まずは、受け入れることが必要だ。
自分自身を受け入れることが。
あなたは、自分に「嘘」をついていないだろうか。
本ページに記載の(図)に関しては、大雑把にイメージするものとして書いてある。
厳密な詳細については、専門のイラストなどをご覧いただきたい。
ここではあくまで、大まかなイメージ図として掲載していることをご了承いただく。
序論:なんちゃってバレエでは、済まされない
大人がバレエをする上で、”バレエのスタート” に立つために、必ず通るべき工程がある。
「必ず」と、念を押す。
つまり、大人であれば、”大人から始めたから” ではなく、プロも、指導者も、道ゆく人も、大抵当てはまるということ。
ただし、片脚になる時間が長いバレエでは、顕著に現れることも知っておくべきであろう。
本稿では、膝に関わる知識と問題点について述べる。
本論1:膝関節の構成
膝に関することを述べる前に、「膝」について知っておかねばならない。
あなたが思う、膝・膝関節とは、どこを指しているだろうか。
図を見てみよう。
・太腿の骨「大腿骨」
・脛の骨「脛骨」
・膝の”お皿”「膝蓋骨」
この3つの骨を把握してほしい。
(腓骨を記したが、本稿では省いて良い)
膝関節とは、次の2つの関節の総称である。
a:大腿骨と膝蓋骨で構成される「膝蓋大腿関節」
b:大腿骨と脛骨で構成される「大腿脛骨関節」
普段、「膝のお皿」と呼ぶ事が多い、「膝蓋骨」は、「種子骨」である。
種子骨とは、筋や腱の「中に」、形成される。
イメージとして、絆創膏を思い出してみると良い。
絆創膏のガーゼ部分が「膝蓋骨」である。
違いが把握できると、イメージがつきやすい。
膝関節が、「膝蓋大腿関節」と「大腿脛骨関節」で構成されていることは、知っておきたい。
本論2:大腿四頭筋の構成
大腿四頭筋は、いわゆる「前腿」と呼ばれ、膝を伸ばす作用を持つ。
その名に、「四」が付く通り、4つの筋で構成されている。
(ただし、機能的に、単独ではないもう1つの筋を加えて「五頭筋」であるという主張もあるが、覚える必要はない)
・大腿直筋
・内側広筋
・中間広筋
・外側広筋
この中で唯一、「大腿直筋」だけが、二関節筋(2つの関節にまたがり、作用する)であり、膝関節だけでなく、股関節にも作用する。
他3つの筋は、「単関節筋」(1つの関節に作用する)であり、膝への作用を果たす。
大腿直筋、内側広筋、中間広筋、外側広筋は、膝蓋腱(膝蓋靭帯)に “合流” し、脛骨に付着している。
本論3:膝のロック
”膝のロック” を、どう定義しているのかによって、望ましいものか、そうでないものか、見解が異なる。
ここを、正確に把握することは、何より大事なことである。
大腿四頭筋は、先に述べたように、膝を伸ばすという作用を持つ。
CKCで観察しよう。(注1)
図は、パラレルに立った時を想定している。
上の図は、大腿四頭筋(赤)が活動している状態であり、筋によって「膝を伸ばす」が、能動的に行われている。
当たり前のように思えるかもしれないが、日常生活において、このような能動的な「膝を伸ばす」は、ほとんど行われていない。
つまり、多くの人が「改めて、膝を伸ばすということを学ばない限り」、このような伸ばし方をすることが出来ない。
バレエを習っていると、「前ももの使いすぎ」を気にする人が多いが、実際には逆で、「大腿四頭筋を適切に使わないことによる筋力低下」が著しい。
「脚が太い=筋を使っている」という勘違いバレエから、早く抜け出すべきである。
ほとんどの大人は、筋活動によって、筋肥大を起こし、脚が太くなるほどにはなれない。
「知識を持って制すること」が必要である。
では、ほとんどの人は、どうなっているのだろう。
図を見て頂きたい。
大腿四頭筋の筋力低下が起こると、膝関節を能動的に伸ばす能力が低下する。
つまり、筋によって “膝を伸ばす” ことが、できない。
その為、膝に体重をかけることで「過伸展」を引き起こす。
これを、一般的には “膝にロックをかけた状態” という。
この定義での “ロック” であれば、一刻も早く解除すべきである。
膝裏がつっぱり、大腿四頭筋は「寄りかかり筋」になってしまう為、活動することできずに、太くなる。
膝の不調を引き起こし、時として、取り返しのつかない事態にまで発展してしまう。
間違った動かし方であり、これは「伸ばす」とは言わず、「逆方向に曲げている状態」である。
指導言語では「膝を押し込んだ状態」ということもある。
一方で、膝蓋骨が安定しないのも、大きな問題となる。
「膝を押し込まないで!」と言われ、膝を緩ませた時、不安定に感じるのはこの為である。
膝がリラックスしてはならない。
常に、一定の「緊張」は保つべきである。
大腿四頭筋の活動による、能動的な「膝を伸ばす」が必要不可欠だ。
その際に持つべき知識が「正しい膝のロックとは何か」ということである。
一般的な意味合いでの「膝のロック」は、間違っているが、膝は、ある種のロックがかかっていなければならない。
ここでは、大腿四頭筋の筋出力をチェックしてみよう。
<筋出力チェック>
椅子に座り、前ももに力をいれる。
(筋の長さを変えず=短くせずに、筋を活動させることができるか?)
・触ってみて、力が入ったことを確認できるだろうか?
・前ももに力が入っている体感があるだろうか?
結論:大人だからこそ
「大腿四頭筋を使うと、脚が太くなる」
何もしなくても筋力がついていく、成長過程の子供ならまだしも、大腿四頭筋を活動させることで(寄りかかりは除く)、脚が太くなることは、大人では考えづらい。
大腿四頭筋の発達なしに、バレリーナの脚線美を形成することはできない。
膝だけでなく、骨盤のプレースメント、強いては、体全体のアライメントまで、大きく影響が出ること自覚すべきである。
正しいバレエテクニックを身につけるためにも、一日も早く、取りかかってほしい。
正しい”膝ロック” をかける。
→https://juncotomono.info/program/20201028-quadriceps/
注1:CKCに関しては、こちらの記事で取り上げています。
→https://juncotomono.info/okcckc/