あなたの“疑問“は、正しいですか?
正しい答えを求める。
その前に、正しい【疑問】でないと、道は逸れるばかりです。
つま先を伸ばすことと、ルルヴェあるいはトウシューズでポイントに立つ。
この2つの行為には、密接な関係があります。
あなたの頭の中をよーく整理しましょう。
実験1
あなたの足がどのくらい伸びるか、確認してみましょう。
やってみよう
- 長座になり、第6ポジションをとる(膝をしっかり伸ばす)
- 足首、つま先を伸ばす
- さらに、つま先を床方向に下げる
よくわからなかったら、あなたが思う限界まで“つま先を伸ばす“でOKです。
このとき、手を使ったりせず、足の力だけで伸ばします。
これが、あなたが自分で伸ばせる範囲です。(自動運動、アクティブムーブメント)
実験2
では、つま先などを手で押さえてみましょう。
他の人にやってもらうと、わかりやすいかもしれません。(怪我をしない程度に気をつけて)
すると、先ほどの実験1よりも、つま先が伸びて可動が広がったと思います。(他動運動、パッシブムーブメント)
可動域には変わりないのですが、実験2の方は、足以外の力によって伸ばされているだけです。
つまり、実際に立ってバレエをするときに使う可動域は、実験1の範囲までです。
これ以上、可動を広げたい、つま先を伸ばせるようになりたいのであれば、少なくとも、実験1の状態での可動を確保する必要があります。
【あわせて読みたい 自動と他動】
ルルヴェで足首が伸びず、くの字のようになってしまう。
トウシューズで立ちきることができない。
「引き上げやアンディオールをすれば…」申し訳ありませんが、そんなに甘くはありません。
【そもそも】ということ、お忘れではありませんか。
あなたができる“まっすぐ“
実験1で自力で伸ばした足を写真にとってみましょう。
その写真をつま先が下になるように、方向を変えてみます。
これが、ルルヴェなりトウシューズで立ったとき、あなたが最大にまっすぐ立てる状態です。
きっと、この時点で足首が引けてしまっていたり、まっすぐに立てる状況にないケースがほとんどでしょう。
実験1での可動が確保できない限り、正しくまっすぐ立つことはできません。
可動を確保しない状態で、引き上げをしても、アンディオールしても、立てるようにはなりません。
「いえいえ、ルルヴェやトウシューズならこれ以上、甲が出るし、まっすぐ立てます!」と何処かから声が聞こえてきそうです。
それが、恥ずかしいこととは知らずに。
“できている“ではない
ルルヴェやトウシューズでのポイントの際、実験1の範囲を超えて“甲が出ている、つま先が伸びている、踵が上がっている“ということは、自分の力以外のものが働いているということ。
つまり、【体重】です。
重さによって、甲を出したり、つま先を伸ばすのであれば、重さは重いほど効果が出ます。
つまり、重いほど、甲が出やすい。
自分の実力ではありませんし、もちろんテクニックとして間違いです。
そして、これが全ての怪我の原因にもなっていますし、足首がグラグラするなど、動きが不安定な理由です。
甲が出ていたら、足首が伸ばせていたら、全てOKなわけではありません。
甲が出て、足先が伸びているのに先生は褒めてくれない、生徒を依怙贔屓している。
いいえ、そうだとしたら、依怙贔屓ではない可能性、大いにありです。
あなたも一緒に、整理してみましょう。
アイテムがあなたにあっているかどうかを考える前に、そのアイテムを使いこなせる体の機能を持ち合わせているのか。
モノのせいばかりすることは、職人さんに失礼です。
大人だからこそ、これはやめましょう
可動域が足りないことが原因で立ちきれない、ルルヴェが低いのであれば、解決法は【可動域を広げること】です。
はっきりしているので、難しいことではありません。
何をしたらいいのかわからないケースの方が、よほど難題です。
よく、立ちきれない、動きにくい、思い通りにいかないことをバレエシューズやトウシューズのせいにして、シューズジプシーになっているケースを見かけます。
これは、とても恥ずかしいことです。
シューズメーカーにとって、バレエ用品店にとっては、いいお客さまかもしれません。
けれども、それ以上はありません。
大人だからこそ、こうしたことにはしっかり冷静に対応しましょう。
恥ずかしいことに慣れてしまうと、恥ずかしいと思わなくなってしまいます。
そうなる前に、一度、整理しましょう。
効率よく!最適な順序はコレ
効率よく可動域を確保するためにも、適切な順序を取り入れましょう!
- マッサージ、足を触る
- ストレッチ
- エクササイズ
- ワーク
①マッサージをしたり、こまめに足を触ることで、神経系の刺激を入れていきます。
また、固まってしまった足を動きやすくします。
②必要箇所(この場合は、つま先を含む足)のストレッチをし、可動域を確保します。
③エクササイズをし、あなた自身が動かすことで得られる可動域を確保します。
日常で必要な筋力をつけます。
④バレエに必要な筋力をつけ、バレエが目指す足の形を形成していきます。
【つま先のストレッチ こちらも参考になります】
自分で動いて広がった可動域と、誰かに押してもらうなどして広がった可動域。実は、どちらも必要です。その上で、実際にバレエで使えるのは【前者の8割程度】大人の場合は5割くらいしか使えていません。可動域=バレエで動かせる範囲ではないので注意。この差を計算して、可動域を確保しましょう🍎
— 大人のバレエ上達 JBPおニャーさん (@junkotomono) January 5, 2022
つま先や足首を伸ばすとは、どのようなことなのかを整理しましょう。
なんでもかんでも、引き上げやアンディオールで解決はできません。
それぞれ適切な方法をとっていれば、必ず、改善方向に向かいます。
あなたの努力が形になるように、一緒に取り組みましょう。
- 自動と他動の可動域の違いを認識しましょう。
- バレエで使われる可動域は、最大で自動での可動域です。(実際には、これより狭い)
- トウシューズで立ちきれない場合は、まっすぐ立てるだけの可動域を確保できているか確認します。
- 可動域が確保できていない状態で、シューズを変えても立てることはありません。
- ストレッチで可動域を確保した上で、エクササイズやワークに取り組みましょう。
ファーストステップ♪
自分の足の力だけでポイントをしてみよう。
【Thank you】
JBPでは、大人の方が最適に踊れ、かつ、今後の日常生活にも望ましい基準を定めています。
あなたが基準に沿ってレッスンすることは、バレエを愛する全ての大人に向けて、本当のバレエを、安全で適切な基準と方法を提供することにつながります!