5kgの米袋、5kgのダンベル、5kgのジャガイモ、5kgの水。
内容どうあれ、重さが「5kg」であることに違いはないのです。
一方で、1kgのジャガイモと5kgのジャガイモでは、同じジャガイモでも重さが違います。
大人のバレエは、ここを理解することが正しい動きへと導くポイントです。
あなたに質問。
グリッサードやシャッセに共通していることは?
- 移動する
- つなぎのステップ
- このあとに“メイン動作“が控えている
グリッサードやシャッセの後には、グランソドシャ(グランパデシャ)やグランジュッテのような大きいジャンプが続くことが多くあります。
ほとんどの大人が持っている「癖」
大きいジャンプは「大きい」ですから、地を這っているようでは「大きく」もないし「ジャンプ」にも見えません。
しっかりと空中に体が持ち上がり、「ジャンプ」を見せられる環境を作りましょう。
こうなると地を這ってしまいます
- 上体を突っ込んでしまう
- プリエからプリエへの移動が正しくできていない
- 背中を立てる感覚や意識がない
体をまっすぐに保つ意識を強く持ちましょう。
特に、頭とお腹は重さがあるために、前に倒れやすいので要注意。
上体を前に倒した状態で動くということは、筋肉の活動ではなく、重さによって動いていることを意味します。
ここを、もう少し詳しく解説しましょう。
なぜ、筋肉を積極的に働かせず、重さによって動こうとするのでしょう。
それは、椅子に座りたがるのと同じで【楽に感じる】からです。
感じるのであって、実際に楽かどうかは別の話。
体にかかる負荷は椅子にいるときと同様、楽に感じるときの方が大きいのです。
これが、ケガの原因や結果が出ない原因になっていることを認識しましょう。
一見、大きく動ける理由
なぜ、重さで動くことができるのか、大きく動けるのか。
それは、天秤をイメージするとわかりやすくなります。
- 片方に重石を乗せると、天秤は動く(傾く)
- 乗せる重石が重いほどに、その傾きは大きくなる
この原理をしっかり覚えておきましょう。
ここでいう重石に当たるものが、大人でいう上体、特に頭やお腹になります。
お腹はしまうことができれば、かなり軽減できる部分です。
出ていれば、それだけ重さになります。
内容が、筋肉だろうが、脂肪だろうが、内蔵だろうが、重さに変わりありません。
筋肉ならば大丈夫というわけではなく、出ていないことが大事なんだね。
「きちんと」動くためのヒント
ものすごく大切なことを言います。
何をやってもうまくいかない、何をやっても結果が出にくい原因だからです。
- 重さによって動く習慣は、一刻も断ち切りたい運動連鎖です。
バレエでは当然ですが、日常生活でもできるだけ断ち切らないと、どんな健康体操も美容体操も、エクササイズもあなたにとっては効き目が出ません。
運動をしても筋力がつかず「筋力低下」を招くこととなります。
筋力が低下すれば、関節が摩耗し、痛みが出る原因になります。
ひとまず、大きなジャンプ前のグリッサードやシャッセでは、次の項目に気をつけましょう。
- 頭や背中をいつもより5センチ後ろに保ちましょう。
- 後ろに保つ意識を持つことで【これ以上、前に突っ込まない】ように防いでくれます。
- 根本的に改善したい、無意識でもできるようにしたい場合は【プリエからプリエへと続く動き】の正しい方法を身につけましょう。
あなたのバレエ上達にも、健康にも、美容にも大切なことをギュッと詰め込んでお伝えしました。
「何をやっても効果が出ない」その原因は、あなた自身にあります。
だからこそ、あなた次第で「何をやっても効果が出る」になることもできます。
その選択をするのは、あなた自身です。
- 重さで動いている分、筋肉が働いていないことを自覚をしましょう。
- 重さで動くと感覚的には楽ですが、体には大きな負担をかけています。
- あなたには、重さではなく筋肉の活動で動けるための【体の再教育】が必要です。
- 体を後ろに保つ意識を持ちましょう。
- プリエからプリエへと繋がる動きを正確にできるようにしましょう。
ファーストステップ♪
いつもより背中を後ろにして、今日1日を過ごそう。
【Thank you】
JBPでは、大人の方が最適に踊れ、かつ、今後の日常生活にも望ましい基準を定めています。
あなたが基準に沿ってレッスンすることは、バレエを愛する全ての大人に安全で適切な基準と方法を提供することにつながります!