11月ワークショップ発表!

”正しい” を求め過ぎることでの罠:先生の指示が変わる理由|大人のバレエ上達

エッセイ

おニャーさんが思ったこと、感じたことをお伝えするエッセイ。今日は、レッスンで起こることへの “考え方・捉え方” についてお話しします。

こんなことありませんか?

同じ動きをしているし、同じ先生。なのに、この前は「Aをするように」と言って、今日は「Bをするように」と言う。
一体、どちらが正しいのかわからない。その日によって言っていることが違う!

・この前は力を抜いてと言ったのに、今日は抜けてると言う。

 

・この前は肩を下げてと言ったのに、今日は上げてと言う。

 

・この前は支持足にしっかり乗るように言ったのに、今日は乗りすぎと言う。

あくまで個人的見解ですが、この辺りを “上手に対応できるか・どのような状況下を理解できるか” は、そのままバレエレベルに反映されているように思います。

要するに、いわゆる “上手な人” というのは、この辺りの理解がある上に、立ち回りが上手。いわゆる、賢くレッスンしているという印象です。

確かに成長はしているけれど、”自分でストップかけちゃってるなー” と言うタイプは、決まってココが頑固。

今日は、この辺りについてお話ししたいと思います。

 

寒けりゃ着るし、暑けりゃ脱ぐ

気温が下がって寒くなったら、長袖を着て、セーターなどを着て、さらにコートを着ます。暑くなれば、コートやセーターを脱ぎ、もっと暑くなれば半袖になります。

気温に対応するためです。”昨日は寒かったから長袖だったけど、今日は暖かいから半袖” という調整は、あなたも普段の生活の中でしていることだと思います。

これ、バレエレッスンでも必要なことなのです。気温がいつも一定ではないのと同じように、あなたの動きも一定ではないのです。

・同じ動き(ステップ)
・同じ感覚
・同じ意識

あなたが、この前のレッスンと全く同じようにしたとしても、表れる形は日々違います。何なら、今やってみたことと、1秒後にやったことが全く同じ、と言うことはあり得ません。

まず、ここをしっかりと認識しましょう。[同じようにやったら、同じになっている]と無意識思いがちですが、実際は違うのです。

この[違い]があるからこそ、調整するためにもレッスンするのです。

前回は「a」という感覚・意識でピルエットをしたら、うまく回れた。

 

ところが、今日、同じようにやったらうまくいかない。

 

そこで、「b」を試したところ、感覚や意識を変えることで、前回のようなピルエットができた。

こうやって、レッスンで調整するのです。

 

生徒を見ているからこそ

例えば「支持足について」先生が助言をしたとしましょう。常に「しっかり乗って!」としか言わない方が、わかりやすいかもしれません。
言っていることが変わらないので「それさえすればいい」と確定的に思えるからです。

あなたの先生が、メソッドやスタイルの指導書を読んで、講習を受けて、そのまま、口伝えするだけのクラスだったら、いつも同じことを言ってくれて、あなたは、正しいことを教えてもらっていると感じるのでしょう。

あなたの気持ちはわからなくもありません。
その上で、恐らく、先生はこうしたクラス運びはしていないでしょう。今日は「しっかり乗って!」と言ったのに、違う日は「乗りすぎよ!」と言うかも知れません。

それは、自分の思う「正しいこと」にあなたを導こうとしているからこそ、起こることです。
先生は、言葉が変わっただけで、実は、何も変えていません。変わったのは「あなた」です。

つまり、こういうことです。

例えば、タンジュをしているとしましょう。

 

ある日:支持足に対する荷重が足りない。
▶︎タンジュのつま先に体重をかけてしまった。
▶︎先生「支持足にしっかり乗って!」

 

違う日:先生に言われたことを意識して、支持足に乗ってみた。
▶︎先生の思う “ちょうどいいところ” を通り越して、寄りかかってしまっている。
▶︎先生「乗りすぎよ!」

 

先生が思うちょうどいいところを「0(ゼロ)」としてみましょう。

 

ある日:マイナス過ぎる
違う日:プラス過ぎる

 

ということが目の前で起きたのを、先生はしっかりみていたからこそ「0(ゼロ)」にするための助言をしたというワケです。

ということで、先生は何も変わっていません。むしろ「あなたをしっかり見て、対応してくれた」ということなのです。見てなければ、こうした助言はできません。

マニュアル通りではなく、あなたをしっかり見てくれているという裏付けです。

 

理想を知っておこう

常に変わらない「これが正しい」という言葉は、目の前の生徒を前提としているのではなく、「一般的に、多数決を取るならば」ということがほとんどです。

一人ひとり、骨格(身長・体重含む)や筋力、可動域、体力など、体だけで見ても違いがあります。あなたに合わせて、適切な声をかけるのであれば、状況によって、かける言葉が変わるということはあるでしょう。

理想的なのは、【バレエにとって何が正しいのか】を知っておくことです。先の例で、お話ししましょう。

先生:しっかり乗って!
▶︎あなた:もっと、支持足の方に乗ろう。

 

先生:乗りすぎよ!

▶︎あなた:もうちょっと、抑えてみよう。

多くのレッスンでは、この繰り返しです。何度も、何度も繰り返すことで「このくらいだな」というところを見つけていきます。この方法は、とても時間がかかる上、「ちょうどいいところ」が見つかる保証はありません。さらに、一度できたとしても、もう一度できる保証はありません。

 

理想はこうです。

先生:「しっかり乗って!」あるいは 「乗りすぎよ!」

(例)
Aというパーツと、Bというパーツが縦一列に揃うところが「ちょうどいいところ」
▶︎揃っているかを、鏡で確認してみよう。

これならば、一発対応ができます。しかも、目安が明確です。再現性が高く、指摘を受けたとき・自分でチェックしたいときは、いつでも確認できます。さらに、体感に頼らないため、客観的にも正確なポジションや動きをつくることができます。

 

普段のレッスンでは…

もちろん、これらは理想です。
*JBPバレエワークショップでは、お伝えしています

普段のレッスンで得られることではありません。

クラスレッスンという構成上・目的上、レギュラーレッスンでは、他の項目の方が優先されます。レギュラーレッスンでの大事なこと、優先させるべきことが、他にあるのです。

まずは、先生がそのとき指摘したことを「聞き入れる・受け入れる」次に「コピーする」これに限ります。そして、やってみる。レッスンで見てもらって、調整する。オーソドックスなレッスンの受講方法です。

*明確な目安は、バレエWSの他に「おニャーさんの部屋」や「オンラインバレエ教材」で、ある程度はお伝えしています。
(対面ではない場合、言えることといえないことがありますので限られてはいますが)

 

正しくやるより、正しいこと

「先生の言うことが変わる!正しいことを教えて欲しいのに!どれをやったらいいのかわからない!」そう、思うならおそらく【正しくやりたい】のでしょう。本当に大事なことは、正しくやることよりも【正しいことをやる】ことです。この違い、一度、考えてみるといいかも知れません。

 

今回は、長いエッセイになりました。
お読みいただき、ありがとうございます!

 

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