骨盤|バレエレッスンで使われる3つの場所の探し方

自分の体で探してみよう。
必要なのは、
雑学ではなく、”知識”である。

 

序論:より限定するために用いられる用語

骨盤のプレースメントについては、バレエレッスンでは度々、耳にする事と思う。

上半身と下半身を繋ぐユニットであり、それ故に、骨盤のポジションは全身に多大な影響を及ぼすからである。

 

教師が、より的確に伝えようとする時、その範囲は、より限定した言い方となる。

つまり、”骨盤”ではなく、”骨盤を構成するある部分”の名称で指示を出す。

 

この場合、”ある部分”を把握していないと、そもそも、何を伝えたいのかが不明なままとなってしまう。

 

本稿では、バレエレッスンで登場しやすい、骨盤を構成する”ある部分”について述べる。

 

 

 

本論:骨盤|バレエレッスンで使われる3つの場所の探し方

本論1:実用性が重要である

筆者は、この手の類を、骨模型や解剖図等で学ぶ事は推奨していない。

これらが悪いわけではなく、目的による。

 

骨模型や解剖図は、正確性に欠けるものも多い。

どこが不正確なのか把握できるだけの知識がないと、間違った[雑学]として覚えてしまう恐れがある。

 

骨模型を見ていると、さも、骨が自由に動いてくれるような錯覚を起こす。

実際には、靭帯や腱、筋などが付着している為、そうはいかない。

加えて、生きた人間が重力や体重といった重さの影響を受けている事を加味していない。

 

そういうものなのだ。

これらが悪いわけではなく、あくまで目的によるのである。

 

インターネットが発達した昨今では、お手軽な解剖図などは検索すれば、直ちに手に入れる事ができる。

これで、十分かと思う。

 

 

重要な事は、自分の体で、どこが何と言われているところなのかを把握する事である。

ここが出来ていなければ、どんなに知識があったとしても、使い物にはならない。

 

従って、本稿では実際に自分の体を使って、場所を特定していく事とする。

 

 

 

本論2:腸骨の探し方

寛骨を構成する大きな骨である。

繰り返しになるが、大事なのは、実際の現場で使えるように、把握しておく事である。

 

事件は、会議室で起きているのではない。
現場で起きているのだ、というワケである。

 

では、早速探してみよう。

すぐに見つかる事と思う。

 

 

学校の体育の授業で「前へならえ!」は、やった事があると思う。

その時、一番前にいた人は「手を腰」に当てる。

 

その際に、手に腰骨が当たる事だろう。

これが、腸骨(チョウコツ)である。

 

ドン・キホーテやパキータなどでも、この手は頻繁に登場する。

あの時に、手に当たっている骨だ。

 

ドン・キの骨とでも、覚えておこう。

 

 

 

本論3:恥骨の探し方

この用語は、レッスンで耳にする人と、全くそうでない人に、分かれるかも知れない。
(文字の印象で、抵抗がある人もいるだろう)

 

それは、前提として理解できるが、骨盤を”位置を取ったらひたすら動かないようにする”のであれば、ともかくとして、バレエでは”骨盤は必要に応じて動くもの”である。

その際に、重要な目安となるべき骨である。

 

分かりやすいのは、大きな動きになるであろう。

グランバットマンのように、高く脚を上げる動作では、骨盤は傾くのが正解である。

大人の場合、傾きが足りないために、本来上がるところまで、上がりきっていない人が非常に多い。

 

とはいえ、バレエの概念として、骨盤の動きは、最小限度に留めているように見えなければならない。

その際に、骨盤をただ動かすのではなく、どのように動かすかという手段がポイントとなる。

この時に、恥骨は重要な役割を果たしていく。

 

 

それでは、恥骨(チコツ)を探してみよう。

 

手指で鳩尾(ミゾオチ)を触れ、そのまま、下方に滑らせていく。

最も下まで到達した時、手に当たる骨が恥骨である。

 

恥骨は、鳩尾の遥か下、と覚えておこう。

 

 

 

本論4:坐骨の探し方

バレエレッスンでは、メジャーな用語かと思っていたが、場所違いしている人がいるらしい。

頻繁に使用する先生もいるので、ここはしっかりと把握したい。

 

坐骨(ザコツ)とは、いわゆる、椅子に座った時に当たるお尻の骨のことで、左右二箇所に存在する。

”お尻のお肉が邪魔をしてわからない!”という人は、もう1つの探し方を試してみよう。

 

三角座り(体育座り、体操座り)をし、額を膝につけるように、背中を丸める。

こうすると、床への接地面積が減るので分かりやすくなる。

床に当たる、2つのお尻の骨を見つけよう。

 

この他にも、立位で膝を曲げ、お尻を突き出した状態で手で探してみる、などもあるが、大人の方には、三角座りの方が分かりやすいかと思う。

 

 

 

結論:自分の体で見つける

骨盤は、大きなユニットである。

それ自体を単体として捉えた方が良い場合と、目安となる位置を、より特定して捉えた方がベターな場合とがある。

 

3つの用語と場所はを把握しておくことは、骨盤の動きを捉える際び手助けとなる。

ぜひ、あなたの体で探してみて欲しい。

 

 

参考:骨盤に関連したこちらの記事も、どうぞお読みください。

バレエの通訳|2つの骨盤水平

テクニックの分かれ道|第1ポジション通過のポイント

 

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