バレエでは、関心の高い股関節。
JBP今年のワークショップ開幕は「体作り」からスタートしました。
ここで、取り上げたのが比較的大きな関節たち。
その中でも、股関節は他のパーツと組み合わせてたくさん動かしました。
股関節の可動域を増やし、可動を広げるのに、効率的な方法。
あなたも一緒に整理してみましょう。
股関節では特にやりがち
こうした話になると「解剖学」に走りがち。
もちろん悪くはありません、適切に消化できるのであれば。
もちろん、私たち専門家は、専門用語を盛り沢山使えた方が説明しやすいです。
意味の範囲も限定できますし。
でも、「難しい言葉はうんざり、わかりにくい」という場合もあるでしょう。
ですから、この記事ではもっとフランクに、あなたに知ってほしいことをわかりやすい言葉を使ってお伝えしましょう。
まず、あなたに知ってほしいのは、筋肉というのは「収縮と弛緩のバランス」が大事なんだよってこと。
[アメとムチ]という言葉があるように、アメばっかり与えていたら筋肉はサボりぐせがついて、必要な分も働かなくなります。
そして、その必要な分の仕事は、やってくれそうな筋肉チャンたちに押し付けることで、なんとかこなそうとするのです。
一方、ムチばっかりでも「あいつはアメばっかりもらっていいな、なんであいつばっかり」と拗ねてしまいます。
股関節でやりがちなのがこれ。
股関節を動かす作用のある筋肉は複数ありますが、外に開くためのエクササイズやストレッチばかりしていると、ムチばかり与えられている筋肉チャンは拗ねてしまい、アメばかり与えられる筋肉チャンは、いつまで経っても働こうともしません。
ストレッチやエクササイズが逆効果になってしまう場合もあります。
大事なのはバランス。
あなたにとって「バランスの良い食事」が大切なように、筋肉チャンにとっても「バランスの良い教育」が必要なのです。
股関節は、社交的です
例えば、膝はどんな動きをしますか?
解剖学でどうこうではなく、日常思い浮かぶ範囲で考えてみましょう。
そう、この2つですね。
▶︎伸ばす
▶︎曲げる
感覚を言い表す言葉として使うことはあっても、日常の動作で「膝を回す」というのはありませんね。
一方で、股関節はどうでしょう。
ちょっと難しい言葉ですが、大きく6つの動きがあります。
覚えなくても大丈夫、たくさん動くんだなってことだけ認知しておいてください。
▶︎屈曲
▶︎伸展
▶︎外転
▶︎内転
▶︎外旋
▶︎内旋
しかもこの6つ、単独だけでなく組み合わさって動きますので、実際には6つにとどまりません。
ちょっと、難しいでしょうから、実際に体感してみましょう。
- 仰向けに寝る。
- 片膝を曲げて、手で持つ。
- 脚の付け根から円を描くように、手で動かす。
体は脱力で構いません。
力を抜いて、どんな動きをするのか観察してみましょう。
脚がぐるっと動きましたね?
この動きと膝の曲げ伸ばしを比べてみると、股関節が実に様々な方向に動けることがわかります。
この道一筋、というより、とても社交的な関節なんです。
アメとムチをバランスよく使って可動域を出す
最初にお伝えしたように、可動域を出し、大きく動かせるようにするには、アメとムチのバランスが効果的です。
バレエでは外に脚を回すからと言って、それだけしかやらないと、拗ねて余計固くなってしまうこともあります。
では、実際問題何をすればいいのでしょう。
日常的なエクササイズやストレッチでは、難しく考えなくても大丈夫。
例えば、内側と外側、曲げると伸ばすと言ったように、相反する動きをセットにしましょう。
外に開くストレッチをしたのなら、内側に閉じるストレッチも加えてバランスを取ります。
エクササイズも同様です。
特に、バレエにしている人に見受けられるのが、外側に開くストレッチばかりに偏りすぎて、かえって固くなっているケース。
努力している分、非常にもったいない。
効果的にストレッチしましょう。
ストレッチやエクササイズに慣れていない人は、もっと気楽にできるものからスタートしても構いません。
例えば、長座で前屈ストレッチをするのならば、脚の向きを
▶︎1番ポジション
▶︎パラレル
▶︎内脚
というように、ひと工夫するだけでもいいのです。
適切に工夫して、効果的に股関節の可動域を確保しましょう。
まとめ
股関節の可動を効果的に確保する方法について学びました。
JBPでは2月、ターンアウトに関するWSをご用意しています。
この記事に関連した股関節を動かす内容です。
ここまでをまとめましょう。
- 可動域確保には、「アメとムチ」のバランスが大切です。
- 股関節は、様々な方向に動きます。
- 動きのペアでエクササイズやストレッチをしましょう。
ファーストステップ♪
今日は寝るまでに股関節をぐるっと動かしてみよう!