「この人は、回転が得意そうだな」
回転自体を見なくても、すぐわかる。
クルクル回るのが得意な人が共通した「頭の位置や高さ」があるのだ。
頭は、あなたが思うよりずっと重い。
成人で、4〜6キログラムあるといわれている。
スマホなどをみるために、首が15度傾いたら12キロ、30度傾いたら18キロものの重さが頸椎(首の骨)にかかることがわかっている。
首に重さがドンドンかかることで、背骨も動かしにくくなる。
すると、アラベスクなどのように、背骨の回旋を必要とする動きがやりにくくなる。
回転での「スポット」がつけにくくなる。
さあ、頭の保ち方にチャレンジしよう!
首も長く見えるし、首こりもしにくくなる。
メリットはあっても、デメリットはない。
「あの人、何か特別なことしているのかしら?」
あなたが、そう思われる日は遠くないのかもしれない。
キラキラ輝く “頭のポジション”
やってみよう!
頭のポジションを取るときに、あなたにやって欲しいことは2つ。
さっそく、バレエのルールが登場だ!
[バレエのルールブック]
頭は、”上方” かつ ”後方” に保つ。
では、実際にやってみよう。
試行A:頭を上方に保つ
①頭の上に手を置く
②軽く手を押す
試行B : 頭を後方に保つ
①後頭部に手を当てる
②軽く手を押す
AとBを別々にやってみたら「A+B」にしてみよう。
頭がいつもより高くなり、目線もいつもより上がる。
少なくとも、バレエを踊るときは、この位置をとろう!
動作へ変換
さて、いくつかの動作を試してみよう。
頭のポジションを保ったまま動いてみる。
①歩く
②膝を曲げる(頭の高さを変えずに)
バレエポジションで。
①第1ポジションに立つ
②プリエをする(頭の高さを変えずに)
③タンジュをする
試行A+Bをつくり、高さも保持したまま動いたら、
・いつもより姿勢が良くなる
・首が長くなる
・ウエスト回りがピッと張って薄くなる
・視界が広がる
・頭が上下せず、安定する
これらを感じ取れることだろう。
”頭の高さを変えずに” という注意書きをしたが、試行A+Bのポジションが保たれていたら、意識しなくても、高さを変えずに動くことができるようになる。
特に、頭のポジションを変えずにプリエすることができるようになると、プリエが次の動作のためのエネルギー源となり、ジャンプや回転がやりやすくなる。
まとめ:メソッド、スタイル共通の原理
あなたに大事なことをお伝えしよう。
この記事で取り上げた “頭のポジション”を保ったまま動く” は、バレエの「原理」であるということだ。
バレエでは、頭の上下運動は極力抑えなければならない。
キトリのヴァリアシオン。
中間でパッセの連続をする振付がある。
偉大なダンサーは、頭の高さが上下することなくルルヴェを繰り返す。
こうしたところに、バレエの「不思議な魅力」が隠されているのだ。
話を戻そう。
そう「原理」であって、原則や基本とは似て非なるものだ。
つまり、原則や基本と違って、メソッドやスタイルに左右されるものではない。
「バレエ」と呼ばれるものであれば、どんなメソッドでも、どんなスタイルでも、頭のポジション(高さを含める)は変えない。
傾けるにしても、このポジションを可能な限り崩さないという条件付きである。
あなたがどんなスタイルのバレエをするにしても、これが「素」となる。
さらに強調するスタイルはあっても、弱めるものはない。
これだけ大事なのだから、ぜひ「身につけたい」。
レッスンで気合を入れて取り組むのもいいが、試行A+Bが取れるのであれば、普段の生活に取り入れて「反復練習」の回数を稼いでしまおう!
・ちょっと外に出るとき。
・会社から最寄り駅までの移動。
・大通りを歩くときだけ。
あるいは
頭のポジションをとったまま、軽く膝の曲げ伸ばしをしてみるなど。
その程度でいい。
週1回のレッスンより、効果的なのは確か。
これが、引き上げの一要素である。
正しい頭のポジションは、ティアラ(頭につける冠)がもっとも、キラキラ輝く。
そして、バレエのときだけでなく、普段のあなたも、見栄え良く輝くだろう!
頭のポジションをとって
歩いてみよう!