両方のつま先が外へと広がった第1ポジションは、まるで、あなたの気持ちが外へ外へと広がっているかのようです。
内に秘めた思いが、第三者に届く。
そんな第1ポジションを取ると同時に、あなたの気持ちも外へと広がりたい。そのためのお手伝い。この記事でわかりやすく解説します。
ケース別 あなたにぴったりの対策
同じ悩みでも状況によってベターは変わります。
あなたの1分1秒を大切にするためにも、あなたにぴったりの対策をしましょう。
ケース1:固い+開けない
まず、ストレッチなどをしたときに【固い】プラス【第1ポジションが開けない】というケース。この場合、”固い” というのが何を基準にしているのかが問題になります。
バレエをしていると、ついバレリーナの可動域を求めたくなります。その気持ちはわかりますが、大人の場合、バレエに特化した生活をしているのではないことを忘れてはなりません。
あなたの快適な生活が壊れるようなことがあってはならないのです。
(将来、早い段階で杖が必要になったり、脚を引きずるような状況をあなた自身が作り出してはなりません)
一方で、可動域が足りない・柔軟性が足りないのも事実です。その基準は、正しい関節の可動域です。(*)
「この可動域があると健康ですよ!」という可動域は、確保しましょう。
バレエだけでなく、あなたの健康のためにも!
- 関節が必要とする可動域を確保するためのストレッチをしましょう!
【指導者の方へ】
*正常可動域のことを指しています。
正常可動域が足りない=どんなに正しい指導をしても、正しく動けることはありません。
正常可動域が足りない状態で正しく動こうとしても、対応できない分をどこかで補おうとしてしまいます。(代償運動)
その場合は、指導が適切かどうかよりも、正常可動域の確保を先にしなければなりません。
各パーツの正常可動域の範囲については、然るべき、解剖学書やできれば運動学書をご覧ください。
ここに該当する場合は、積極的にストレッチをしたいんだね。
とはいえ、どのくらいを目指すのかを知っておかないと、目安がわからないね!
ケース2-1:ストレッチの可動域あり+開けない
”第1ポジションに立つと、ストレッチをしたときの開き具合が出ない!” という場合には、2通りのことを考えなければなりません。
まず、1つ目は同じ可動域でも2種類あります、ということ。
例えば、あなたがマッサージなどのメンテナンスに行ったとしましょう。
そのときに、治療家があなたの脚を持って、ストレッチをしてくれました。
いわゆるダラーッと脱力した状態で、体を伸ばします。
この状態とても開きやすいので「ここのマッサージ受けたから柔らかくなったんだ!」と勘違いしてしまいそうですが、違います。
いわゆる脱力(弛緩)した状態でストレッチをすると、確かに可動域は広がりますが、イコール、立ったときにも得られ可動域ではありません。(*1)
バレエで求められるのは、あなた自身がオペレーションによって開ける可動域です。(*2)
- 立ったときに自力で開く “筋力” をつけましょう。
【指導者の方へ】
*1…他動運動=開脚運動で背中を押してもらうように、自分の意思以外のもので運動をする。
*2…自動運動=自身で筋を収縮させて運動をすること。
一般的には、他動運動よりも、自動運動の方が可動域が減る傾向にありますが、体の動かし方が上級になってくると、逆転現象が起きます。
つまり、ストレッチでは固いが、立ってポジションをとったり、動きの可動は広いという現象です。ただし、この場合でも正常可動域は確保されていることに注目です。
滅多にありませんが、頭の片隅に入れておくと、指導の現場で役立つときがあるでしょう。
ケース2-2:ストレッチ・筋力の可動域あり+開けない
”ストレッチでの可動域もあるし、立ったときの筋力もある。なのに、開けない!”
もう、打つ手はないのかと思ってしまいそうですが、大丈夫です。JBPなら!!まだ、あなたができることはあります。
このケースでの課題は【重さの分散】です。この辺りからは、体の条件・資質云々というよりも、テクニカルな課題になります。
つまり、本来、バレエの先生が指導できるのはここからです。そして、先生はここから、子供と大人の指導の違い(*1)を明確に理解した上での指導が必要とされます。
重さの分散をするために、あなたと先生だけでも取り組めることをピックアップしておきましょう。全てではなく、心当たりをトライしてみます。
- 内腿を寄せましょう。(*2)
- おしりを引き締めましょう。(*3)
- 胸骨をやや後ろに倒しましょう。
具体的には、脚と脚の間がピッタリくっついているか、おしりを寄せているか、上体が被っていないかをチェックしましょう。
【指導者の方へ】
*1…年齢的に中学生くらいから、大人用の構えに移行することが望ましいです。(生徒の体の成長度による)
*2…内転筋のこと。ハムストリングスではないので注意。
*3…大殿筋のこと。外旋六筋ではないことに注意。
内転筋と大殿筋は、体重をとどめる役割を果たしています。ここの働きがなかったり、緊張がない場合、腰から下へ重さがかかり続けます。(=可動域が減る、怪我のリスク高)
まとめ
同じ “第1ポジションが開かない” という悩みであっても、あなたの状況によって対策が変わります。
立位での可動域を広げたいと思うとき、誰もがストレッチで解決できるわけでも、誰もが筋トレ・筋力で解決できるわけでもありません。
また、ボーダーラインや基準が非常に曖昧です。基準や目安を持つことは、次へのステップへと進む判断にもなります。
- あなたの原因にあった対策をしましょう。
- 第1ポジションを例にしましたが、立位でのポジションや動作、全てに共通しています。
- 同じ悩みでも、状況によって対策が変わることを認識しましょう。
【Thank you】
JBPでは、大人の方が最適に踊れ、かつ、今後の日常生活にも望ましい基準を定めています。あなたのバレエやバレエクラス、バレエ指導の基準にしましょう。
あなたが基準に沿ってレッスンすることは、バレエを愛する全ての大人に向けて、本当のバレエを、安全で適切な基準と方法を提供することにつながります!
ファーストステップ♪
あなたが必要としているタイプを見つけよう!