バレエでは常に、脚や足を外向きに保ちます。
「股関節から開く」とはよく言われることですが、決して、股関節「だけ」で開くわけではありません。
脚を外向きにするアンディオールの方法は、大きく分けて2つあります。
このどちらにも共通する、体への認識について解説します。
ここにバレエをしたことがなく、ごくごく一般的な生活を送っている人がいるとしましょう。
健康であり、ヒトとしての体の機能を持ち合わせています。
何か特別なことではなく、「ヒトとしての機能が【正常ならば】この関節がこのくらい動きますよ」という動きの範囲を“正常可動域“と言います。
正常可動域だけで、つまり、バレエ特有の可動域が「0」だったとしても、第1ポジションで100度開くことができます。
最もこれは、かなりザッとした計算なので、実際にはもっと開くことができます。
誰でも100度は開く理由
股関節の正常可動域は限られています。
つまり、これ以上動かすのであれば、可動域を拡大させるか、他のパーツと協力関係を結ぶ必要があります。
- 膝
- 足首
- 骨盤による可動
このほかにも脛の骨の形状だったり、膝とつま先の元々の関係などが含まれていきます。
正常可動域のみをザッと計算しただけで、100度を超えます。
あなたの場合、バレエをするためにストレッチをしたり、エクササイズをするなどをして、股関節の可動域自体は、一般の人より広いことでしょう。
そうなると1番だろうが5番だろうが、100度以上、余裕で開けるはずではあるのです。
それは、決して危険なことではなく、あなたの可動域の範囲だけで開いても、そのくらいは開けるということなのです。
参考膝の可動域からアンディオールを計算する
参考ガニ股ではない「アンディオール」とはこう
「股関節」という理由
- たくさん開くのは危険だ
- 股関節以外で開くのは危険だ
そうした考え方の根底にあるのが「怪我」です。
バレエは「開いて」踊るものです。
開かずに踊るということは、別の意味で大きなリスクを伴います。
それは、開いたことによる危険度をはるかに上回るものですが、長くなるので、ここで話すのはやめましょう。
とはいえ、怪我をしやすい開き方も存在します。
痛める最大の原因
アンディオールは、股関節だけでなく、膝や足首も開きます。
ですが、膝や足首に多くの体重をかけたまま開くというのは、一刻も早く解決すべき問題です。
とはいえ、それをやっているから「開かない」というのも、本来、おかしな話です。
原因が「重さ」であるなら、どうやって重さを分散させるのか(つまり、引き上げの方法など)を改善すべきです。
ところが、「開かない」という選択をしてまう。
これでは、永遠にアンディオールに近づけないどころか、違う意味での大きな怪我のリスクを背負ってしまいます。
また、脚も変形しやすく、股関節だけで開くことにこだわり過ぎて、脚が歪んでしまうことも多くあります。
これらを理解し、実際に体に取り入れ、アンディオールを促進させたい。
そのような場合に、最初に必要なのは「知識」です。
情報や雑学ではありません。
情報は知識にあらず
情報は情報、雑学は雑学です。
きちんとした知識を得る、裏付けのある情報を知識に昇華させる。
ここではじめて、実際に体を動かすための指令を脳から出すことができます。
バレエを踊るとき
あなたが本来持っている可動域を活かさず
本来開けるところまで開かないことは
体に対して、長年に渡る大きなリスクを背負います
忘れないようにしましょう。
股関節にこだわり過ぎて
股関節【だけ】で開こうとすることは
ヒトとしての体の機能を失うことにもなります。
脚や足を開くというのは、股関節だけでなく、複合的に行なっていくものだということを、決して忘れないようにしましょう。
正しい知識を積み重ねよう。
知識があって、学問は成り立つのと同じことだよ。
参考こちらでも解説しています!