表現とは、感情だけを指しているのではありません。
動作そのもの、リズムやメロディー、それらを表出すること。
それこそが、バレエの純粋な表現と考えることもできます。
足の動きばかりに集中しがちなアレグロですが、腕や手がしっかりと形を作れていないと、何をしているのかが伝わりません。
動作そのものをクリアに表出する、音楽を視覚化する。
より純粋なバレエは、そこにあります。
アレグロのコツ:実は “アームス” にあり
これ、秘訣です💬
— 大人のバレエ上達 JBPおニャーさん (@junkotomono) November 28, 2021
【アレグロは腕を早く作る→足が追いつく】鉄則、足が出来なくても、腕を早く作るようにしましょう。(ココ、練習してできるようになる人とならない人の違いです…)足捌きが目立ちますが、先導しているのは腕です。なので、腕はいいから足だけ…なんてやっていると苦手なままです😱
すばやい足捌きを見せる【アレグロ】。
日常には、ここまですばやく細かく動かす機会はありませんから、足を動かすことが難関に感じることでしょう。
もちろん、初期にアッサンブレやジュッテを習うときは、腕を動かさずに足の動きを練習します。
その上で、実際のセンターレッスンでアレグロを行うときのコツは、ツイートにあるように “腕が先行する” こと。
こうすることで、動きやすくなるだけでなく【何をしているのか、どんなステップをしているのか】見ている側にきちんと伝わるようになります。
あくまで主役は
とはいえ、華美に腕や手を動かしてしまうと、足の動きを際立たせることができません。
あくまで主役は、足捌きであることを忘れずに、腕はシンプルに【引き算の美学】に徹しましょう。
それが、バレエの美しさや哲学であり、オシャレに見せるポイントです。
もう一つ。
ポションからポジションへと動くとき、ただ、スタートからゴールへ動かすだけでは、足と腕とのタイミングがうまく合わず、調和しません。
大人からバレエをはじめた場合、足と腕のタイミングがずれてしまって、動きにくそうにしているシーンをよく見かけます。
慣れるまではややこしいかもしれませんが、アレグロで出題しやすい腕のパターンは、ある程度決まっています。
シンプルなパターンを紹介しますので、諦めずにやりましょう。
シンプルなアレグロパターンは必須
バレエクラスでよく登場するパターンを取り上げます。
定番ですので、できるようにしましょう!
例題1
《グリッサード+アッサンブレ》
- グリッサード…アンバー
- アッサンブレ…デミセゴン
よく出題される動きです。
アンバーからデミセゴンに開き、再び、アンバーに戻るという腕の運びを組み合わせます。
これを、ポジション間の行き来で動かしてしまうと、腕が “開いて閉じて” という、横方向への動きに終始します。
これを次のように、スパイスを加えます。
- グリッサード フェーズ1:足を出す・移動する…アンバーの腕を少し持ち上げる。
- グリッサード フェーズ2:第5プリエ…アンバーに戻す
- アッサンブレ:デミセゴンに開き、アンバーに戻す
横方向への動きだけでなく、前後の動きがプラスされました。
グリッサードをするとき、アンバーのままだと動きの流れが止まってしまいます。
一方で、足は動かし続けるため、タイミングがずれてしまうのです。
前後の動きをプラスすることで、足と腕のリズムをとることができます。
例題2
《ジュッテ&タンルヴェ》
➡︎左足前の第5ポジションから
- 右のジュッテ…右手アンナヴァン+左手セゴン
- タンルヴェ…そのままキープ
そのままキープを額面通りに実行すると、体をうまく持ち上げることができません。
次のように調整しましょう。
- ジュッテの腕の軌道は、
- 通常のアンナヴァンよりも、大凡、手指5本分程度下の位置に持っていき、
- タンルヴェで、アンナヴァンに持ち上げる。
ここでのポイントは、②で直接アンナヴァンに持っていくのではなく、手指5本分下を通ること。
横方向への動きに、上下の動きを組み合わせます。
もう1つのポイントは、タンルヴェをする直前にアンナヴァンに持ち上げること。
ほんの少し早めに腕を動かします。
つまり、【腕➡︎足】です。
順序立てて練習しよう
バレエクラスで、いきなりやろうとするのは、なかなか大変です。
順番を覚える、足や腕の動きを覚える、音楽をとる、場所をとる。
クラスで行うことはたくさんあります。
バレエクラス以外で、パーツ別の確認をしておくことがオススメです。
- 腕の動き、軌道を覚える。(横方向だけでない動き)
- 足の運びと合わせてみる。(ジャンプしなくてもOK)
この順で確認しましょう。
①腕の動きや軌道があやふやなままだと、足を合わせたときに元に戻ってしまいます。
鏡の前に立って、しっかり【体に染み込ませる】ことを繰り返しやりましょう。
隙間時間を活用しよう
忙しくてなかなか時間が取れない場合などは、次の項目を参考にしてみましょう。
- 自宅の姿見の前で、腕の動きだけでも確認してみる。
- 電車やバスの中で、腕の動きや足とのタイミングをシミュレーションする。
- レッスン前に稽古場で確認しておく。
- バーとセンターの間に時間があるようなら、チェックしておく。
一度にたくさんの時間を割く必要はありません。
こうしたことは、一度に練習する時間や量よりも、こまめに確認した方が効果があります。
疲れているときなどは、シミュレーションだけでもOK!
まとめ
アレグロの動きを先導するのは【腕】です。
ポジション間の行き来だけで終わらせず、タイミングを合わせ、調和の取れた動きをしましょう。
- 横方向への動きだけでなく、前後や上下の動きを組み合わせましょう。
- ポジションに行き着く “直前” を活用することで、動きのタイミングを合わせます。
- まずは、腕の軌道や動きをしっかりと覚えましょう。
- 体に染み込ませることが必要な項目、隙間時間やシミュレーションを上手に活用しましょう。
ファーストステップ♪
“グリッサード・アッサンブレ” のシミュレーションをしよう!
【Thank you】
JBPでは、大人の方が最適に踊れ、かつ、今後の日常生活にも望ましい基準を定めています。
あなたが基準に沿ってレッスンすることは、バレエを愛する全ての大人に向けて、本当のバレエを、安全で適切な基準と方法を提供することにつながります!