遠くを見るとは、
空間を広く捉えるということ。
序論:教師の狙いを知ろう
教師が「遠くを見て!」と言うとき、何をして欲しいのだろう。
また、どんな狙いを持って指示を出しているのか。
バレエレッスンで使用される指導言語の理解をすることで、何をすれば良いのか、目的を持って取り組むことが出来るだろう。
本稿では、「遠くを見て」という指導言語について述べる。
尚、目線についての記事の内容を前提としている。
まだ、お読みでない方は、こちらに目を通した上で、ご一読頂くと理解が深まります。
本論:「遠くを見て!」本当にやって欲しいこと|バレエレッスンでの指導言語
本論1:ループを断ち切る
まず、「遠くを見て」と言われる時の状況を考えてみよう。
▶︎近くを見ている
▶︎頭が前に出ている
あなたの目の前にあるものを見てみよう。
スマホや本、新聞を読むなど、「見る対象物」が近い場合、頭は前に出やすい。
そして、背中がまるまったり、前に倒れやすい。
こうした状況を回避したい時に、「遠くを見て」と指示を出す。
また、近くを見ていると、瞼がはっきり開いていない、眉間にシワが寄りやすい等、顔のパーツを中心に寄せがちである。
顔のパーツも、腕や脚と同様、外へ外へと働いていることが望ましい。
▶︎対象物との距離
▶︎頭や顔
▶︎背中
この3項目は、「悪循環ループ」を作りやすい。
「遠くを見て!」と指示が出た時は、このループを断ち切る狙いがある。
本論2:山を見る
悪循環ループを断ち切ろう。
まずは、頭の位置を取る必要がある。
序論でご紹介した記事「本論2」に掲載しているので、ご覧いただきたい。
本稿では、その先へとすすむ。
頭の位置をとった上で、胸椎をやや後方に倒してみよう。
その際、腰は反らさずにまっすぐ保ち、頭は高く立てておく。
そうすることで、対象物との距離を取る。
これが、「遠くを見る」の正体だ。
わかりにくい場合は、遠くの山を見るときを思い出してみよう。
遥か遠くに小さく山が見える。
この時、多くの人は、頭や背中が高く、やや後ろになっているだろう。
つまり、ざっくり言うとこの状態が欲しいのだ。
結論:後ろにする場所
まとめてみよう。
▶︎頭の位置
▶︎背中を後ろに保つ
「遠くを見て!」と言われたときは、この2点を確認してみよう。
大事なことは、後ろにするのは、頭と背中であって、「首」ではないということだ。
これは、とても重要である。
頭が前に出ていると、首が後ろになりやすい。
背中が前に倒れていると、首は後ろになりやすい。
遠くまで届けよう。
その意識から起きたポジションが「遠くを見る」こととなる。
対象物と胸や頭を遠ざけてみる。
そうすることで、
あなたの前方に空間が見えたいのだ。