踵が低い、立ちきれない:足首とつま先の可動域

2022-1-足首可動域

あなたの“疑問“は、正しいですか?

正しい答えを求める。

その前に、正しい【疑問】でないと、道は逸れるばかりです。

あなた自身を観察

つま先を伸ばすことと、ルルヴェあるいはトウシューズでポイントに立つ。

この2つの行為には、密接な関係があります。

あなたの頭の中をよーく整理しましょう。

実験1

あなたの足がどのくらい伸びるか、確認してみましょう。

やってみよう

  1. 長座になり、第6ポジションをとる(膝をしっかり伸ばす)
  2. 足首、つま先を伸ばす
  3. さらに、つま先を床方向に下げる

よくわからなかったら、あなたが思う限界まで“つま先を伸ばす“でOKです。

このとき、手を使ったりせず、足の力だけで伸ばします。

これが、あなたが自分で伸ばせる範囲です。(自動運動、アクティブムーブメント)

実験2

では、つま先などを手で押さえてみましょう。

他の人にやってもらうと、わかりやすいかもしれません。(怪我をしない程度に気をつけて)

すると、先ほどの実験1よりも、つま先が伸びて可動が広がったと思います。(他動運動、パッシブムーブメント)

可動域には変わりないのですが、実験2の方は、足以外の力によって伸ばされているだけです。

つまり、実際に立ってバレエをするときに使う可動域は、実験1の範囲までです。

これ以上、可動を広げたい、つま先を伸ばせるようになりたいのであれば、少なくとも、実験1の状態での可動を確保する必要があります。

【あわせて読みたい 自動と他動】

立ちきれない理由と甲が出ているトリック

ルルヴェで足首が伸びず、くの字のようになってしまう。

トウシューズで立ちきることができない。

「引き上げやアンディオールをすれば…」申し訳ありませんが、そんなに甘くはありません。

【そもそも】ということ、お忘れではありませんか。

あなたができる“まっすぐ“

実験1で自力で伸ばした足を写真にとってみましょう。

その写真をつま先が下になるように、方向を変えてみます。

これが、ルルヴェなりトウシューズで立ったとき、あなたが最大にまっすぐ立てる状態です。

きっと、この時点で足首が引けてしまっていたり、まっすぐに立てる状況にないケースがほとんどでしょう。

実験1での可動が確保できない限り、正しくまっすぐ立つことはできません。

可動を確保しない状態で、引き上げをしても、アンディオールしても、立てるようにはなりません。

「いえいえ、ルルヴェやトウシューズならこれ以上、甲が出るし、まっすぐ立てます!」と何処かから声が聞こえてきそうです。

それが、恥ずかしいこととは知らずに。

“できている“ではない

ルルヴェやトウシューズでのポイントの際、実験1の範囲を超えて“甲が出ている、つま先が伸びている、踵が上がっている“ということは、自分の力以外のものが働いているということ。

つまり、【体重】です。

重さによって、甲を出したり、つま先を伸ばすのであれば、重さは重いほど効果が出ます。

つまり、重いほど、甲が出やすい。

自分の実力ではありませんし、もちろんテクニックとして間違いです。

そして、これが全ての怪我の原因にもなっていますし、足首がグラグラするなど、動きが不安定な理由です。

甲が出ていたら、足首が伸ばせていたら、全てOKなわけではありません。

甲が出て、足先が伸びているのに先生は褒めてくれない、生徒を依怙贔屓している。

いいえ、そうだとしたら、依怙贔屓ではない可能性、大いにありです。

ここが大事

あなたも一緒に、整理してみましょう。

アイテムがあなたにあっているかどうかを考える前に、そのアイテムを使いこなせる体の機能を持ち合わせているのか。

モノのせいばかりすることは、職人さんに失礼です。

大人だからこそ、これはやめましょう

可動域が足りないことが原因で立ちきれない、ルルヴェが低いのであれば、解決法は【可動域を広げること】です。

はっきりしているので、難しいことではありません。

何をしたらいいのかわからないケースの方が、よほど難題です。

よく、立ちきれない、動きにくい、思い通りにいかないことをバレエシューズやトウシューズのせいにして、シューズジプシーになっているケースを見かけます。

これは、とても恥ずかしいことです。

シューズメーカーにとって、バレエ用品店にとっては、いいお客さまかもしれません。

けれども、それ以上はありません。

大人だからこそ、こうしたことにはしっかり冷静に対応しましょう。

恥ずかしいことに慣れてしまうと、恥ずかしいと思わなくなってしまいます。

そうなる前に、一度、整理しましょう。

効率よく!最適な順序はコレ

効率よく可動域を確保するためにも、適切な順序を取り入れましょう!

  1. マッサージ、足を触る
  2. ストレッチ
  3. エクササイズ
  4. ワーク

①マッサージをしたり、こまめに足を触ることで、神経系の刺激を入れていきます。

また、固まってしまった足を動きやすくします。

②必要箇所(この場合は、つま先を含む足)のストレッチをし、可動域を確保します。

③エクササイズをし、あなた自身が動かすことで得られる可動域を確保します。
日常で必要な筋力をつけます。

④バレエに必要な筋力をつけ、バレエが目指す足の形を形成していきます。


【つま先のストレッチ こちらも参考になります】

ストレッチ末梢編表紙 テキスト『ストレッチ末梢編』

まとめ

つま先や足首を伸ばすとは、どのようなことなのかを整理しましょう。

なんでもかんでも、引き上げやアンディオールで解決はできません。

それぞれ適切な方法をとっていれば、必ず、改善方向に向かいます。

あなたの努力が形になるように、一緒に取り組みましょう。

  • 自動と他動の可動域の違いを認識しましょう。
  • バレエで使われる可動域は、最大で自動での可動域です。(実際には、これより狭い)
  • トウシューズで立ちきれない場合は、まっすぐ立てるだけの可動域を確保できているか確認します。
  • 可動域が確保できていない状態で、シューズを変えても立てることはありません。
  • ストレッチで可動域を確保した上で、エクササイズやワークに取り組みましょう。

ファーストステップ♪
自分の足の力だけでポイントをしてみよう。

【参考:基本動作を徹底的にブラッシュアップ!】

【Thank you】


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