第4ポジションのプリエ|大転子出っ張りとの関係を紐解く

しゃしゃりでるモノを
黙らせる事も
体のしつけである。

 

本ページに記載の(図)に関しては、大雑把にイメージするものとして書いてある。
厳密な詳細については、専門のイラストなどをご覧いただきたい。
ここではあくまで、大まかなイメージ図として掲載していることをご了承いただく。

 

序論:汎用性の高い第4ポジション

第4ポジションは、実に、実用的なポジションである。

構造的な意味を含めると、第5ポジション以上に、バレエ動作を生み出している。

 

また、ピルエット・アンディオールでのプレパラシオンとなる事が、非常に多い。

第4ポジションのプリエが不十分であると、ピルエット自体が不安定になる。

 

本稿では、第4ポジションにおける、プリエの注意点について述べる。

 

 

 

本論:第4ポジションのプリエ|大転子出っ張りとの関係を紐解く

本論1:大転子とは

まず、本稿で使用する用語を整理する。

大転子の位置を確認しよう。

 

大転子とは、大腿骨(フトモモのホネ)外側に出っ張った、一部分を指す名称である。

 

 

股関節と勘違いしやすいが、あくまで、大腿骨の一部である事を把握しよう。

 

 

 

位置を確認する。

 

腰骨から、斜め外側、下方に辿っていくと、大転子がある。

脚を曲げ伸ばしするなどして、大きく動かしてみると、出っ張ったり、凹んだりするので、分かりやすい。

 

 

 

 

本論2:アプローチの違い

大転子が出っ張っている、飛び出している状態は、バレエにとって望ましい状態ではない。

 

フトモモや脚の付け根が引け、内側に閉じてしまうからである。

要は、アンディオールが出来ていない、という事だ。

 

・付け根を引かないで!しっかり伸ばして!

・お尻を閉めて!

 

これらの指導言語には、”大転子が出っ張る事により、脚が引け、アンディオール出来ていないので、これらをやってみる事で改善するように” という意味が込められている。

 

 

 

前者は、体前面から、後者は体後面からのアプローチとなる。

指導者が明確な目的と意思を持った上での提案であれば、どちらも正しい。

アプローチの違いである。

 

原因が同じだったとしても、指導の現場においては、こうしたアプローチの違いがある事も知って欲しい。

この場合、指導言語が違ったとしても、どちらかが間違っているわけではないのである。

 

 

 

本論3:第4ポジションの作り方とプリエ

第4ポジションのプリエでは、とかく、この大転子が出っ張りやすい。

井戸端会議が好きで、どこにでもシャシャリ出てくる人のように、隙あらば、その存在を出そうとする。

 

ピルエットでのプレパラシオンで、すでに大転子が出っ張った状態をしているのであれば、ピルエットは失敗に終わるだろう。

回りながら立て直す事は出来ないし、立て直す事自体、ピルエットの法則に反するのである!

 

 

 

まず、第4ポジションをとってみよう。

ここでのポイントは、後側の大転子にある。

つまり、右足前の第4ポジションなら左の大転子、左足前の第4ポジションなら右の大転子が重要だ。

 

後側の大転子の位置に掌(テノヒラ)を当ててみよう。

 

試しに、お尻を突き出してみると、大転子が出っ張るはずだ。

もちろん、これは悪い例である。

 

では、骨盤を起こし(後傾方向に働かせ)、大転子を前方に押し出してみよう。

正しくできていれば、大転子は影をひそめ、出っ張りがなくなる。

 

この状態で、膝を外へ、横へ広げ、プリエをしてみる。

最初は、少しずつ、確認しながら実験してみよう。

 

これが、アンディオールを保った、第4ポジションのプリエであり、ピルエットのプレパラシオンとなるのである。

 

 

結論:アンディオールという組織を構成する要素

アンディオールは、極めて複合性の高い指導言語である為、大転子をしまう事ができれば、アンディオールが出来ている、という事は出来ない。

 

その上で、大転子をしまうという事は、、アンディオールを構成する要素を満たす事を知って欲しい。

 

 

ピルエットの前、大転子が出っ張っていないか確認してみよう。

センターレッスンで、順番待ちをしている間、ひっそりと復習するのである。

大転子がしっかり隠れたならば、そのまま、ルルヴェしていく。

 

 

出来ない事には理由がある。
理由がわかったら、次のレッスンで実験する事を楽しみにしてみよう。
成功も、失敗も、必ず得るものがあるはずだ。

 

 

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