指導言語を正しく理解することは、バレエの上達だけでなく、先生とのコミュニケーションをとる上でも大切です。
今日は、脚を上げるときに言われるあの指導言語を解説!
前腿に対しての誤解
ディベロッペなど脚を高く上げる動作でよくあるのが「前腿で上げてしまう」というお悩み。
この場合、「前腿を使わないのが良い」と思ってしまうケースがありますが、誤解です。
前腿は、「0(ゼロ)」にしたいのではなく、活動はします。
ただ、その活動の大きさが
・100近くを求めているのか
・20程度でいいのか
・50は欲しいのか
どれにしますか?という話なんです。
決して、ゼロにしたいわけではありませんので、ここは正しく整理しておきましょう!
裏から上げる1
前腿ではなく、「裏から上げて!」あるいは「裏腿から上げて!」という言葉。
一度は耳にしたことがあるのでは?
この場合、前腿と裏腿の比重の調整をする必要があります。
▶︎例えば、前腿:裏腿で[90:10]であれば、前腿が優位ということ。
▶︎この場合、先生としては裏腿を優位にしたい。
▶︎ということは、最低でも[50:50]よりも、裏腿の比重が高くある必要がある。
プラス、バレエならではの観点を述べましょう。
▶︎数値で言うと[49:51]であれば、裏腿が優位に立っていると言える。
▶︎だが、これだと裏腿が優位になっているようには見えない。
▶︎大事なのは、先生の目から見たときに“裏腿が優位になっている”と判断できる動きであること。
“実際”と“そう見える” バレエの特性ですね!
補足:裏腿優位の方法
裏腿を優位にする際に気をつけたいこと。
それは、前腿の出力を下げようとするよりも、裏腿の出力を強めることです。
前腿の出力を下げて、比率だけ裏腿が優位に立ったようにしても、実際に動きをこなすことはできません。
裏腿の出力が弱ければ、補強しようとして前腿の比重が高まります。
先にすべきは、裏腿の出力を上げること、一択です。
裏から上げる2
「裏から上げて!」という、もう1つの意味は「見た目問題」
その言葉には、「上げる脚をアンディオールして」という意味が込められています。
例えば、ディベロッペアラセゴンで、膝が前を向いてしまい、動作側のおしりが持ち上がってしまった。
こういうときに、
・脚を回して
・アンディオールし
・バレエの形式におさめなさい
これらを全部まとめて「裏から上げて!」と言い表します。
この場合、体の動かし方だけでなく、自分がどんな動き方をしているのか、鏡でチェックし、改善することが先生へのレスポンスになります。
まとめ
「裏から上げて!」の意味をまとめましょう。
- 前腿ばかりで脚を上げていると感じる場合、前腿と裏腿の比率を調整する必要があります。
- 裏腿の出力を高めましょう。
- 「裏から上げる」という指導言語には、体の動かし方と見た目を指す2つの意味合いがあります。
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