「胸」を使った言葉には、実に “感情を表すもの” が多い。
・胸を張る
・胸が痛む
・胸がつまる
・胸が晴れる
・胸が裂ける
バレエでは、どのような感情や様子を表すのだろう。
もちろん、登場人物のキャラクターや感情によっても変わる。
では、レッスンで最初に身につける「様相」とは?
・こそこそした感じ
・絶望的で悲しい感じ
もちろん、これではない。
「堂々とした佇まい」これだ。
これがベースにあって、さまざまな在り方を学んでいく。
いつもコーチが言っていた。
「堂々と、正々堂々と。」
そう、バーレッスンのときから言っていた。
これが「基本」である。
決して “コソドロ” のように見えてはならない。
「ちょいと、ごめんなすって!」ではないのだ。
正々堂々としよう!
そのためのポイントは「胸」にある。
心を揺さぶられる”胸”のはたらき
老人姿勢になってるかも?
大人は、とにかく胸周りがカタイ。
先日も、肋間側方を伸ばすエクササイズを紹介したが、反る動きも圧倒的に足りない。
それには、理由がある。
⬇︎肋間を伸ばすエクササイズはコチラ
・パソコンやスマホを使うとき
・料理や掃除をするとき
・本や書類を読むとき
なんでも、手を前にしている。
料理をつくり、食べ、皿を洗う。
全ての工程で、手を「前」にしている。
そして、「人間歴」が長ければ長いほど、手を前にしていた時間が長いことになる。
手を前にしている・していた時間が長いと「胸はかたくなりやすい」のだ。
胸がかたいと、胸が落ちやすくなる。
すると、「老人姿勢」になる。
つまり、老けて見えてしまう。
胸が落ちると、重さが体の前に落ちるので、当然、上体が落ちる。
アラベスクなんて、持ってのほか。
胸がしなやかに動けるということは、日常においても、バレエにおいてもいいことなのだ。
ここで、あなたに知って欲しいことは、たった一つ。
人間歴が長くなるほど、何もしなければ、胸はかたくなるということ。
この流れを断ち切ろう!
6秒でリセット
もう、お馴染み?6秒エクササイズ。
・普段からバレエをしている人に見えたい人
・美しく、正しい姿勢をとりたい人
・上体を美しく使いたい人
・アラベスクやアティテュードをきれいにしたい人
・しなやかな、柔らかい動きをしたい人
例をあげたらキリがない。
もっというならば「健康でいたい」「美容に気をつかっている」人たちにだって必要なことであるし、人間であれば、どなたでも必要なことではある。
その上で、特に、特に、もう一度言おう。
“特に” バレエをするのであれば、重要視して欲しい。
話はこの辺りにして、さっそく6秒エクササイズをしてみよう。
[6秒エクササイズ]
スタート姿勢:頭の後ろで手を組む
①肘を前にし、胸を丸める…3秒
②肘を後ろにし、胸を反らせる…3秒
[Point]
・スタートの肘の位置は、最低でも耳の横。できれば、それより、後ろ。
①肘を前に突き出す+背中を後ろに突き出す
②肘はできるだけ後ろに開く。
[さらにGood]
②をするとき、頭で手を軽く押す。
肩甲骨が寄り、正しい位置に近づくことができる。
まとめ
胸を広げ、しなやかに動かす。
堂々とした佇まいになり、体のアライメントも整う。
それだけでなく、カンブレやアラベスクなどのバレエ動作にも大いに役立つ。
大人に多いのは、肩甲骨の位置が外に離れすぎていること。
胸を広げることは、肩甲骨がいつもよりも寄り、正しい位置へと近づく。
背骨の可動にもなる。
本当のスタートに立つために。
バレエをする「本当のスタート」に立つために。
6秒、やってみよう。
やらなきゃ何もはじまらない。
1回でもやれば、何かは変わるのだ。
1回でもいい。
3回できたら、さらにいい!