「そのもの」に対してか
「付随すること」に対してか
対応には、お間違いなく。
序論:先生のオーダーに応えたい!
回るだけでもやっとなのに「もっとこう!」「ああして、こうして!」と先生の声。
もちろん、あなたを良くしようと思ってのこととは理解しているけれど “体も頭も追いつかない!”
それでも、「先生のオーダーに応えたい!」と思う、あなたの気持ちはとてもよく理解できる。
というワケで、本稿では “ピルエットで指示されることの多い4項目” についての解説をしようと思う。
本論をお読みいただくとわかるが、よく耳にする4項目 “回転そのものではない” ことを指摘しているケースがほとんどである。
ということは、回転が苦手でも、今できていなくても、確認できるということだ。
さて、一緒にチェックしてみよう!
本論:ピルエット 先生からの指示|大人のお悩み4項目
本論1:先生が指示しやすい “4項目”の詳細
まずは、今回取り上げる「ピルエットで指示されやすい4項目」から。
①パッセ(ルティレ)の膝を上げて!
②まっすぐ立って!
③パッセの足がカマアシ!
④首(頭)をつけて!=スポット
あなたも、一度は耳にしたことがあるだろう。
では、この4項目が意味していることを解説しよう。
バレエのルールブックに加えて欲しい。
[バレエのルールブック]
①パッセ(ルティレ)の膝を上げて!
→動作側を作りなさい
②まっすぐ立って!
→支持側を作りなさい
③パッセの足がカマアシ!
→末端まで活用しなさい
④首(頭)をつけて!=スポット
→「表現の1つ」としての回転にしなさい
こうしてみると、①②③は「ピルエットで求められるフォーム」についての指摘であり、「回転そのもの」に対しての指示ではないことに気づくことだろう。
ということは、3つとも “回転以外でのチェック” が可能だということだ。
本論2:大人のバレエは、ココを確認!
大人にオススメの確認方法をご紹介しよう。
▶︎①パッセ(ルティレ)の膝を上げて!
最大のポイントは、パッセ側 脇腹の活動状況にある。
ここの緊張がないと、脚が重くて上がらない。
”股関節が詰まった感じ” がするケースは、特に必要だ。
▶︎②まっすぐ立って!
「軸をとって!軸を強く!」も、ここに含まれる。
もう少し具体的に言うならば「支持脚と支持側のボディを強く保つ」になるだろう。
パッセでは骨盤が必要なだけ傾くが、傾きが足りないと支持脚が「抜けて」しまうために、「ビシッ」と立てず、常にグラグラした状態になってしまう。
もしくは、寄りかかってしまうケースもあるだろう。
この場合の「傾き」とは、前後ではなく「横」方向の傾きとなる。
▶︎③パッセの足がカマアシ!
末端(足、足先)に力が入らず「ブラブラした状態」になってしまうと、カマアシになるだけでなく、回っている間につま先が支持脚から離れやすくなる。
「パッセ」と言う型を取るためには、つま先が支持脚に触れていることが必要だ。
このケースでは、足首を包むタイプの「クドゥピエ」が効果的だ。
本論3:ピルエットは「表現の1つ」
④についてお話ししよう。
以前、こんなツイートをしたことがある。
スポットというのは “目が回らないため” につけているのではない。
「スポットをつけているのに目が回るんです!」という方、ご安心を。
クルクルよく回るダンサーでも、バケーション明けは目が回るそうだ。
もちろん “正面・客席” を把握しやすいという利点はあるが、スポットをつける最大の理由は、「舞踊表現の1つ」にするため。
”カウント・リズム” もう1つ付け加えるならば、”アクセント” を視覚化するために、スポットは重要な役割を果たす。
スポットがつかない・つけにくい原因を1つに絞ることはできないが、大人の場合は圧倒的に「スポット自体に慣れていない」ことが原因である。
これは、回転以外の動きでスポットを積極的に取り入れることで、問題がかなり和らぐ。
回転だけでなく、動きもクリアに、歯切れ良く見せることができる。
結論:[脳内バレエ] も効果アリ
4項目を一緒に確認してきたが、まとめとして [脳内バレエ] をしてみようと思う。
あなたも一緒に、頭の中でシミュレーションしてみよう!
[脳内バレエ]
①パッセ側の脇腹を緊張させよう
→軽くつまんでみると分かりやすい
②骨盤を必要なだけ傾けよう
→支持側のおしりが緊張しているかの確認でもOK
③足首を包むクドゥピエを作ろう
→そのままパッセに持ってくる
④スポット自体に慣れよう
→回転「以外」で積極的に取り入れる
バーレッスンで確認できることばかり。
④に関しては、センターレッスンではさらに活用できる。
”いえいえ!そうは言っても、私にとっては、それが難しいんです!!”
そういう場合は、もう少し絞ってみよう。
4つのうち、課題を1つに絞ってみる。
それもよくわからないようなら、レッスン前に [脳内バレエ] に書かれていることを3回リピートしよう。
そんなワケで、脳内バレエだけでもやらないより、ずっとずっといいのですヨ。
できることをやる
誰にでもできることではない。
できることをやった日は
”よくできました”