アンディオールやターンアウトは、ガニ股ではありません。
大人がそのまま脚を外向きにしたら、ガニ股直行です。
バレエだから、開いて回せばいいってものではありません。
下品な所作は控えたい。
バレエは前提が多くて、簡単ではありません。
だからこそ、哲学的におもしろい。
今日も、前提が出てきます。
アンディオールのエレメンツでもある
脚をただ外向きに回すだけでは、アンディオールではなくガニ股です。
少なくとも大人はそうです。
アンディオールをするためには、脚を常に寄せ続けなければなりません。
片足になろうが、ジャンプをしていようが、回転をしていようが、です。
バレリーナたちは、常に脚を寄せ続けた上で外向きにしているからこそ、あの脚のラインを出すことができるのです。
例えば、片足でのタンジュ。
太腿と膝から足首にかけての部分は、脚自体が動こうとも常に「集めようとする力」が働きます。
この状態を「寄せる」といい、さらに強固になり専門的になっていくと「センタリング」になります。
ですから、1番ポジションで[脚と脚の間がピッタリとついていること]はアンディオールをする上で必須条件なのです。
そうでなくとも、このポジションで脚の間がつかないというのは、膝が曲がっているということ。
膝が曲がった状態で脚を外向きにすれば、アンディオールでもターンアウトでもなく、ガニ股です。
アンディオールとは、ただ脚を外向きにすることではありません。
このあたり、整理はできましたか?
フットと合わせてみる
ここまで、レッグ(脚)についてお話ししました。
ここからは、フット(足)を加えましょう。
日本語では同じ「あし」でも、脚と足があります。
レッグとフットの働く方向を確認してみましょう。
わかりやすいよう、1番ポジションにしました。
レッグは、体の正中線に向かって寄せ続けた上で、外向きに回しています。
一方で、フットは外側へと働き続けています。
いつでも、すぐ、予備動作なしで動けるためです。
予備動作が少なければ、動きは軽やかにバレエらしくなります。
予備動作が多いほど、「よっこいしょ、どっこいしょ」といった重さを表現した動きになります。
*足底の働く方向に関しては、こちらの記事に掲載しています。
レッグとフットは逆方向に働き続けることに注目しましょう。
つまり、同じ「あし」でも脚と足の独立性が必要になります。
動きで捉える
最もシンプルな「バットマン・タンジュ」で考えてみましょう。
脚は、支持脚・動作脚ともに寄せ続け、足は、踵が足趾付け根ラインに向かって働き続けます。
その結果、足が押し出されタンジュという形態を取ります。
脚は寄せ続けるけれど、足は外に働き続ける。
この関係性が、竹がしなるような脚のラインと強靭さを生み出します。
ただし、この時に条件があります。
▶︎足首を伸ばし切る
これは、バレエにおいて足裏が床から離れる際の前提条件です。
足裏が床から離れようとした瞬間、足首は伸ばし切る方向に働きます。
この前提条件をクリアしていないと、足首が伸び切らずに中途半端、くの字に折れ曲がった状態を生み出してしまいます。
- 足首を伸ばし切ること
- 膝を伸ばした状態で、足首を伸ばし切れること
必ず、このルールは守りましょう。
まとめ
アンディオールについてや脚と足について、動きの中でのアンディオールを構成するエレメンツについて、たくさんのことを学びました。
ここまでをまとめましょう。
- アンディオールやターンアウトとガニ股は異なります。
- 大人は、そのまま脚を回したらガニ股です。
- 脚と足は逆方向に働きます。
- 脚と足の働きをするための前提に、足首を伸ばし切れることが挙げられます。
ファーストステップ♪
もう1回、読み直しておこう!