レッスン前のウォームアップ。
体をあたためることで、パフォーマンスアップやケガの予防をはかる。
基本的には、この目的を果たしていればいい。
大人にとっては、ケガを予防することが最初の目的になるだろう。
その上で。
”上達を目指すレッスン” あるいは、”先生に認めてもらうためのレッスン”、ただ楽しいだけでなく、何らかの目的を持って取り組んでいるのであれば、もう一工夫が欲しい。
そのままの体では、「バレエをしてもいいですよ」というスタートラインに立つことがないまま、レッスンがはじまってしまうからだ。
当然、悪い癖がつきやすい。
それを「正しい」と認識してしまった場合は、もう最悪といってもいい。
レッスン前には、どんなストレッチをしたら効果的なのか。
大人に適切で、バレエに役立つストレッチとは?
あなたに処方しよう!
レッスン前のボディ・チェックストレッチとは?
2グループのストレッチ
ストレッチという言葉は、広く一般的にも使われている。
その為、「ストレッチ」という言葉だけだと
・どんな目的を持ち
・なんのためのものか
把握することは難しい。
バレエをしている人は、大きく2つに分けて考えると良いだろう。
(図)
あなたが普段から持っている可動域を「0」としよう。
普段から確保している可動域は人によって異なるので、同じ「0」でも、状況によって異なる。
ここは、前置きとして頭の片隅に入れておこう!
レッスン前にやっておきたいストレッチは、マイナスから「0」にするためのものである。
可動域を広げようと「0」からプラスにするストレッチをやる人が多いが、それは、レッスン後やお風呂上がりなどにした方がいい。
レッスン前に「0」からプラスにするためのストレッチをすることの弊害については、長くなるのでやめておこう。
今日は、ここではないのだから。
レッスンの時間帯もヒント
話を先に進めよう!
特に、”夕方から夜にかけてレッスンを受ける機会が多い場合” は注意したい。
なぜかというと、その日のあなたの動きの癖が、より強い状態でレッスンをするからである。
こんなことを耳にしたことがあるだろう。
”どこかをかばいながら動いていると悪い癖がつく、やるなら、きちんとやるべき”
これと、同じことが起きてしまいがちだ。
例えば、オフィスワーカーで座りっぱなし、1日中パソコン作業で首や肩こりがある。
常に腰に重さがかかり、ウエスト周辺が短くなっている。
例えば、一日の大半家事をしているか、力仕事が多く、腰が固まりやすい。
腰痛を感じる日がある。
こうした過剰な緊張によって機能しにくい部位がある場合、この部位が本来やるべき仕事を、他の部位が受け持つことになる。
いわゆる代償行為・代償運動、癖などと呼ばれるものの発生だ。
マイナスゾーンのストレッチの目的は、こうした、日々の生活の中で固まってしまったところを「筋本来の長さ」に戻すことである。
お察しだとは思うが、朝起きてから時間が経てば立つほど、この癖が強くなる。
レッスンする時間帯が遅くなればなるほど、マイナスゾーンから「0」にするためのストレッチを入念にすべきである。
これは、疲労軽減にも繋がる。
とはいえ、「朝よりも、遅い時間の方が体が動きやすい!ストレッチしなくても大丈夫!」とおっしゃるかも知れない。
体が温まっていない朝より、動きやすいと感じる気持ちは理解できる。
一方で、実際には違う理由が潜んでいることも知っておくと良いだろう。
はっきりした回答をするならば、それは「正確な動きをしやすい」ではない。
「癖や重さを悪い意味で利用することを、頭が動きやすいと勘違いしている」だけに過ぎない。
厳しい言い方かもしれないが、私たちの認識というのは「誤認」しやすいのだ。
あなただけではない、私もだ。
誤認しやすいということが頭に入っていれば、気をつけようという意識が芽生える。
ここが大事なのだ。
もちろん、さまざまな理由で夜しかクラスを取れないケースもあるだろう。
遅いクラスがダメなわけではない。
ただ、”ひと工夫” が必要なだけだ。
自分のチェック項目をつくる
レッスン前、気になること全てに取り掛かっていると大変!という場合は、自分用のチェック項目リストを作っておこう。
優先順位を決めておく。
オススメの優先順位を並べておこう。
①姿勢に関すること
→筋の長さが足りない箇所をストレッチする
②いつもより固まっているところ
→その日の姿勢や生活によって発生した不調の改善
③自分の「癖」対策
→過活動している筋をストレッチすることで停止に持ち込む
必ずやって欲しいのは①、その後に②がいいだろう。
②はなんなら、スタジオにくる途中の電車の中だったり、休憩中など、レッスン外で済ませておくのも手。
そうしたら、稽古場では①だけでもいい。
例えばこんなこと。秒単位で簡単にケアできて、時短にもなる。
そして、①には「毎回行うストレッチ」を一つ入れてほしい。(✳︎)
そうすると「今日はカタイなー、今日は調子いいなー」とわかりやすいからだ。
自分でチェックできるものにしよう。
大人の場合、忙しい中レッスンしている方がほとんどだろう。
ウォームアップの時間もままならないケースもあると思われる。
優先順位をつけて、できるところからやってみよう。
例え、1分でもやれば「習慣」への道が開けるってものだ。
今日は何かを1分やってみよう。
ボディ・チェックストレッチ
第一日目にしよう!
✳︎毎レッスン前のボディチェックストレッチにどうぞ!
大人のバレエ 踊りやすくするためにカラダを整える[バレエ参考書]