バレエでは股関節をたくさん活用します。日常あまり動かさない方向にも動かすことで、動きの幅を増やしています。
この記事では、バレエレッスンで使える股関節の動かし方や意識の持ち方について、例題をあげて解説します。レッスンでもすぐに使うことができますので、ぜひ、取り入れてみましょう。
例題で脳内バレエ!
実際のレッスンでも登場する動きを例題として、脳内バレエ(シミュレーション)してみましょう。正しく・適切にシミュレーションできると、実際に動いたときに近い効果が得られることもあります。
例題
手を使ってのシミュレーションもGOOD。
スタートポジション▶︎第1ポジション
count1:タンデュに出す
count2:脚を内向きにする
count3:脚を外向きにする
count4:第1ポジションに戻る
股関節に正しい動きを覚え込ませたり、より可動を広げるため、温めるためなどの目的でアンシェヌマンに組み込まれる動きです。
この動き自体は”見せる”ためのものではありません。体の機能をよくすることが目的です。
見かけだけをやっても、あなたの体にとってプラスになる方法を取らないと、役割を果たすことができません。ここを踏まえてレッスンすることで有意義性がグッと増します。
良い例
「プロ」と呼ばれる職業ダンサーや教師と、大人からはじめた人で、大きな差が生じる動きです。
プロは股関節を上手に動かします。そうでない場合は、実際にはほとんど動いていないケースもあります。
良い例と悪い例を比較して、頭の中の情報を整理しましょう。体は脳からの指令で動きますので、情報の整理は大切です。
GOOD
上体や骨盤(特におしり)が保持された状態で、脚の向きを内と外に動かしている。
ここで、注目しておきたいのは【上体や骨盤(特におしり)は変わらない、動いていない】ということです。
悪い例
良い例を脳内バレエしたら、次は悪い例でやってみましょう。両方を比較してみると優先順位が見えやすくなります。
シミュレーションだけでなく、実際にやってみて比較するとさらにいいです。新たな発見のヒントになります。
BAD
□脚を内向きにするときに、骨盤やおしりが動いてしまっている。
▶︎特に、動作側のおしりが持ち上がりやすい。
□脚を外向きにするときに、動作側の腰骨とおしりを落としてしまう。
▶︎左右の腰骨の高さが揃わない。
□支持脚やおしりに寄りかかってしまう。
□姿勢が崩れてしまう。
など。
股関節(脚の付け根)は、骨盤と太腿の骨で構成されています。そのため、不必要に骨盤と太腿の両方が動いてしまうと、実際には、股関節はほとんど動いていないという事態を招きます。
良い例では、骨盤が動かず脚が動いていましたが、悪い例では、骨盤も脚も動いてしまっていることに注目しましょう。
正しい「脚のアンディオール」発生源はココ
かなり誤解が多い項目です。海外の先生が日本に講習などで教えにくると、認識している場所が大幅に違うために困るそうです。
股関節を動かそうと思って動かすと、実際には、悪い例のようになってしまいます。正しく股関節を動かすための正しい方法でレッスンしましょう。
習得度や目的によっても位置は若干変わりますが、オーソドックスには、この位置から脚を動かします。
【アンディオールを発生させる場所】
太腿 縦2分の1に横に線を引く
▶︎このラインから上の太腿=動かさずに保持
▶︎このラインから下の太腿=外側に開く
レオタードライン(鼠蹊部)や脚の根元ではないので、注意が必要です。
また、再度申し上げますが、股関節を動かす際に股関節の場所を動かそうとすると、間違った動きがおきますので、しっかり整理しておきましょう。
➡︎【自分で開けるアンディオール】
『バレエ力を上げる』大人への3パック【アンディオール/ルルヴェ/二の腕】
まとめ
正しい股関節の動かし方で、正しい【脚のアンディオール】を身につけましょう。なかなかレッスンに行けないときや、レッスンにプラスアルファしたい場合は、脳内バレエを徹底的にやってみましょう。
□脚のアンディオールは、正しい股関節の動かし方から。
□正しい股関節の動かし方を覚えましょう。
□レッスンでのインアウトでは、骨盤を保持して脚を動かしましょう。
アンディオールの方法
【自分で開くアンディオール】
『バレエ力を上げる』大人への3パック【アンディオール/ルルヴェ/二の腕】
【パッセ・ルティレで開くアンディオール】
『開く』パッセ・ルティレを作る【裏腿・ハム】
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