おニャーさんが思ったこと、感じたことをお伝えするエッセイ。
今日は、「美しい」の概念についてです。
「美しい」とか「キレイ」という概念は、人それぞれ違います。
かつ、今はこういう時代です。
少し前だったら、一般的には美しいと思われないようなものやことを「美しい」という場合もあります。
かつ、それが「何だか今どきっぽくていい」とか「進んだ考え方」と捉えることが良いとされる風潮のように感じてなりません。
バレエには、「これが美しい」という一定の概念があります。
毛玉だらけのスウェットを着て、顔も洗わず、髪もボサボサ。
寝っ転がりながら、ポテトチップスを頬張っている人を「美しい」とする概念とは異なります。
【バレエにとって、どんな状態が美しいか】をわかっていないと、寝っ転がってポテチ状態でも「美しい」と思ってしまいます。
もう少し、詳しくお話ししましょう。
例えば、きちんと整理整頓され、お掃除が行き届いているお家に住んでいるとします。
この状態を「美しい」とあなたは思える。
だからこそ、ゴミ屋敷を見たらそれだけで「汚い」と思うことが【できる】わけです。
そこまで行かなくても、あなたのお家が散らかって、埃が溜まっていたら「汚い」と感じて掃除をするわけです。
もし、あなたがゴミ屋敷を普通と思っていたら、散らかった部屋を「美しい」と思うかもしれません。
それでも、ゴミ屋敷より、ずっとマシだからです。
もし、あなたがゴミ屋敷を普通と思っていたら、お掃除していない、埃が溜まった部屋を「美しい」と思うかもしれません。
それでも、ゴミ屋敷より、ずっとマシだからです。
何を持って「美しい」と思えるのか、それは何を基準にしているのかによって変わります。
バレエは、美しさを追求するものです。
とはいえ、あなたの美しさの基準によって、美しいと汚いのボーダーラインが変わります。
内足、曲がった膝、おしり丸見え、パンツ丸見え、方向や位置がバレエの美しさと全く違っていても、それを「汚い」と思うことができなければ、「キレイにしよう」という気持ちが生まれません。
これは、他人がどうこうできることではないのです。
どんな動きが汚いのか、そうはなりたくないのか。
ここがわかっていないと「感じる心」さえ、生まれないのです。
お読みいただき、ありがとうございました!