シングル(1回転)はなんとかなっても、ダブル(2回転)以上になるとふらついてしまう、後ろに倒れてしまうシーンをよく見かけます。
人それぞれが抱える原因もありますが、それ以上に共通しているのが “プレパラシオンが正確でないために、振り回されてしまう” ということ。恐怖感が生まれて回転嫌いになってしまうことも。
ダブル以上にチャレンジしている人も、今後回れるようになりたい人も、必ず、正しいプレパラシオンを押さえましょう。そのヒントを紹介します。
正しいプレパラシオン4項目
バレエのトゥールをする際(ピルエットに限らず)、全ての人が共通してできるようにしたい4項目をピックアップ!
ルティレ(パッセ)やルルヴェの高さ、バランスなどにどんなに気をつけても、正しいプレパラシオンが取れなければ、それらができる前に吹き飛んでしまいます。
知っているだけでなく、必ず、無意識でもできるようになるまで練習しましょう。
正しいプレパラシオンに必要なこと
□胴体で方向をとる
□頭の位置・目線
□腕のポジション
□足のポジション
それぞれに大事な役割・仕事があります。
ここで注目したいのは、回転の動力を生み出すのは【胴体(方向)】であるということ。大人に多いのは、足で動力を生み出してしまうことです。
足で回転動力を生み出そうとすると…
・ふらつく、倒れる
・ルティレが開けない
・ルルヴェが低くなる
・スポットがつかない
これだけではありません。
進みながら回転する動き(ピケターンやシェネなど)では、進行方向に足を出すことができず、意に反して、とんでもない方向へと進んでしまいます。
正しい動力を身につけることで、体が吹っ飛んでしまうこともなくなります。
どれが欠けても正しくならない
正しいプレパラシオンをとるための4項目は、最低限のことになりますので、どれも欠かすことはできません。
あなたの中での重要度を高めるために、それぞれの役割・仕事を100メートル走に例えて整理しましょう。
あなたは、100メートル走の選手です。今から競技会で試合をします。
選手=胴体で方向をとること
▶︎実際に100メートル走に出場する
ゴール=頭の向きや位置・目線
▶︎最終地点
スタート=腕のポジション
▶︎合図をする
コーチ=足のポジション
▶︎速く走るためのサポート
もし、どれかが欠けてしまうと
選手がいなければ、レースそのものができません。
ゴールがわからなければ、どこに向かって走ればいいのかわかりませんし、どこまで走ればいいのかわかりません。
スタートの合図をする人がいなかったら、レースが始まらず、ずっと待ったままでいるしかありません。
コーチがいなければサポート体制をとることができません。日頃の練習から、どうしたら速く走れるのか、レースに勝てるのか、客観的に助言してくれる人がいません。
どれが欠けても、困るものなのです。
きちんと、ちゃんと
ここで、あなたにお伝えしたい “大人あるある”
ドキッとしたら、むしろ前進。今日から気をつけましょう!
それは、何か気をつけようとしたとき「きちんと●●しよう」「ちゃんと●●しよう」で終わっていませんか?ということ。
大人には、とても多い傾向です。トゥールにかぎらず、上手にならない原因です。
・【きちんと、ちゃんと】方向を向こう
・【きちんと、ちゃんと】前を向こう
・【きちんと、ちゃんと】アラヴァンとセゴンを取ろう
・【きちんと、ちゃんと】第4(第5)ポジションを取ろう
これを、10年続けてもよくはなりません。
頭から指示が出る事によって動きます。出ないと動きません。何かをできるようにする時【頭から出る指示】が必要。それらが弱いからできてないのです。膝を伸ばせるようになりたいのならば、なんとなく膝伸ばそうではなく【強く、強く】思う所から始まります。誰でもできる事なのにやっていない事です🍎
— 大人のバレエ上達 JBPおニャーさん (@junkotomono) November 7, 2021
入門クラスを過ぎたら【きちんと、ちゃんと】ではなく、【●●を、□□に、△△しよう】にしましょう。明確な指令を脳から送ることで、体が正しく動くようになります。
自分でできることから進める
ダブル以上を回るためのポイントやコツは、確かにあります。その上で、ポイントやコツを教えてもらっても、それらの効き目が出る状態にしておかないと、実際にできるようにはなりません。
実際の細かいチェック項目を続編でお伝えしますが、姿勢や腕や足のポジションなど、あなたが「こうだと思う」というところまでは、次のレッスンで確認しておきましょう。
確信を持ってやってみても、必ず、誤りがあります。だからこそ、レッスンが必要なのです。
回る回数を増やそうとするとき、回ることばかりを考えがちですが、それは正しい考え方ではありません。考えるべきは、回れる方法です。結果として、ダブル以上が入るだけの話です。
まとめ
回ることではなく、回れるようになる方法をとりましょう。それが【プレパラシオン】です。まず、4項目を意識してレッスンしてみましょう。
今あなたが何をしているのか、あなた自身が自覚できることが大切です。それが正しくても誤りでも、大きな一歩になりますので、前向きに捉えましょう!
□胴体の方向
□頭の向きや目線(スポットではない)
□腕のポジション
□足のポジション
▶︎それぞれ ”どのようになっているか、どのようにしているか” 言葉で説明できるようにしておきましょう。
どんなプレパラシオンをするのかを決めよう!
【プレパラシオンを具体的に】
『トゥール=回転』バレエのトゥールにする【基本原理】