バレエと一般解剖学の発想の違い。
実は、こんなところに現れるのです。
解剖書を見ながら、その通りに動かしても、バレエらしくならない理由がここにあります。
例えば、アンナヴァンを作ったとき
- 肘が曲がりすぎてUFOキャッチャーのアームのよう
- 肘が伸びすぎて腕ぶら下がり
どのくらい肘を曲げるのか、肘の角が立たずに“腕が丸い“印象にできるか。
その調整は、なかなか悩みどころです。
その原因は、これ。
- 肘を曲げる筋肉で形を作っている
- 肘を伸ばす筋肉で形を作っている
- 形を作って、そのまま力を入れているだけ
どんな状態をスタートとして、バレエポジションをとるのかにもよりますが、この「一般的な発想」だと、美しいバレエポジションは取れないのです。
③も割と多い間違いなんだけど、また別の機会にしよう。
今日は、①と②について解説するよ。
体験してみよう
腕立て伏せをやってみましょう。
あなたの知っている方法でOKです。
- 肘を曲げていき、体が床に近づく
➡︎肘を曲げる筋肉が働く - 肘を伸ばしていき、体が床から離れる
➡︎肘を伸ばす筋肉が働く
実際には、こんなシンプルではありませんが、筋肉の働きをもっとも簡素に表すならば、このようになります。
これ、エクササイズや筋トレ、日常生活の話であればOK。
一方で、この方法でバレエポジションを取ってしまうと「なんだかよくわからないけど、ちょっと違う」という「らしくない形」になってしまいます。
さて、バレエらしいフォルムを作るための筋肉の働き。
その秘密を紐解いてみましょう。
エクササイズや筋トレなら、この方法でいいけれど、バレエに直結させるためのワークの場合は、バレエの特徴的な筋肉の活動をしたいんだ♪
やってみよう
先ほどの腕立て伏せ、こうしてみましょう。
- 肘を曲げるときの力、肘を伸ばすときの力を両方入れる
- ①を保持したまま、バレエポジションでの“肘の曲がり具合“を作る
- そのまま、体を起こし、バレエポジションを作る
- ポジションを作れる程度の力は残し、余剰分は解除!
なんと、肘を曲げる力も、伸ばす力も同時に入ってます。
かつ、大事なのは④
形を作れる必要はありますし、必要な動作ができるだけの力は必要ですが、それ以上に力を込める必要はないのです。
この余剰分の解除を忘れずに。
また、解除した時に、形が変わらないように注意しましょう。
バレエポジションでの肘、腕の在り方。
一般とは違う発想が必要でした。
まとめましょう。
- バレエでは、一般的発想とは異なる場合もあります。一般的な“入門“解剖学に頼りすぎないよう、上手に活用しましょう。
- 一般的なエクササイズや筋トレと、バレエの違いを認識しましょう。
- バレエポジションをとるとき、肘を曲げる筋肉も、伸ばす筋肉も働いています。
腕に大切な背中と「肩」
ファーストステップ♪
腕立て伏せをやってみて、曲がる・伸ばすときに力が入るところを確認しよう♪