「脚はなおせても、腕はなおせない」という言葉があります。
幾度となく耳にした言葉です。
それは「無理」という意味ではありません。
本人が良くしようとする意思を強く持てるか、行動に移せるか、と日常動作的な理由があるのです。
器用な分、変えるのは確かに難しいけれど
手や腕は、足や脚より器用に動きます。
日常生活でも、実によく動かします。
それゆえに、大人の場合、日常動作の「無意識に行われている癖」が抜けにくい傾向にあります。
癖がついている時間ほど取りにくいのは、あなたの想像通り。
つまり、年齢を重ねるほどアームスの癖は取りにくいというのは、事実としてあります。
その上で、手や腕というのは体重による影響がない分、股関節や膝、足首のように重さによる可動域制限に悩むことはありません。
しかも、たくさん練習しても怪我をするリスクが非常に少ないのです。
つまり、練習をできる環境ではあるけれど、足や脚ほど練習していなかったり、動かし方が間違っていることが、癖が取れない、バレエのルールに沿ったポールドブラができない原因です。
努力しているのかいないのか、素直に取り組んでいるのかいないのか、はっきりと表れてしまう、実に残酷なパーツです。
とはいえ、なおす意思と適切な動かし方、そして実践で、アームスの癖はなおります。
「なおせない」とは、身体的機能や技術的問題によるものではないからです。
ポールドブラの間違いの全てはここにある
腕を動かす際の間違いは全て、剛性力のなさ・低さからはじまります。
大人に多いのは、特に[アラセゴン・アンバ]を、腕の重さでぶら下げてしまうこと。
リラックスするというのは、余剰分の力を移動することであって、必要な力まで抜くことではありません。
“きちんと”ポジションを保てるだけのホールド力は、絶対的に必要です。
このホールド力で、ピルエットでの体を強く保ち、アダジオでバランスをとり、ジャンプの姿勢を保つのです。
また、剛性力のあるアームスがあって、手首や指先が意思に沿った動きをすることができます。
指先や手首の土台は、アームスの剛性力です。
では、剛性力チェックをしてみましょう。
これはペアで行います。
- アラセゴンを作る。
- 補助者は、4カ所を思いっきり押す。
→上腕の真ん中を上から/下から
→前腕の真ん中を上から/下から(補足参照)
肘や肩などの関節ではなく、上腕と前腕の真ん中を押してください。
押された時に、腕が動いたり、揺れたりしてはなりません。
力づくで保つのではなく、力の方向を正しくとりましょう。
関節は絶対に押さないでね!
まとめ
腕はとても目が行きやすい部位です。
演出的な装飾的動きではなく、基礎基本をしっかり押さえる事が【嫌味のない美しさ】を表現します。
JBPでは、バランスと腕の関係についてのバレエワークショップを行います。
アームスの剛性を邪魔する、末梢の引き込みの改善をし、体を長く張って動かすことを一緒に取り組みます。
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『癖を取る』“バランスと腕の関係・上半身の動き”ここまでをまとめましょう。
- 腕や手の動きの癖は、なおしにくいですが、あなたの行動次第で良くなります。
- ポールドブラは、たくさん練習しても怪我のリスクが少ないため、あなたの意思と実行力が問われます。
- 腕の剛性力をつけましょう。
あなたにクエスチョン♪
アームスの癖をとる、美しいポールドブラを得る。
必要なのは●●力!