ストレッチ、といっても「目的」はさまざまですよね。
例えば、お仕事でずっと立っていて脚や腰が疲れるから、一日の終わりにストレッチをして、疲れを流す。
これもストレッチ。
一日中デスクワークで首や肩が固まりやすいから、休憩時間にストレッチして循環をよくする。
これもストレッチ。
開脚をできるようにしたいから、ストレッチをして今以上に可動域を広げる。
これもストレッチ。
ストレッチと言っても、いろいろです。
じゃあ、バレエのストレッチは?
どれも、効果があるようにやれば効果はあるでしょうし、そうでなければ効果がない場合や害になる場合だってあるでしょうね。
大人がストレッチするときに、めちゃくちゃ大事だし、安心だし、まっさきに取りかかった方がいいのに、なんだか、なかったことにする人が多いのが、フツーの疲れや凝り固まったところを流すストレッチ。
「ここ、パンパンだなー」とか「今日は、肩がこっちゃったなー」とか、そういうところを放っておくと、正常な可動域さえ減っていってしまいます。
「正常な可動域」が足りないってことは、よくないんです。
日常生活で支障が出てくる可能性だってありますから。
それと、可動域を広げるストレッチをするのであれば、これを知っておかないと効果が出にくいよ!ということがあります。
開脚ができるだけ、スプリッツができるだけ、が目的ならば話は別。
そうではなく、バレエで開いたり、脚をあげたり、さらにいうなら正確にポジションが取れるようにするなど「バレエのため」にやっているのであれば “ただ伸びた、開いた” では、使えません。
大事なのは、ストレッチで「開く・可動域を広げる筋を使う」ってことなんです。
例えば、もともと横にも縦にも開脚ベターッっていう子供がいるとします。
よく開いているのをみて、あなたは「いいな、うらやましいな」と思うかもしれませんね。
でも、このタイプの体は「アンディオールする、開くための筋肉」がつきにくいのです。
筋肉の活動がなくても、開けちゃうから。
それでは、バレエを訓練しても、なかなか開くための筋肉が育ちません。
一方で、開脚ができないような体がカタイ場合は、がんばって開きますから「開く、アンディオールする筋肉」が育ちやすいんです。
ストレッチをするときに、一般的には「どこを伸ばしているのか」を意識するといいと言われています。
一方で、大人の場合は「どこを縮めることで、どこを伸ばしているのか」を意識することが必要です。
ただ、伸ばすところを意識するだけでは、可動域が広がるところまではいきません。
ちゃーんと、縮めるところを縮めることで、開く・アンディオールする筋肉を育てると、ストレッチをする意義が生まれます。
さて、今日はストレッチしますか?
●参考 収縮とストレッチ●
→https://juncotomono.info/program/20210330-supple/