どちらかだけでなく、どちら「も」必要です。
それが膝とつま先を伸ばすこと。
動きの中で両方が伸びているように見せるためには、ただ伸ばそうとするのではなく、発想の切り替えが必要です。
膝を伸ばす、膝を曲げる。
膝という言葉を使っているために、膝のお皿部分をどうこうしようとするのは、当たり前の話です。
その上で、バレエで「膝」という言葉が出てきたときは、受け取り方の注意が必要です。
まず、ここを解説します。
この発想を持とう
下肢、大腿、下腿といった言い方がありますが、馴染みがないと思いますので、長くはなりますがわかりやすい言葉を使いましょう。
- 太腿(フトモモ)
- 膝から足首にかけての部分
つま先を伸ばすことや荷重は、「足」で行うことですので、「脚」(①と②を合わせた部分)と独立して動かすことができれば、脚とは関係のない話です。
(もちろん、連鎖はしますが)
膝がどうあろうとつま先を伸ばせなければなりませんし、つま先がどうあれ膝が伸ばせなければなりません。
ここは、整理しておきましょう。
膝を伸ばす、曲げるというとき、膝のお皿部分をどうこうしようとするよりも、①と②をどのように動かすかという発想が必要です。
膝を伸ばすという動きがどのような状態か、イメージがつく範囲で分析してみましょう。
イラストは、第1ポジションの片側を正面から見たところです。
*ざっくりしたものであることをあらかじめご了承ください。
膝が曲がっている
太腿と膝から足首にかけての部分に何も力が働いていないと、体重という重みが重力によって下に、かつ、外側へと流れていきます。
そのため、膝を伸ばしているつもりでも「緩んでいる」と判断される状態に陥ってしまいます。
膝を押し込んでいる
膝のお皿を後ろに押し付けている状態は、言い方を変えると「逆方向に曲げている」になります。
一見、伸びているように見えても、実は、膝を曲げているのです。
OKー膝が伸びている
太腿と膝から足首にかけての部分が、体の中心に【寄せている=集めている】状態を膝が伸びていると言います。
関節と言って、膝のように曲がる部分ではなく、太腿の真ん中、膝から足首にかけての部分の真ん中あたりという、曲がらないところを寄せることが重大ポイントです。
動きの中で特に目立つ
シャンジュマンや第1ポジションのタンルヴェで確認➡︎空中に体がある瞬間、脚が第6ポジションになっていませんか。バレエシューズの布地が被っていない甲が全て鏡に写っていたら、脚の角度が取れていない証拠。心当たりがあったら、甲を湾曲させようとせず、まっすぐ上に跳ぶことをやってみましょう🌸
— 大人のバレエ上達 JBPおニャーさん (@junkotomono) February 5, 2022
太腿を寄せることの重要性については、これまでの ”おニャーさんの部屋” でも取り上げていますが、動作の中で「つま先と膝」を同時に伸ばす際、特に注意したいことがあります。
特に、センターレッスン「ウォームアップジャンプ、アレグロ、ミドルジャンプ」に表れやすいことですので、ここでは、第1ポジションのタンルヴェを例にとって解説します。
太腿は、もちろん体の正中線に向かって寄せていきます。(A)
こうした動作で注意したいのは、足よりも太腿を内側に寄せるということ。
Bのように、足より外側に太腿があると膝が緩んでしまいます。
これは、「つま先を伸ばそう、甲を出そう」としたときに起こりやすい間違いです。
まずは、足よりも太腿を内側にすることに意識を持ちましょう。
つま先を伸ばそうとすると膝が曲がってしまうという、大人に多い連鎖は、足と脚の独立によって断ち切ることができます。
レッスンでの対処としては、【膝を伸ばすとはどんなことを言っているのか】を理解することで、正しい発想へと導いてくれます。
足と脚の独立がうまくいかないなど、機能面で不足がある場合はフロアエクササイズなどを活用し、補充していきましょう。
- 膝の動きは、太腿と膝から足首にかけての部分、2パーツで考えましょう。
➡︎膝のお皿でオペレーションしないように注意。 - 関節ではなく、関節と関節の中間を意識しましょう。
- 動きの中では、足より太腿が内側に位置することで、膝が伸びて見えます。
ファーストステップ♪
太腿と膝から足首にかけての部分のパターンを整理しよう。
【Thank you】
JBPでは、大人の方が最適に踊れ、かつ、今後の日常生活にも望ましい基準を定めています。
あなたが基準に沿ってレッスンすることは、バレエを愛する全ての大人に向けて、本当のバレエを、安全で適切な基準と方法を提供することにつながります!