つま先を伸ばす練習
①では、バレエでいう「つま先を伸ばす」ときには、MP関節とPIP・DIP関節を分けて使うこと。
②では、自分が「つま先を伸ばす」とき、実際にはどの関節を動かしているのかを観察しました。
今回は、実際にMP関節を使う練習をしてみましょう。
まずは、動きを小さくしてみる
すでに足部を支えるための基本的な筋力をつける練習をしている方は、その土台を大切にしてください。
そのうえで、MP・PIP・DIPの動きを整理していきます。
最初からバレエの美しいつま先を作ろうとしなくても大丈夫です。
座った状態で、足をリラックスさせます。
そして、
「MP関節を動かす」
ことだけを意識してみましょう。
足指の付け根に手を添えて、そこが動くのを感じながら、ゆっくり足指を動かします。
このとき、
PIP・DIPをギュッと丸めないこと。
まずはこれだけ意識してみてください。
「MPを動かす」と「足指を丸める」は別
足指を動かそうとすると、つい足指全体を握ってしまう方がいます。
でも、
MPを屈曲させることと、PIP・DIPを曲げることは別の動きです。
最初は大きく動かそうとしなくても構いません。
「MPが少し動いた」
「PIP・DIPは丸まっていない」
それが分かれば十分です。
動きの大きさよりも、それぞれの関節の動きを分けて感じることを優先します。
手でサポートしてもOK
自分で動かそうとしても、どうしても足指の先まで一緒に丸まってしまう場合は、手を使って確認してみましょう。
足指の先を軽く支えて、PIP・DIPが丸まりすぎないようにしながら、MPを動かしてみます。
これは、手で無理に正しい形を作るというより、
「こういうふうに動かすんだ」
という感覚を知るためのサポートです。
最初から自分の力だけで完璧に動かす必要はありません。
少しできたら、バレエの「つま先」へ
MPとPIP・DIPを分ける感覚が少し分かってきたら、徐々にバレエのつま先につなげていきます。
意識するのは、
MPは屈曲
PIP・DIPは伸展
という組み合わせ。
「足指を全部伸ばす」のではなく、
MPを使いながら、足指の先は長く保つ。
そんなイメージです。
ここでも、最初から大きく甲を出そうとしなくて大丈夫です。
形を大きくすることよりも、それぞれの関節をそれぞれの役割で使えているかを確認してみてください。
そして、立ってみる
座っている状態で感覚が分かってきたら、立った状態でも同じことを感じてみます。
バレエのポジションで立ち、
「つま先を伸ばそう」
としたときに、
足指の先を握っていないか?
PIP・DIPを丸めていないか?
MPを使えているか?
を確認します。
ここで大切なのは、無理に大きな動きを作ることではありません。
身体を支える力を使いながら、足指の動きも少しずつ整理していきます。
「強く」だけではなく「どう使うか」
足指の練習をすると、
「もっとしっかり使おう」
「もっと強く握ろう」
となりがちです。
まずは身体を支えるための筋力をつける。
そして、その力を使って、必要な関節を動かしていく。
「強くする」ことと「どう使うか」を両方見ていく。
これが大切です。
エクササイズをしているのに、バレエではできない理由
「足指のエクササイズはやっているのに、レッスンになるとつま先が伸びない」
という方もいるかもしれません。
これは、エクササイズが無駄ということではありません。
エクササイズで身につけた力と、バレエの中で必要になる動きが、まだつながっていないこともあります。
そのため、
① 身体を支えるための筋力をつける
↓
② MP・PIP・DIPを分けて動かす感覚を知る
↓
③ その動きをバレエのつま先につなげる
という順番で考えてみるのもひとつの方法です。
「できるようになる」前に「分かるようになる」
大人のバレエでは、長年続けてきた動きを変えることは簡単ではありません。
だからこそ、
「すぐにきれいなつま先を作る」
ことだけを目標にしなくてもいいと思います。
まず、
「今まで私はPIP・DIPを丸めていたんだ」
と分かる。
次に、
「MPを動かすって、こういうことか」
と分かる。
そして、
「この感覚をバレエのつま先につなげてみよう」
と練習する。
この「分かる」という段階を大切にしてみてください。
筋力は大切です。
でも、筋力がついたからといって、すべての動きが自動的に整うわけではありません。
身体を支える力をつけること。
そして、その力をどう使うかを知ること。
その両方があって、少しずつ自分の身体を思い通りに使えるようになっていきます。
つま先が伸びないからといって、ただ「もっと頑張る」のではなく、
「私は、どの関節を使っているんだろう?」
と、一度立ち止まってみる。
そこから、つま先の使い方を見直してみるのも、大人のバレエの練習のひとつです。

JBP
