脚を長く|大人がやりがちな間違いと正しい解釈

 

人と似ている。
バレエも
バレエに
耳を傾けてくれる人が大好きだ。

 

序論:お約束としてのバレエの常識

バレエでは、脚を長く見せ、長く使う。

レッスンでも、言われていることだろう。

もし、耳にすることがなかったとしても、前提としての “お約束” であることは知っておくべきである。

 

本稿では、脚を長く動かす・使うときに、大人がやりがちな間違いと正しい解釈について述べる。

 

 

本論:脚を長く|大人がやりがちな間違いと正しい解釈

本論1:目的、ゴールを把握する

「脚を長く」

目的は、大きく2つに分けることが出来る。

 

①見た目、ボディデザインに与える影響

②股関節の可動を促す

 

①は、そのままなので、ここでは省略する。

 

「脚を長く」と言われると、①のみを想像し、動こうとするだろう。

もちろん正しいのだが、機能性を兼ね備えた指導言語であることも、ぜひ知っていただきたい。

 

それが、②に値する項目だ。

新しい知見は、体にとっての新たな刺激を送ってくれることだろう。

 

 

 

本論2:「接着剤」を取る

股関節は、骨盤と大腿骨というフトモモの骨で形成されている。

大人の場合、”股関節周囲の筋が活動していない” もしくは、 “微弱である” ために、可動域が減少していることが多い。

 

●筋活動以前に、本来の可動を取り戻すおすすめストレッチ P6~P10に掲載●

coordinate表紙 大人のバレエ 踊りやすくするためにカラダを整える[バレエ参考書]

関節というのは、骨と骨が接続している部分のことである。

この接続部分が接着剤をつけたかのように「くっついて」しまうと、動きが減少し、必然として可動が減る。

 

関節には、満遍なく可動するために適切な「隙間=スペース」が必要である。

「脚を長く」というのは、スペース作りも含まれる。

 

適切に実行することが出来れば、接着剤は少しずつ剥がれ、可動は広がっていく。

 

 

 

本論3:「長く」であって「移動」ではない。

例えば、バーレッスンでのバットマン・タンジュ。

ここで「脚を長く!」と指示が出たら、どうするだろう。

 

そう、つま先を体から遠ざける。

これは、あなたもご存知かと思う。

 

●参考 バレエでの力の方向については、こちらの記事をお読みください●

「遠くを見て!」本当にやって欲しいこと|バレエレッスンでの指導言語

 

先生の指示に答え、脚を長くしようとするところまでは、とても良い。

このときに大人がやりがちな間違いは、骨盤がズルズルと一緒に滑ってしまう(動いてしまう)ことだ。

 

右脚でバットマン・タンジュをしてみるとしよう。

そのとき、右のコシボネに手を当ててみる。

しっかりと手で抑え、骨盤が動かないようにしてやってみよう。

 

 

骨盤の位置を確定し、脚「だけ」を長くしていく。

これが「脚を長く」ということだ。

 

骨盤と脚が一緒に動いてしまうということは、「脚が長く」なっているのではなく、「脚の長さは変わらず、移動しているだけ」に過ぎないことを、知っておこう。

 

 

結論:バレエ本位のスタンスを

バレエレッスンで使われている指導言語の多くは、「見た目」のことを指している。

 

バレエは、人に見せる(魅せる)もの。

当たり前といえば、当たり前だ。

 

一方で、適切な解釈・理解、行動が伴うことで、体の機能に良い影響を及ぼすものが多い。

 

まずは、適切な「解釈・理解」から。

自分本位ではなく、バレエ本位で考えると、真意が見えてくる。

 

さあ、今日からやってみよう。
「あれ、解釈あっているかな?」と
疑いの目をかけてみるだけでも一歩前進だ。

 

 

 

 

 

 

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