大人に伝えたいバレエのこと、カラダのこと。
この記事では、筋力についてお話しします。
粗大筋力って、ご存知ですか?
複数の関節を動員した人間の動作における筋力のことを粗大筋力(そだいきんりょく)と言います。
【粗大筋力の例】
・握力
・背筋力
・脚の伸展能力 など
もっと簡単にいうと、「ざっくりとした、大雑把な筋力」ということ。
筋力をつける手順
筋力をつける手順があります。
- 出力(神経発火含む)
- パワー
- コントロール
粗大筋力は、②パワーにあたります。
あくまでパワーがあった先に、コントロール能力の育成へと進みます。
【JBP バレエWSでの取り組み】
①出力は、特定の部位をテーマに掲げるバレエワークショップで行う場合があります。
②パワー/粗大筋力は、主に体作りのWSで取り上げています。
③コントロールは、ボディエデュケーションとして、各バレエWSやバレエ動作での確認に含まれます。
大人にとって、とても重要
しっかりと粗大筋力をつけておくことは、大人にとっては必須項目です。
20歳過ぎたら、何もしなければ衰えていくということを無視するわけにはいきません。
【粗大筋力をつけることのメリット】
・バレエを踊るための準備をすることができる。
・正しい動きをするための材料を揃えられる。
・安全にレッスンできる。
・健康に良い。
・偏りが少ないキレイなボディラインを作ることができる。
大切なこと
バレエを習っている人に多いのが、「ここは使って、ここは使わない」という発想。
結果、使っているつもりでも筋力不足に陥るケースが目立ちます。
粗大筋力とは、どんなものなのか具体的にイメージしてみましょう。
・足指の力を入れようとすると(動かそうとすると)、手にも力が入る。
・内腿に力を入れようとすると(引き締めようとすると)、前腿にも力が入る。
これらは、代償運動とは異なるものです。
対象となる筋(ターゲットマッスル)の強さが十分ではない時、他の筋肉も動員することで、なんとか目的の力を発揮しようとします。
レッスンやエクササイズで、慣れない動きをしていたり、先生からの指示に応えようとする時、このような状況に心当たりがあるのではないでしょうか?
もしなかったら…それは、相当深刻な事態に陥っているかもしれません。
コントロールは、この先にやるべきこと
例えば、足指の操作をしようとすると手に力が入る。
この場合、手をリラックスしてしまうと足指の力は、いつまで経ってもつきません。
手に余分な力を入れずとも足指を動かせるだけの強さが身についた時、コントロールへと進むことができます。
そもそも、出力さえ弱いのに「ここは使って、ここは使わない」ということはできません。
[考えてみよう]
5ℓの水があれば、“3ℓを料理に、1ℓを飲み水に、1ℓを予備に、この水は掃除には使わない” と使いわけることができます。
もし、ほとんど水がないのに、このように水の量を調整/コントロールして使うことはできますか?
大人に多いのは、後者の状況です。
使いすぎを気にして、肝心な水がない。
それが、筋力不足です。
粗大筋力がなければ、体の動かし方や使い方を実際に行うことはできません。
*5ℓの水が、粗大筋力にあたります。
大人に認識してほしいことリスト
- どのパーツにしても、粗大筋力は出せるべき。
- 現実的には、単一の筋肉のみを動かすことは不可能。
- 他のパーツに余計な力が入ってでも、ターゲットマッスルがパワーを出せることには、大きな価値がある。
- 粗大筋力がなければ、体の動かし方や使い方はできない。
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