おニャーさんとの井戸端会議。
そして、ひとりごと。
お茶でも飲みながら、気軽に読んでみてください。
上達する人の話を聞いていると、「教師だろうと生徒だろうと、プロだろうと愛好家であろうと、行き着くところは同じなんだろうな」と思うことが多くあります。
要するに「上達メソッド」のようなものを持っていて、バレエだろうと仕事だろうと他の趣味であろうと、このメソッドに沿ってやっている。
結果、どんなことをやってもそれなりの結果を出せる。
それは、バレエでも同じ。
ですが、なぜか極端な考え方をするタイプが多いのも事実。
それは、“バレエという性質が大きく関わっているから” なのかもしれません。
例えば、要領がいいタイプっていうのは、ざっと全体を見渡すのが上手です。
「ルティレでしっかりバランスが取れないと、ピルエットなんて回れないわよ!」とレッスンで言われたとします。
(私は使わない言葉ですが)
すると、この手のタイプは「ピルエットって、どんなもんなんだ?」とピルエットをやってみる。
すると、見えてくるものがあります。
「ピルエットをできるようにするには、これとこれが必要だな」と割り出し、足りないものを補充する練習をする。
ただ、バランスを取るのではなくて、その中で何をするべきなのかを割り出し、アクションに移す。
一方で、要領が悪いタイプというのは、同じことを言われても発想がまるで違います。
「そうか、ルティレでしっかり、ルルヴェでしっかりバランスを取れるようにしよう」とただ、それを繰り返す。
「これが基本だから」と自分で納得できるまで続ける。
ここ「自分で」というのがポイントで、他の人がどうこうではないんですね。
要するに、上達しやすいタイプっていうのは【全体➡︎詳細】という方程式を持っているのに対し
そうではない場合は【詳細➡︎全体】という方程式であることが多いのです。
詳細をやっているときに全体をまだ知らないから、どうなったら次のステップに進んだらいいのかの判断ができない。
誰かがゴーサインを出してくれるまで、その場で停滞してしまう。
【逆算する】という概念があるかどうかは、大人の場合、上達度を大きく左右する要素のように感じます。
こんな話があります。
2人の世界的に有名な指導者。
優秀なダンサーを多く輩出してきた先生です。
彼らは公立バレエ学校の最終学年を受け持つことが多い。
質問はこうです。
「あなたは、カリキュラム通りに教えているのですか?」
2人は、全く異なるメソッドの教師ですが、なんと答えは全く同じ。
「半年かそれ以上、前倒しで教える」
理由は、他のクラスでは1年かけてやることを半年で終わらせることで「問題点・もっと練習しなければならないこと・強化すべきこと」がわかり、残りの半年で補充ができるからだそう。
もう1つ。
半年でカリキュラムを終わらせておけば、じっくりと「卒業試験・就職試験の対策」に取り組める
とのこと。
これ、日本の先生でも共通しています。
「的確に教えるなー」という先生に話を伺うと、全体を見せてから詳細を詰める方程式は同じです。
要するに、全体をみてみないと何が間違っているのか、何を強化したらいいのか、何が足りないのか。
あるいは、何がいいのか。
その方向が定まらないのです。
何がいいとか悪いとかを言いたいのではありません。
教師はバレエテクニックの習得に関して導くことはできても、思考についてはその人を尊重しなければなりません。
特に大人の場合、その選択権は本人にあります。
本人がどのようにバレエと向き合いたいのか。
そこは、尊重したいし、すべきだと思っています。
お読みいただき、ありがとうございました。
良い1日を♪