バレエレッスンでは、教師が「力入れすぎ!力を抜いて!力で動かないで!」という言葉を発することがあります。とはいえ、力を全く使わないわけではなく “調整” を必要としています。ここでは、力の出し入れ方(調整術)を紹介します。
前提として知って欲しいこと
例えば「指先に力が入りすぎよ、もっとリラックスして!」先生から助言を頂いたとしましょう。このとき、まずは指先だけの力をセーブすることが大切です。
よくある間違いは、指先の力をセーブしたつもりで、お腹や首といった別の部位が抜けてしまうこと。
指摘された部位以外は、出来るだけ保持するように心がけましょう。また、【セーブする部位とその他の保持】を常にセットで捉えましょう。
遊びながらやってみよう
力が入りすぎてガチガチ。意識すればするほど逆に入ってしまう▶︎これは自然な事なので心配ありません。解決法は2つ。コントロールを覚えるか”意識を飛ばす”後者は力を入れても入らないところに意図的に力を入れようとする事で不要な力みを抜く術です。例えば髪の毛1本や耳の隅など。お試しください🍎
— 大人のバレエ上達 JBPおニャーさん (@junkotomono) August 26, 2021
この記事でお伝えするのは、根本的解決に向かうための「調整術」です。ポイントは、厳密さにこだわり過ぎるより、ちょっとざっくりでもいいから、こまめに “遊ぶ” こと。気合いを入れずにやってみましょう。
ここでは、二の腕の力コブで試してみます。
全てのルール:力コブの位置だけに力の出し入れをすること。
*他の部位でも力の出し入れが起きていないかに注意。
パターン1:力いっぱい 100%
「これ以上、力が入らない」というくらいの力を入れて、力コブを作ってみましょう。MAX もしくは、それ以上入れようとすると、プルプルと震えてくるのがわかります。
コップに注がれた水が満杯で、あと一滴足したら溢れてしまう状態です。力を入れた状態でイメージし、脳に情報入力しましょう。
パターン2:「0(ゼロ)%」
パターン1から、一気に力を抜いてみましょう。0% もしくは、限りなく0%にします。うまくいかない場合は、もう一度パターン1に戻り、限界まで力をこめてから一気に抜いてみましょう。
コップに水一滴も入っていない状態です。体の状態とイメージをリンクさせましょう。
どんなに力を抜いたとしても、この状態をバレエでは使いません。
「抜いて!」という言葉があっても、この状態ではないことを認識しましょう。
パターン3:10%未満
全く力が入っていないわけではないけれど、力が入っているというほどでもない。もちろん、力コブはできていないけれど、かといってダラーンとしているわけでもない。パターン2から、ほんの少し二の腕を緊張させてみます。
パターン2との違いを体感しましょう。コップに僅かに水が残っている状態です。コップの底に1ミリだけ水が張っているところをイメージしてみましょう。
パターン4:50% 半分
4つのパターンのうち、最も難しいですがやってみましょう。
パターン1とパターン3の中間、おおよそ半分の力を入れて力コブを作ってみましょう。「半分」というのがポイントなので、”3分の2” や ”3分の1” にならないよう、半分の力加減を探してみます。
コップに半分ほどの水が入ったところをイメージしましょう。
レッスン外で準備しましょう
バレエレッスンは、「バレエ」自体が目的であり、力の出し入れをすることが目的ではありません。レッスンですぐに使えるように、レッスン外でできるようにしておきましょう。「力入れすぎ!」と言われたときにパッとできるようになると、その場での改善ができるようになります。
また、この記事では二の腕・力コブを例にしましたが、フトモモやおしり、お腹、背中など他の部位でもできるようにしましょう。
・4パターンの力の出し入れを身につけましょう。
・「コップの水」のイメージをもち、頭からくる司令と実際の行動を近づけましょう。
3日以内に4つのパターンをやってみましょう!