自分の足を観察してみる
前回は、バレエでいう「つま先を伸ばす」動きについて、MP関節とPIP・DIP関節を分けて考えることをお話ししました。
今回は、実際に自分の足がどのように動いているのかを確認してみましょう。
まず、いつものように「つま先を伸ばす」
座った状態でも、立った状態でも構いません。
いつもバレエのレッスンでやっているように、
「つま先を伸ばして」
と意識して、足指を伸ばしてみてください。
このとき、足指の先だけを見るのではなく、足指の付け根にあるMP関節にも注目してみます。
できれば、手で足指の付け根を軽く触りながら動かしてみると分かりやすいでしょう。
そして、次のことを確認してみてください。
① MP関節は動いていますか?
「つま先を伸ばす」と意識したとき、MP関節が動いているでしょうか。
足指の先は動いているけれど、MP関節はあまり動いていない。
そんなことはありませんか?
② PIP・DIP関節が丸まっていませんか?
次に、足指の途中にある関節を見てみます。
つま先を伸ばしたつもりなのに、
PIPやDIPがギュッと曲がっていないでしょうか?
足指の先が丸くなっている場合は、ここを確認してみてください。
③ 足指全体が丸まっていませんか?
最後に、足指全体を見てみます。
つま先を伸ばそうとして、
- 足指の関節全てで伸ばそうとしている
- 足指の先に力が入りすぎる(硬直している)
という状態になっていないでしょうか。
もちろん、足指に力を使うこと自体が悪いわけではありません。
大切なのは、どこに力が入って、どの関節が動いているのかです。
「全部を伸ばす」ではない
足指シリーズ①でもお話ししたように、バレエでいう「つま先を伸ばす」は、
MP関節は屈曲
PIP・DIP関節は伸展
という組み合わせです。
つまり、足指のすべての関節を同じ方向に動かすわけではありません。
ここが、少し難しいところです。
普段の生活では、足指を意識して関節ごとに動かす機会は、そう多くありません。
そのため、
「足指を伸ばす」
↓
「足指全部を伸ばす」
と考えてしまいやすい。
あるいは、
「つま先を伸ばす」
↓
「足指を丸めて、甲を出そうとする」
という動きが身についていることもあります。
「もっと伸ばして」と言われたら?
レッスンで、
「もっとつま先を伸ばして」
と言われたとき。
もし自分ではもう十分伸ばしているつもりなのに、どうしていいかわからないのであれば、単純に「もっと力を入れる」のではなく、
「今、私はどの関節を動かしているんだろう?」
と考えてみてください。
そして、一度力を抜いて、ゆっくり確認してみます。
MPを動かしているのか。
PIP・DIPを曲げているのか。
足指全体を握っているのか。
自分の足を観察するだけでも、意外な発見があります。
筋力があってこそ、その先を見る
ここで大切なのは、関節の使い方を見ることと、筋力をつけることを別々に考えないことです。
足部を支える力が十分でなければ、そもそも足指を細かくコントロールすることは難しくなります。
特に、普段の立つ・歩くといった動作でも足元が安定しない場合には、まず身体を支えるための基本的な筋力をつけることが大切です。
その土台ができてきたら、
「では、その力をどう使っている?」
と、もう一段細かく見ていきます。
鏡だけでは分からないこともあります
バレエでは、どうしても見た目を気にします。
「甲が出ているか」
「つま先がきれいか」
「足のラインがきれいか」。
もちろん、それも大切です。
でも、見た目だけでは、どの関節を使ってその形を作っているのかまでは分かりません。
だからこそ、ときどき鏡から離れて、
「自分の足の中で何が起きているのか」
を感じてみることも大切です。
できていなくても大丈夫
ここで、
「私、全然できていない!」
と思わなくても大丈夫です。
長い間同じ動かし方をしてきたのであれば、それが自分にとって自然な動きになっているのは当然です。
大切なのは、今まで無意識だった動きを、
「あ、私はこうやって動かしていたんだ」
と知ること。
気づくことが、動きを見直す最初の一歩になります。
次回は、実際にMPを使って、PIP・DIPを丸めずに動かすための練習についてお話しします。
まずは身体を支えるための土台をつくる。
そのうえで、足指をどう使うのかを少しずつ整理していきましょう。

JBP
