項目の優先順位が高くなってしまう。

 

しかし、カンブレには 脊柱の独立した可動 という、大人にとっての難関が待ち受けている。

非常に高度で、重大な要素が含まれているのである。

 

カンブレが正しく出来ないということは、ほとんどのバレエ動作も正しく出来ていないということ。

バレエテクニックを獲得すればするほどに、その重要性の認識が増すのである。

 

 

本論:カンブレデヴァンの間違いと弊害|バレエレッスンでの改善策

本論1:カンブレデヴァンで起こりやすい2つの間違い

カンブレは、単なるストレッチではない。

ここでは、よく起こる2つの間違いを取り上げる。

 

①脚が割れてしまい、隙間が生じる。

②腕が抜けてしまう。

 

①補足

上体が前に移動すると、脚が外側へと流れ、両脚の間に隙間が出来てしまう。

バレエで最も重要な要素である、脚のセンタリング が不十分な状態である。

センタリング(寄せる)は、アンディオールを構成する主要エレメンツである事から、絶対に欠かすことは出来ない。

 

②補足

上体が前に移動する際、胴体は移動するが、腕だけ取り残されてしまうというケース。

結果として、ポジションから外れてしまう。

 

 

 

本論2:間違いから生じる問題点

カンブレでは、高度なオペレーションが要求される。

 

ただ、何となくやるならば、さほど難度は高くない。

しかし、厳密に動くには、相当な技術を要する。

 

さらに、他の動作への応用が幅広く、ほとんどのバレエ動作に影響を及ぼす。

 

 

①の問題点

この場合、 上体が前に移動する=脚が割れる という動作パターンが、癖としてついてしまっている。

上体を前に移動する代表的な例に アラベスク が上げられるが、間違ったカンブレデヴァンを体が覚えると、アラベスクにおいても間違いを生じてしまう。

 

 

<上体が前に移動する=脚が割れる という動作パターンを持っている場合におこりやすい間違い>

 

▶︎支持脚が割れてしまう、外側へ流れてしまう。

▶︎支持脚のアンディオールが出来ない。

▶︎骨盤のプレーシングが取れない。

▶︎動作脚がの膝が、下を向いてしまう。

▶︎足部外側に荷重してしまい、支持足がカマアシになる。

 

このように、他の動作へと弊害が生じてしまうことを忘れてはならない。

 

 

②の問題点

スタートポジションでの 胴体と腕 の関係を保つことが出来ず、上体の移動=上体の変形 というパターンに陥っている。

腕が取り残されると、腹部や腰背部の緊張が抜けてしまう。

 

逆パターンもある。

緊張が抜けるから、腕が取り残される。

 

いずれにせよ、上体の重さを支える機能が失われている緊急事態である。

この場合、上体の重さを股関節にかけることで、股関節屈曲を行っている為に、①脚が割れるという現象の原因となり得る。(注1)

 

 

 

本論3:改善策

①のケース

脚が割れているならば、寄せればいい。

確かにそうだが、もう少し、丁寧に観察する必要がある。

 

脚が割れているケースの場合、大抵は [腿] に隙間が空いていることが問題となる。

だからと言って、この段階で腿を寄せようとするのは、時期尚早である。

なぜならば、脚を後ろに引いてしまうことで、寄せようとしてしまうからである。

 


カンブレデヴァンにおいての [脚を寄せる] というサジェスチョンは、既に脚が寄っている段階において、更なる強化とクオリティアップを求める為
である。

脚が割れている段階においてのサジェスチョンとしては、間違ってはいないが、ベターではない。

 

この場合は、 足首を寄せる が良い。

腿と膝の引き上げが未熟な為、実際のレッスンでは、この2つの部位ではないところから、アプローチを図る。

足首を寄せることで、重さが下に流れることを防ぎ、荷重位置や大腿部の緊張を促す。

 

 

②のケース

スタートで、アラセゴンに差し出されて手がアロンジェになったら、その時の胴体と腕の関係性を保ったまま、上体を移動させていく。

個人差はあるが、大凡、90度に移動するまで、腕は、アラセゴンのポジションを保たねばならない。

 

 

 

 

結論:脊柱に現れる影響

適切なカンブレをしていると、脊柱の可動を促してくれる。

本稿では、カンブレデヴァンを取り上げたが、それぞれの方向へのカンブレを正確に行うことにより、脊柱の形状をあるべき姿に整える手助けもする。

 

もう一度、言おう。

カンブレは、ストレッチでも、準備体操でもない。

発展性の高い、大切なバレエ動作である。

 

筆者は、カンブレの重要性を認識出来ず、厳密に出来ず、単なるストレッチにしてしまっていた経験がある。

バレエの基本、ではなく、個々それぞれにとっての基本を指導していた教師によって、やっと見出すことが出来た。

最初から、大切さ、重要さを認識していたわけではない。

 

あなたも、出来る。

そう思う。

 

 

注1:股関節屈曲=股関節を曲げること。この場合、上体を前へ移動させた状態を指す。

参考:脊柱に関しての基礎知識に関して掲載している。
▶︎▶︎トルソースクエア に求められること

 

JBPタイトル