バランスは取れればいいというものではなく、バレエならば“バレエ”である必要があります。
今日は、バランスから回転へと話が広がります!
されどバランス
“バランスの源は脊柱にある” とは言いますが、実際には、かなり難しいこと。
もう少しわかりやすく、大人のあなたに実用的なバランスを考えてみましょう。
・体感として、バランスを脊柱で捉えるのは良いこと。
・その上で、実際には、体の前後左右の均衡が取れていないと、バランスをとることはできない。
これは、“良い意味でも、悪い意味でも” です。
私たちは、無意識に天秤のように、重さの帳尻を合わせようとします。
それが、「バランス」です。
負の連鎖でもできる?
体は、バランスを取ろうとして、無意識に反応します。
あえて、悪い例を上げてみましょう。
大人のクラスで、よく見かける光景です。
▶︎例えば、肋を前に突き出した姿勢。
▶︎前に重さがかかりすぎてしまい、バランスが崩れる。
▶︎無意識に、バランスを取ろうとして、おしりを後ろに突き出す。
▶︎肋とおしりで前後関係が成立する。
▶︎立ち方は間違っているが、ある種のバランスは成立する。
これでも、両手をバーから離すことはできるし、センターで片足で立っていることもできます。
このように負の連鎖を引き起こすことで、ある種のバランスを成立させてしまう場合もあるわけですから[バランスが取れている=バレエで求められるバランスが取れている]とは、限らないわけです。
正しくやっているからこそ、バランスが取れない/取りにくい場合だってあります。
回転と肩のライン
ワガノワメソッドで有名なアグリッピナ・ワガノワ女史は、著書の中で「肩を水平に保つように変更したことで、回転を習得しやすくなる」という内容を残しています。
これは、当時、肩のラインが水平ではなかったいくつかのバレエ動作に「肩を水平にする」という修正点を加えたことによるメリットを伝えているものです。
回転という意味では、必ずしも、肩のラインが水平でないと回れないわけではありません。
ですが、肩のラインを水平に保つと、バランスがとりやすく回りやすくなるのは確かなこと。
再現性も高まるために、「一か八か」ではなく、安定した動きを実現することができます。
動きが安定すれば、フォルムや回数など、他のことを気をつけられるよ!
ここが違う
肩を水平に保つことで、バランスがとりやすくなる。
回転もしやすくなる。
簡単そうに感じますが、ポイントがあります!
特に、回転が苦手な人、怖い人、よーく読んでくださいね。
・ルティレをはじめとする片足での動きで
・肩を水平に保つことを主導しているのは
・肩ではなく、脇や胸
例えば、片足になるときに骨盤を支持側に乗せてしまえば、肩を水平に保つことはできます。
ですが、これは間違い!
先ほどの「負の連鎖」で、肩が水平に保っているに過ぎません。
こうした誤解がとても多い項目です。
支持側の脇や胸を立てることで、正しいバランスがとりやすくなります。
まとめ
正しいバランスについてまとめましょう。
- 前後左右の均衡をとることで、バランスを取ろうとします。
- バランスは、正しくなくても取れることを知り、負の連鎖によるバランスから卒業しましょう。
- 肩を水平に保つことは、バランスをとることや回転に大きな貢献をします。
- 肩を水平に保つことを先導するのは、脇であり、胸です。
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