回転における正しい重心:身につけるために意識したいこと

バレエは確かに、先生に教えてもらいます。

ですが、結局のところ、あなた自身が決断せねばならないのです。

何もかもおまかせで「上手にしてもらう」体を動かすものである以上、残念ながらそれはできないのです。

さあ、今日は冒頭からあなたに決断してもらいます!

回転における正しい重心について、復習をしましょう。

いよいよ本日、12時

怖ければ、練習したくないのは、当たり前

回転、特に「ピルエット」をどうにかしたいと思うとき。

実際に練習する前に、あなたが決めなくてはならないことがあります。

 ▶︎それは、形の保持や回転数の増量、スピードを上げるなどなのか

 ▶︎それは、回ること自体をどうにかしたいのか

例えば、回転自体に恐怖感はなく、回ること自体が好きなのであれば、間違いなく前者でOK。

一方で、回ること自体が苦手、怖い、どうしたらいいのかわからないと言った場合は、形云々、回数やスピードよりも、まずは回ること自体に慣れ、怖くない回り方を身につける必要があります。

もちろん、よく言われるルティレの形がどうこうだとか、ルルヴェがどうこうだとか、回転軸がどうこうだとか、そうしたことも大切です。

その上で、それが頭でわかっていても、苦手意識や回転への恐怖感が強い状態では、練習自体が成立しません。

怖いことをわざわざやりたくないし、やったところで体も頭も拒絶してしまうからです。

おそらく、どうにかして「回転をするという時間」を、何事もなくやり過ごすことを望んでいるはず。

そうした場合は、まず、回ること自体に慣れること、思ったより大ごとではないのだと、体と頭に認識してもらう必要があります。

この“前者と後者の話”は、こちらの記事で解説していますので、ぜひ、お読みください。

ここから先は、後者の “回転自体をどうにかしたい“ 方への解説をします。

苦手意識や恐怖感がある人は、必要なことを知り、必要な練習方法を取りましょう!

回転苦手さんにとっての呪いの言葉

ピルエットに関する言葉。

解釈や捉え方、実際の動き方が難しい[呪いの言葉]があります。

 ▶︎しっかり乗る

 ▶︎軸を作る

すでに、ピルエットが回れる人、回る感覚がある人ならわかることですが、そうではない人が理解するのは、非常に困難な言葉です。

回る感覚がない、回るのが苦手、回るのが怖い。

該当する人は、「しっかり乗る、軸を作る」がわからなくて、大いに結構!

無理にわかった気になる必要はありません。

一度、この言葉からは離れてみましょう。

ルルヴェとピルエットの違い

ではなぜ、「しっかり乗る/軸を作る」が、理解しにくいのか。

理由を知っておく必要があります。

ここが、回転のポイントになるからです。

まず、ピルエットというのは、シンプルに「指定の形でルルヴェをしただけ」ではありません。

当たり前ですが、回転をします。

ですから、遠心力を計算しなければなりません。

次に、ルルヴェをしてバランスを取るときの重心と、ピルエットでの重心は、同じではありません。

形は同じでも。

当然ですが、シンプルなルルヴェとピルエットでは、軸も同じではありません。

回転が得意な人は、こうしたことを無意識にやっているのです。

こうした「無意識に行っていること」に関しては、言葉と実際が大きく異なるケースが多いので要注意です。

もう1つの理由があります。

これは、大人特有の問題になりますが、しっかり乗ると寄りかかりを混同しているケースが非常に多いこと。

[しっかり乗る/支持足に乗る]を骨盤を大きくずらすことと混同しているケースが多いですが、これは間違いです。

普段のレッスンの中で、支持脚への寄りかかりやおしりに座っていると指摘をされている場合は、先生もしっかりみてくださっているということ。

先生と一緒に、しっかりなおしましょう!

また、無自覚だと寄りかかっていることに気づけないのも難点です。

この場合、「しっかり乗って!」と言われるほど、寄りかかりを助長してしまいます。

定期的に確認することで、誤った道に進んでしまうことを阻止しましょう。

両足回転で学びたいこと

ピルエットでの正しい重心位置を身につける、あるいは、回り方を修正するために、両足での回転はとても有効です。

もちろん、苦手な人/恐怖感を感じる人にも必要な練習法です。

最も身近なのは、バーレッスンで向きを変える時のデトゥルネやストゥニューアントールナン。

ただなんとなく動くのではなく、明確に回転の要素を含めて動くことで、少しずつ【回転への免疫】をつけていきます。

この時、学ぶべき最も重要な要素は、荷重と体の位置との関係です。

 ▶︎両足回転においても、「支持足」はあるが

 ▶︎トルソーの位置は、常に脚と脚の間にキープする

前後の足に半分ずつ体重をかけるならともかく、両足回転の荷重配分は「半分ずつ」ではありません。

正し、見た目は「半分ずつに見える」ことが理想です。

そのためには、体を脚と脚の間にポジショニングする意識を持つこと。

見た目を半分ずつにしようとすると、回転に必要な重心位置を取れるようになってきます。

もう一度言いますが、シンプルなルルヴェでの重心と回転での重心は違うのです。

では、両足回転でマスターしたいことをまとめましょう。

  • 支持足がどちらなのかを意識して動くこと。
  • 体重配分は5:5ではないが、そう見えるようにすることで、正しい重心位置へと近づく。
  • 体は常に、脚と脚の間におき、体重を多くかけている足の方に傾かない、乗らない。

これらを実現するためには、こうしたことが役立ちます。

 ▶︎両足回転においての支持足の存在

 ▶︎“4分の1” 回転でのスイッチング

 ▶︎回転動力の生み出し方

 ▶︎ラスト“4分の1” 回転からフィニッシュへの入り方

1つずつ確認することで、実際に正しい重心に近づくことができます。

【↓回転動力を生み出す可動域を広げる】

まとめ

ピルエットが苦手/怖いケースでの習得順序について学びました。

怖いうちは、積極的に取り組む気持ちにならないのは当たり前。

適切なステップを踏んで、練習が怖くないようにしていきましょう!

ここまでをまとめます。

  • 何を優先的に取り組んだら良いのかの決断をしましょう。
  • 回転の感覚がある人の言葉は、無意識におこなっている調整も含まれていることを理解しておきましょう。
  • シンプルなルルヴェと回転がプラスされた場合での重心位置は同じではありません。

ファーストステップ♪

次のレッスンでは、脚と脚の間に体があるまま、デトゥルネをしよう!

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