おニャーさんの部屋へようこそ。
バレエをもっと好きになろう!
ワガノワメソッドを確立した “アグリッピナ・ワガノワ” 先生は、こんな言い方をしている。
トゥールの技術のなかに含まれている脚の全ての動きを、段階を追って学んでいかなければ、生徒はぞんざいでいいかげんなやり方を容易に身につけてしまう。
「ぞんざいに」しっかり心に留めよう。
個人的には、ワガノワメソッドも他のスタイル同様、メリット・デメリットがあると思っているが、それはさておき、このツイートを見ていただこう。
ピルエットの周り終わり「直前」にルティレを一瞬高くしてからフィニッシュします。とても余裕がある、美しいピルエットに変わります。降りる直前に膝を上げる。つまりこれが「伸びる」ということ。本当に体を伸ばすと、体のフォームが崩れます。先生の感覚と実際は別である例。変換が必要🍎
— 大人のバレエ上達 JBPおニャーさん (@junkotomono) June 28, 2021
ピルエットに限った話ではないが「フィニッシュ」というのは、その全ての印象を決定付けてしまうほど、重要項目である。
学生の頃、稽古を付けてもらっていたコーチがよく言っていた言葉。
字の如く…というよりは、「それまでがどんなに良くても、フィニッシュがよくなければ台無しですヨ」の意味。
ピルエットアンディオールのフィニッシュについて、詳しくお伝えしよう。
【解説】ピルエットが不安なあなたへ【バレエらしくなる1つの方法】
知っておくと便利なこと
▶︎ピルエットアンディオールをおさらい。
・その1:左足前 第4ポジションのプリエ
・その2:右脚がルティレ+左脚はルルヴェの形で右回り
・その3:右脚を後ろに引いて、広い第4ポジションでフィニッシュ
今回の課題は “その3”
その前に、整理しておきたいことを片付けよう。
▶︎ルティレとパッセ
膝を折り曲げた状態で引き上げ、つま先を支持脚につけた状態。
実際のレッスンでは、ルティレでもパッセでも、大方、問題はない。
細かいことを言うならば、こんな感じ。
・ルティレ=ポジション、形
・パッセ=通過するというムーブメント
よく「ルティレを通過するのがパッセ」と解釈しているのを見かける。
間違いではないが、語弊がある。
なぜなら、パッセとは「ルティレを通過する動きとは限らない」から。
その証拠に、ジュッテパッセではルティレの形は登場しない。
私がWSで使い分けているのは、こうした事情があるから。
意図がわかるのであれば、分けた方が正確に意味が通じる。
▶︎今回の課題であるピルエットのフィニッシュ。
主役は、ルティレではなく「パッセ」。
「伸びて〜!」何を見せたいのか?
回り終わりに、バレエの先生はよく「伸びて〜!」と叫ぶ。
「ヤッホー!」並みに定番。
回答:余裕のあるフィニッシュ
▶︎”バレエ=一生懸命やってます” 感が出るのはダメ。
・ジゼル2幕、ウィリ達が「がんばってます感、満載」だったら?
・オーロラ姫が「がんばってます感、満載」だったら?
・シルフィードが「がんばってます感、満載」だったら?
ずいぶん、ガテン系な印象に変わる。
体は伸ばさない
実際には、伸ばしちゃいけません。
▶︎実は、ここがピルエットのミソ。
核心がここにある。
ピルエットで表現したいのは、回ることではない。
なんだろう??
WSではすでにお話し済み。
忘れちゃった・まだ聞いてない・知りたい!
はい、直接聞いてください。
一言でお答えします。
フィニッシュで軽やかさを
最大のポイントはコレ
フィニッシュを「バレエ」にする。
そのカギを握るのが「ルティレ→パッセ」
青いマルにルティレのつま先がついているとする。
▶︎このつま先をどう下すのかがポイント。
動作足のつま先は、支持脚の腿を斜め上方に横断する。
図を作ってみたが、どうにもコレが限界。
やはり、対面に敵うものはない。
▶︎「横断」がポイント。
いわゆる「伸びて〜」がコレ。
▶︎フィニッシュ抜群なダンサーがいる。
伝説の「ユーリ・ソロヴィヨフ」
彼以上のテクニシャンは、いまだ現れない。
彼以上の「完璧な技術」を持ったダンサーは、いまだ現れない。
人間離れした高い技術力を有したダンサーだが、それだけにとどまらない。
こうした「ディテール」が、宝石のように散りばめられているのだ。
▶︎脳内バレエをしよう。
・その1:プレパラシオン 第4ポジションのプリエ
・その2:右脚ルティレ、左脚ルルヴェで右回りがはじまる
・その3:パッセ
・その4:着地
イメージができたら、シミュレーションへ。
ルティレ→パッセの確認を回らずにやってみよう。
そこまでできたら、いよいよレッスンでの「実験」だ。
[prologue step♪]
脳内バレエを3回。
タイミングも
シミュレーションしてみよう!