常に働き続けるバレリーナの筋肉

バレリーナ筋と言っても過言ではない三角筋。これほどまでに重要なのに、あまり聞き慣れない名前かもしれません。

とはいえ、その知名度とは裏腹に体幹と腕を繋ぐ大事な役割を担っています。そして大人の場合、確実にボトルネックになっている項目です。

この記事では、バレエにとって大切な三角筋の紹介と役割、大人が抱えている課題について解説します。最後まで、しっかり読んでくださいね!

三角筋って何?

百聞は一見にしかず。バレエレッスンで実用的なのは、“厳密であっても時間のかかる把握“ではなく、「おおよそここ!」とパッと認識できること。

レッスンは、なかなかのスピードで進んでいきます。あなたの認識時間を待ってくれるわけではありません。

ということで、パッと認識できる知識をつけましょう!

これが三角筋

どのバレリーナたちも発達している三角筋。今回は、マリアネラ・ヌニェスの静止画を参考にします。

たくさんいるバレリーナの中でも発達度が確認しやすく、それゆえに、抜群の体幹の強さ・安定感、テクニックを見せてくれるダンサーです。

ピンクの丸で囲んである、帽子がかぶっているような筋肉が三角筋です。

もう1枚みてみましょう。何気ない瞬間でも、この帽子をみることができます。

バレエポジションとの関係

ではなぜ、バレリーナは三角筋が発達しているのでしょう?その理由は、腕のバレエポジションの性質にあります。

言い方を変えるなら、三角筋が発達していないということは、適切な腕のバレエポジションが取れていないということ。つまり「三角筋が発達していない=バレエポジションが取れていない、性質を満たしていない」

大人が成長する「タネ」がここにあります。

バレエポジションを知る

三角筋の謎を紐解くには、バレエポジションを知ること。ここでいう「知る」とは、「バレエポジションの外見だけでなく、性格も知ってあげましょう!」という意味。

つまり、“構造“です。

腕のバレエポジションの性質

  • 腕は必ず、外転と回旋をしている
  • そのため、三角筋は常に働いている

「適切なポジションを取るから、三角筋が働く」とも言えますが、「適切なポジションを取れるだけの三角筋の働きがあるから、ポジション自体を取れる」という見方もあります。

大人に求められるのは、まず後者。次に前者。

正しい方法を知っても、三角筋が労働放棄してしまったら、その方法を取ることはできないからです。

身近な指導言語で

このバレエポジションの性質を聞き慣れた指導言語に変換してみましょう。

例えば、「外転」を言い換えると…

  • 脇を上げて
  • 腕を体から離して/つけないで

最もわかりやすいのは、アンバー(プレパラシオン)でしょう。こぶし1つ分ほど、脇の下に入る空間を作るように習ったはずです。

体に腕をピッタリつけた状態から、こぶし1つ分腕を離した状態は「外転」になります。体から腕を離そうとする外転という働きは、バレエポジションを作っている間、常に働いています。

では、次に「回旋」を言い換えてみましょう。

  • 肘の向きをとって/外側に向けて
  • 肩を回して
  • 肘から手首までを水平に保って

腕と手のポジションは、足ほど厳密な「お約束」があるわけではありません。ですが、実は、足や脚よりも複雑な構成になっています。

ここが、正しくポジションをとっているつもりなのに、どことなく「お遊戯会」から脱出できない理由の1つ。腕や手は足と比べて、とても器用に動く分、コントロールが難しい。決して、今日からはじめる入門者向けの内容ではありません。

適切なバレエポジションを取る第一歩、大人の場合は、必要な筋肉の活動をリスタートすること。休眠していた三角筋を叩き起こしましょう。それでも足りなければ、補充をします。

三角筋が働かないデメリット

ペラペラに筋肉が痩せ衰えているケースが多い三角筋。

今現在、あなたの三角筋も「労働拒否」をしているかもしれません。だとしたら、三角筋の労働放棄によるデメリットが生じているはずです。

  • 腕の重さで脇が潰れる
  • 腕自体に振り回される(動作自体が失敗する)
  • 体幹が弱い、くにゃくにゃ動いてしまう
  • 品がない、お遊戯会のような印象
  • 腕だけバサバサ動いているように見える

要するにマリアネラの踊り方を全て「逆」にしてみると、デメリットがわかりります。多かれ少なかれ、あなたにも心当たりが必ずあるはずです。

まとめ

バレリーナが発達している三角筋。大人はなぜ、ペラペラで痩せ衰えているのか。

それは、三角筋という筋肉が “バレエポジションの性質に欠かせないものでありながら、その性質を欠いている“ という理由にあります。

バレエポジションを正しく取れるだけの、適切な部位の適切な筋活動ができる「出力」を身につけること。ボトルネックになっているだけに、改善することでの全身への効果が期待されます。

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